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書道教師は御曹司に甘く蕩かされました
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エレベーターが宿泊階に停まるなり、仁那は手を引っ張られた。二人は足早になる。
男が、もどかしそうにカードリーダーにカードキーをあてるのを、仁那も期待に満ちた目でみつめる。
ドアを締め、ロックをかけたのが互いに最後の理性だった。
「ン!」
唇が触れあったのが先だったのか、襟の中に入り込んだ手に胸のふくらみを揉まれたのが先だったのか。
後からどん、と壁に押された衝撃が来た。
「今日の仁那は凛々しくて」
喘ぐような声だった。
それは自分の台詞だと仁那は思った。
が、舌に吸いついてくる彼の舌を味わうので必死で声は出せない。
「綺麗で、君に見惚れている記者を追い出したかった」
それも、仁那の台詞だった。
「『俺の女を見つめるな』と、襟を掴んで脅すのを我慢した」
褒めてとばかりに頭を押しつけられた。
仁那の手がそ、と男の髪のなかに差し入れられる。
「たけ、おみさんが。かっこ、よくて眼が、離せな・かッタ」
息が荒くて、途切れ途切れにしか喋れない。
「ありがとう」
礼を言ってから松代が口づけてくれた。
密着したくて、仁那は男の太い首にすがりつく。
「でもっ、ドキドキしてた……あなたが、壊れまセンように、ッテ」
「なぜ? ……ああ」
嬉しそうな声とともに、抱きしめられていた腕に力がこめられる。
男が、もどかしそうにカードリーダーにカードキーをあてるのを、仁那も期待に満ちた目でみつめる。
ドアを締め、ロックをかけたのが互いに最後の理性だった。
「ン!」
唇が触れあったのが先だったのか、襟の中に入り込んだ手に胸のふくらみを揉まれたのが先だったのか。
後からどん、と壁に押された衝撃が来た。
「今日の仁那は凛々しくて」
喘ぐような声だった。
それは自分の台詞だと仁那は思った。
が、舌に吸いついてくる彼の舌を味わうので必死で声は出せない。
「綺麗で、君に見惚れている記者を追い出したかった」
それも、仁那の台詞だった。
「『俺の女を見つめるな』と、襟を掴んで脅すのを我慢した」
褒めてとばかりに頭を押しつけられた。
仁那の手がそ、と男の髪のなかに差し入れられる。
「たけ、おみさんが。かっこ、よくて眼が、離せな・かッタ」
息が荒くて、途切れ途切れにしか喋れない。
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「なぜ? ……ああ」
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