Bad luck

ごわす系美少女イカスミパスタ風

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第三話 嫌われ者

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やっとおさまった叫び声にホッとため息をしたのも束の間少女は耐えてきたものが溢れ出したのか嘔吐してしまった。

しかし少女を構っている暇はない。さっきつけた火がついた木を持ってきて傷口を焼く。


「あ”あ"あ"あ“あ"」

再び鳴り響く悲鳴。

腕の傷だけではなく首元の傷も焼かなければいけない。

首って色々重要なものがいっぱい詰まってるから気をつけろ的なことを言われたが焼いちゃダメって聞いたことは無いから大丈夫だろうと思い躊躇なく焼いた。

叫び疲れてぐったりしている少年の腕と首に包帯を巻き、少女に振り返った。

嘔吐したのにまだ気持ち悪いのか顔を青ざめてコチラをみる。仕方ないが少女も結構やばい状態だった。早急に処置しないと危ない。

少し抵抗を見せる腕を掴んで押さえつけ震える顔を鷲掴んだ。

「落ち着け弟よりはマシだ。そんな痛くないから大丈夫だ。すぐ終わる。」

少女の顔がほんの少し希望で輝いた。

弟よりは噛まれた回数が少ない分時間はかからないので嘘ではない。
痛みの感じ方は人それぞれな筈だから少女はもしかしたら全然痛くないタイプかもしれないので嘘ではない。

時間との問題だ。


少女が油断した隙を狙って躊躇なく傷口を焼いた。

「あ"あ"あ"あ"あ"」


少女は痛みを感じやすい方だったらしい。



ーーーーーーーーーー



泣き腫らして目の周りは真っ赤で目の充血が治っていない少女は不貞腐れた顔でげっそりとした様子でこちらを睨む。

それを気にせずカレーの続きを食べる私。

いまだに起きない少年。


「あんた悪魔?」


「いや、どっちかと言うと君たちだろ。さっきまで悪魔になりかけてたくせに。」


少女は顔を真っ赤にした

「悪魔じゃなきゃあんな事しないわ!!絵本で読んだんだもん!!」


「へぇーなんて心優しい悪魔の絵本なんだ。」


「ちーがーうーーー!!ッッイッタイ!!」


身を乗り出した瞬間首の傷口が痛んだのかうずくまってしまった。

「傷口が開くから安静にしな」

特に心配はせずカレーを食べ続ける。

「よく肉なんか食えるわね。オエっ」

研究生活に慣れきってたからかこのサバイバル生活に慣れてしまったからなのかは分からないが特にそうゆう感覚が分からない。

「………ねぇ弟が起きないけどいつ起きるのよ……」


顔を俯き表情が見えない。

「さぁ……」

「ッッアンタねぇ!!!」


胸ぐらを掴まれた。

そんな動いたら傷口が痛むだろうにそれすら気にせず少女はこちらを睨むことをやめない。


「…このウイルスの感染者を治す方法はまだ分かっていないだから応急処置をしただけよ。起きたとしても完全に治ってるわけではないなんらかの症状が残る筈。」

「そんな」


絶望の色


「あんたも完全に治ったわけではないわ」


「えっ」


カレーの鍋の銀の側面に反射する自分の顔を見せた。


少女は絶望で前が見えなくなった。


「いっいやだっっ…こんなのあたしじゃない……気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」


はげしく目を擦る少女の手を取った。こちらをギラリと睨み涙を溢れさせる


「全部全部悪魔のせいよ!!ただ生きてきただけなのに!ただ外で遊びたかっただけなのにっ!弟にお花を見せたかっただけなのに!!」


今までの鬱憤を吐き出して行った少女を見た。

少女は知っているのだろうか。悪魔を作った張本人として指名手配されている私のことを。知ったらどんな反応をするのだろうか。私の言い分を聞いてくれるのだろうか。私を恨むのだろうか。




