2 / 49
幼少期〜伯爵家の実状について〜
1
異世界に生まれてから早五年が経過していた。
ミコトとしての意識はしっかりあるものの『ミーティア・エマーユ・マッコール伯爵令嬢』というのが、今現在の自分だ。
今のミコト、もといミーティアには二つ年下の弟がいる。
弟は母に似て、見事な金髪に翡翠のような濃い翠の瞳を持って生まれてきた。
ミーティアはというと、残念なことに父にそっくりな色合いを持っている。
栗色の髪に、濃い翠の瞳。
ロビンのように、、、弟のように金髪がよかったなと密かに思う。
それにしても、だ。
ミーティアがこの世界に生まれてすぐの頃に比べれば、マッコール伯爵家は随分と静かになってしまった。
ミーティアには乳母が付いていたが、ロビンに乳母はいないし、執事や侍女と呼ばれる使用人の数は片手で足りるはずだ。
いくらミーティアの行動範囲が狭いとはいえ、あまりにも接する人々が少なすぎやしないか。
ようやく五年が経過して、中身がアラフォー超えて半ばに差し掛かろうとも、外見はあくまで五歳児なので、出来ることは限られるが、ミーティアなりにこの世界について見聞を広めることに努めていた。
少し早いがまずは文字を覚えることから始めた。文字が読めなければ、書物を読むこともままならない。
父母は『この子は天才かもしれない!』と喜んでいたが、天才かどうかはともかく、世の中を渡るには知識が多いに越したことはない。
そうして文字を覚えると、伯爵家の図書室にある本を読み漁ることにした。
元々、本を読むことは好きだし、知らない世界について知ることがとても楽しかった。
*****
ミーティアが生まれ出たこの国は、フォリシア大陸という大きな大陸の東側に位置する国で、『ファランダール』という国だった。
ファランダールの歴史は、大陸に降り立った神を中心として東西南北に国を分かち、それぞれを神の子が統治したことから始まる。
ファランダールの始祖は『ファラン』という神の子の一人だそうだ。同じように、西と南北に始祖と言われる神の子がいる。そのせいなのか、大陸の中での争いはなく、それぞれの国が穏やかに平和に暮らしているらしかった。
らしかった、というのはあくまで書物の中での話なので、実際のところはよくわからない。
様々なファランダールの歴史についての本を読み進めていくうちに、頭の片隅に引っ掛かりを覚えるようになった。この引っ掛かりはなんなのか?疑問に思いながらも、歴史書に加えて、女性が好みそうな小説の類にも手を出した。
小説は世情を映すものも多いというし、埃っぽい歴史書よりは読みやすい。
そして、ついにというか、今更というか、引っ掛かっていたことを思い出すことに成功する。
(こここ、こ、この世界は!!)
歓喜にうち震えて危うく踊りだすところだったーーー乳母のニナがいなければ。
*****
アラフォー独身女のミコトは、三度のメシよりゲームが好きだった。時間がなくてネトゲには手を出せなかったが、RPGやアドベンチャー、アクションも好きだった。
ゲーム原作のアニメ化は毎週きっちり録画予約をしていたし、例の、人でひしめき合う薄い本の祭典にも毎回休みをもぎ取って並んでいた。
そして同じ趣味の友人の勧めで、初めてプレイした乙女ゲームがあった。
初めてを捧げた(大袈裟)そのゲームにハマり倒しーーーそのゲームがここ『ファランダール』王国を舞台にした、学園恋愛アドベンチャーだったのである。
五歳児の身体には毒だったのか、その事実を知った夜には熱を出してうなされたほどだ。
だが、ミコト、もといミーティアは、『ミーティア』という名を全くもって思い出せないことに気が付いた。せめてモブの地位だけでもゲットしたいのだが、学園にいなければ話にならない。
ここで舞台となる、学園ーーー。
ファランダール王立学園は、貴族の紳士、淑女が集う学校である。
当然、それなりの金貨が必要なわけで、、、、、。
ーーーー今の我が家の財政で、、、無理ゲーな気がするんだが?
そう、中身はとうに四十を超えたからこそわかる。世の中、なんだかんだ金さえあればなんとかなるということを。
こうなったら、我が家の財政を立て直して、絶対に学園に入ってやる!そうでなきゃ、何のためにこの世界に生まれたのかわからんじゃないか!!
