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プロローグ
待ち合わせ場所に早めに着いてしまったミコトは、キョロキョロと辺りを見回し、ちょうどよいと思ったのか、駅前のガードレールに寄りかかると、おもむろにバッグからゲーム機を取り出した。
(もうちょっとで倒せそうなんだよ!)
慣れた手つきで左右の指を動かし操作している。さすがに電車の中では遠慮したが、ここなら遠慮なく操作出来る。
タマさえ出れば武器の最終強化も出来るというもの。
今日は久しぶりに会う友人と心置きなく熱く語る予定だ。主に戦果の薄い本について、情報交換と貸し借りなのだが。
ミコト、アラフォー独身、こよなく二次元を愛する狩人である。
(お、やった!出てこい宝玉!タマを寄越せ!寄越しやがれ!)
僅かに口の端を上げると、○ボタンを連打して、画面を夢中で見入っていた。
そんなミコトの背後に迫っていた影ー。
周囲が驚愕の表情でこちらを見ていたが、耳にイヤホンを突っ込んでゲームをしていたミコトは気付かない。
居眠り運転の4tトラックが突っ込んできた次の瞬間、ミコトの身体は吹っ飛ばされていた。
ミコトの身体が宙を舞って地面に叩きつけられるまで、コマ送りのフィルムを見ているかのようだった。
両目を見開いたまま「あ、詰んだ」と呟く余裕すらあったのだ。
そしてーーーミコトの意識は真っ黒に塗りつぶされた。
*****
目覚めた時、目覚めることが出来たことに驚いた。
明らかに死んだと思ったからだ。
けれど、よく見ると自分の手が恐ろしく小さいことに気付いた。
(……は?)
そして更によく見ると、白くて柔らかいお包みに包まれているではないか。
(あれ?赤ちゃん?)
「私の可愛い子、そろそろお乳の時間よ」
私の顔を薄い翠の瞳に美しい金髪の長い睫毛のご婦人がにっこりと微笑んで見下ろしている。
(いやいやいやいや、ワタシ、ニッポンジンデース、アイアムジャパニーズ!)
と、突っこんでみるものの、口からはフエッだとか、フニッだとか意味不明な言葉しかこぼれない。
「あらあら、ご機嫌ね」
翠の瞳に金髪のご婦人は更に笑みを深くすると、私を抱き上げて頬ずりしてから、もう一人のご婦人に手渡す。
「さぁお嬢様、お乳をたくさんお飲みになってくださいましね。それでは奥様、失礼いたします」
(これはあれか、乳母だな!)
乳母がいるってことは、そこそこいい家に生まれ変わったようだ。
(でも、待てよ?ーーーそもそも時代がおかしいよね?)
乳母からお乳を貰いながらも冷静に考えるミコト。
ミコトの生きていた時代に比べると、明らかに過去に遡っているように見える。
それは母と思しき女性や乳母の服装からして判断してみた。
現代の貴族様はもっと動きやすい服装だったはず。
(もしやこれって、、、異世界デビュー?!やった!ついに液晶超えたわ、二次元きちゃったよ!で、どこの世界よ、乙女ゲームとかでヒロインとかだったらどうしよう?)
胸熱な展開に心躍らせていたのだが、お乳をお腹いっぱい飲んだら、どうにも眠気が襲ってきてしまった。
所詮、赤子である。
**********************************************************************
10/28一部、加筆しました。内容には影響ありません。
(もうちょっとで倒せそうなんだよ!)
慣れた手つきで左右の指を動かし操作している。さすがに電車の中では遠慮したが、ここなら遠慮なく操作出来る。
タマさえ出れば武器の最終強化も出来るというもの。
今日は久しぶりに会う友人と心置きなく熱く語る予定だ。主に戦果の薄い本について、情報交換と貸し借りなのだが。
ミコト、アラフォー独身、こよなく二次元を愛する狩人である。
(お、やった!出てこい宝玉!タマを寄越せ!寄越しやがれ!)
僅かに口の端を上げると、○ボタンを連打して、画面を夢中で見入っていた。
そんなミコトの背後に迫っていた影ー。
周囲が驚愕の表情でこちらを見ていたが、耳にイヤホンを突っ込んでゲームをしていたミコトは気付かない。
居眠り運転の4tトラックが突っ込んできた次の瞬間、ミコトの身体は吹っ飛ばされていた。
ミコトの身体が宙を舞って地面に叩きつけられるまで、コマ送りのフィルムを見ているかのようだった。
両目を見開いたまま「あ、詰んだ」と呟く余裕すらあったのだ。
そしてーーーミコトの意識は真っ黒に塗りつぶされた。
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目覚めた時、目覚めることが出来たことに驚いた。
明らかに死んだと思ったからだ。
けれど、よく見ると自分の手が恐ろしく小さいことに気付いた。
(……は?)
そして更によく見ると、白くて柔らかいお包みに包まれているではないか。
(あれ?赤ちゃん?)
「私の可愛い子、そろそろお乳の時間よ」
私の顔を薄い翠の瞳に美しい金髪の長い睫毛のご婦人がにっこりと微笑んで見下ろしている。
(いやいやいやいや、ワタシ、ニッポンジンデース、アイアムジャパニーズ!)
と、突っこんでみるものの、口からはフエッだとか、フニッだとか意味不明な言葉しかこぼれない。
「あらあら、ご機嫌ね」
翠の瞳に金髪のご婦人は更に笑みを深くすると、私を抱き上げて頬ずりしてから、もう一人のご婦人に手渡す。
「さぁお嬢様、お乳をたくさんお飲みになってくださいましね。それでは奥様、失礼いたします」
(これはあれか、乳母だな!)
乳母がいるってことは、そこそこいい家に生まれ変わったようだ。
(でも、待てよ?ーーーそもそも時代がおかしいよね?)
乳母からお乳を貰いながらも冷静に考えるミコト。
ミコトの生きていた時代に比べると、明らかに過去に遡っているように見える。
それは母と思しき女性や乳母の服装からして判断してみた。
現代の貴族様はもっと動きやすい服装だったはず。
(もしやこれって、、、異世界デビュー?!やった!ついに液晶超えたわ、二次元きちゃったよ!で、どこの世界よ、乙女ゲームとかでヒロインとかだったらどうしよう?)
胸熱な展開に心躍らせていたのだが、お乳をお腹いっぱい飲んだら、どうにも眠気が襲ってきてしまった。
所詮、赤子である。
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10/28一部、加筆しました。内容には影響ありません。
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