まぁこの子に嫌われようが知ったこっちゃないが。


泣き続ける少女を横目にカレーを食べ進める。

そういえばあの犬どうなったんだろうな。音も聞こえないし死んだのかな。

いい実験対象だったのに。
内心ため息をつきながら

ふと疑問に思ったことを少女に聞く。



「君どこからきたの?」

キョトンとした顔をした後訝しげにこちらを見た

「知らない人に言っちゃダメって言われた。」


「ハッ」


つい鼻で笑ってしまった。そんなこと言ったら医師免許もなしに勝手に腕を切った私はもうとっくに犯罪者だし不審者通り越しとるわ

しかも、知らない人に助けを求めてきたくせに今になって律儀に言いつけを守るなんて。よく知らない人に弟の命任せたな。

と皮肉をこめてもう一度少女を見ながら鼻で笑ってやった。

ムカッ「それよりあなたは誰?どうしてに出ているの?」


少女は言った。
そこで確信した人々はやはり地下のシェルターに避難していた様だ。そして少女はそこからきたらしい。

逃げ出したか。


「私の名前はアメリ。どうして地上にいるかって言う質問は単純な話、保護対象じゃなかったってだけさ。」

少女は首を傾げている。

「あんたの名前は?」

変に勘付かれない様にする為に話題をずらした。気づかれて騒がれるのもめんどくさい。きっと政府はもうとっくに私が死んだと思ってるだろうし。

少女は少し顎に手を当て考えた後こちらを見あげた

「あたしの名前はラリア」

少しは気を許してるらしい。

「へぇラリア。どうして家出なんかしたの?」


「うぇっ?!?!」

目を白黒させながらこちらを見る。その顔には焦りが浮かんでいた。どうしてバレたんだろうと小学生が親にする言い訳を考えるような顔をしていたため少し笑ってしまった

「フッ別に言い訳が聞きたい訳じゃない。あんたが家出しようが怒らないよ私はあんたの親でもなんでもないしね。」


「あっ………お母さん…………」


何か訳ありそうだ。

安心したと思ったら親の話をしてこの反応。喧嘩でもして家出か?


少女は俯きながら話し出した

「あのね、あたし弟にお花を見せたかったの。お花はねお家の近くにあるんだけど….水を上げた時太陽が当たってキラキラして宝石みたいに綺麗なのを見せたかったの」

なるほど。

当然地下シェルターには太陽がないだろうからそれを見せたかったのか。

「でも……外に出たいって言ったらお母さんがダメって言うの。」

そりゃそうだろうな。

「でも見せたかったのだからみんなが寝た後おうちから出てハンターのお兄ちゃんたちも仕事でいない時を狙ってここを出たの!」

ハンター…か、

「バレない様に朝まで隠れて太陽が出た頃にお花を見ようと思ってたのに。



お花一本もなかった。」


あそこにいる人たちは現状を何も知らされていないのか?


「大人の人たちはみんな言ってたもん。今偉い人たちが悪魔たちをみんな治してる最中でもう少しでここを出れるって。」


「朝が来る前に襲われた。弟を抱えて逃げてる途中に雨が降ってきて何にも見えなかったけどカレーの匂いがしてここにきたの。」



カレーを食わなければこんな大事にはならなかったのか。ついめんどく下がり屋の自分が見え隠れてしまったが。私にだって良心はある。子供を無事助けることができたのだからよしとしよう



「これも全部悪魔が。いや悪魔を作った魔女が悪いんだ!!」


少し驚いた少女はウイルスを作った魔女がいる事自体は知っていたようだ。名前と顔は知らなかったが。

「なんでこんなことするの?なんで私の幸せを奪うのかわかんない!!」

自分が作ったわけではないのは確かだがそれをこの少女が信じてくれるか。バレたらめんどくさいな。


「殺してやる!!!!弟の仇もとってやる!!!」

目が逝ってる。子供ができるような目ではなかった、殺気ではなかった。

こっわ


とりあえずこいつにバレたら私は終わる。
そう思い、逃げるようにその場を立った。

「どこに行くの?」

さっきの様子とは真逆で不安そうな目でこちらを見る。ギャップが激しすぎて風邪引きそうになった


「あのワンコロ探しに行くんだよ。死んでたら死んでたでいいけどちょっと調べたいこともあるし。」

そう言って火を持って奥へと歩き出す。
少女がついてきそうな雰囲気があったので後ろを振り返った。焦ったように立ってついてこようとする様子が見えた

「ラリアは弟の面倒見とけ。多分悪魔が来ることはないだろうけど鳴ったらそこのちっこい銃ならせすぐ行くから。」

と少女近くに置いてあった銃を指差して再び歩き出した。


近づいてくる音は聞こえなかった。



コツコツとブーツが鳴り響く



「しっかしまぁ



どんだけ私って嫌われ者なの?」



ちょっと生霊とか付いてんじゃないかって怖くなった。


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