さすが、轢かれてもただでは起きない、液晶を突き破った女である。
ミコトとしての意識はしっかりあるものの『ミーティア・エマーユ・マッコール伯爵令嬢』というのが、今現在の自分だ。
今のミコト、もといミーティアには二つ年下の弟がいる。
弟は母に似て、見事な金髪に翡翠のような濃い翠の瞳を持って生まれてきた。
ミーティアはというと、残念なことに父にそっくりな色合いを持っている。
栗色の髪に、濃い翠の瞳。
ロビンのように、、、弟のように金髪がよかったなと密かに思う。
それにしても、だ。
ミーティアがこの世界に生まれてすぐの頃に比べれば、マッコール伯爵家は随分と静かになってしまった。
ミーティアには乳母が付いていたが、ロビンに乳母はいないし、執事や侍女と呼ばれる使用人の数は片手で足りるはずだ。
いくらミーティアの行動範囲が狭いとはいえ、あまりにも接する人々が少なすぎやしないか。
ようやく五年が経過して、中身がアラフォー超えて半ばに差し掛かろうとも、外見はあくまで五歳児なので、出来ることは限られるが、ミーティアなりにこの世界について見聞を広めることに努めていた。
少し早いがまずは文字を覚えることから始めた。文字が読めなければ、書物を読むこともままならない。
父母は『この子は天才かもしれない!』と喜んでいたが、天才かどうかはともかく、世の中を渡るには知識が多いに越したことはない。
そうして文字を覚えると、伯爵家の図書室にある本を読み漁ることにした。
元々、本を読むことは好きだし、知らない世界について知ることがとても楽しかった。
*****
ミーティアが生まれ出たこの国は、フォリシア大陸という大きな大陸の東側に位置する国で、『ファランダール』という国だった。
ファランダールの歴史は、大陸に降り立った神を中心として東西南北に国を分かち、それぞれを神の子が統治したことから始まる。
ファランダールの始祖は『ファラン』という神の子の一人だそうだ。同じように、西と南北に始祖と言われる神の子がいる。そのせいなのか、大陸の中での争いはなく、それぞれの国が穏やかに平和に暮らしているらしかった。
らしかった、というのはあくまで書物の中での話なので、実際のところはよくわからない。
様々なファランダールの歴史についての本を読み進めていくうちに、頭の片隅に引っ掛かりを覚えるようになった。この引っ掛かりはなんなのか?疑問に思いながらも、歴史書に加えて、女性が好みそうな小説の類にも手を出した。
小説は世情を映すものも多いというし、埃っぽい歴史書よりは読みやすい。
そして、ついにというか、今更というか、引っ掛かっていたことを思い出すことに成功する。
(こここ、こ、この世界は!!)
歓喜にうち震えて危うく踊りだすところだったーーー乳母のニナがいなければ。
*****
アラフォー独身女のミコトは、三度のメシよりゲームが好きだった。時間がなくてネトゲには手を出せなかったが、RPGやアドベンチャー、アクションも好きだった。
ゲーム原作のアニメ化は毎週きっちり録画予約をしていたし、例の、人でひしめき合う薄い本の祭典にも毎回休みをもぎ取って並んでいた。
そして同じ趣味の友人の勧めで、初めてプレイした乙女ゲームがあった。
初めてを捧げた(大袈裟)そのゲームにハマり倒しーーーそのゲームがここ『ファランダール』王国を舞台にした、学園恋愛アドベンチャーだったのである。
五歳児の身体には毒だったのか、その事実を知った夜には熱を出してうなされたほどだ。
だが、ミコト、もといミーティアは、『ミーティア』という名を全くもって思い出せないことに気が付いた。せめてモブの地位だけでもゲットしたいのだが、学園にいなければ話にならない。
ここで舞台となる、学園ーーー。
ファランダール王立学園は、貴族の紳士、淑女が集う学校である。
当然、それなりの金貨が必要なわけで、、、、、。
ーーーー今の我が家の財政で、、、無理ゲーな気がするんだが?
そう、中身はとうに四十を超えたからこそわかる。世の中、なんだかんだ金さえあればなんとかなるということを。
こうなったら、我が家の財政を立て直して、絶対に学園に入ってやる!そうでなきゃ、何のためにこの世界に生まれたのかわからんじゃないか!!
さすが、轢かれてもただでは起きない、液晶を突き破った女である。
あなたにおすすめの小説
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした
こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】
伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。
しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。
そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。
運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた――
けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった――
※「小説家になろう」にも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!