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倖は弁当に残った最後の卵焼きを口に放り込んで、ラスト卵焼き食っていいか、と咀嚼しながら聞いてくる。
もう食べてるじゃないですか、とりんも半分ほど残ったおにぎりにかじりついた。
やはり大きいだけあってなかなか減らない、と少し焦りながら。
倖は、やっぱりどうにもできんのか、と呟くと最後のおにぎりにかぶりつく。
「ああいうのって、そこら辺にいっぱいいたりすんのか?」
「……なんか、質問ばっかりですね。どうしたんですか?」
「どうしたって、普通あんなの視ちゃったら、いろいろ気になんだろ。」
からかっている風でもない真剣な顔した倖の質問に、りんは気圧されたようにゆっくりと口を開く。
「……私の感覚からすると、そこら辺にいっぱいいるわけではないと思います。うーん、ぽつりぽつりって感じかな?……定位置にいるのは意識して視ないようにして、運悪く視てしまったものは、……恐いなぁて、素直にびびってます。」
「……なんだそれ。」
「だって、それしか出来ないんですもん……。あ、そういえば、この教室にもいらっしゃいました。」
「……いらっしゃるのか?」
「はい。最近よく視えるんですけど、といっても眼鏡の端からしか視れてないので、全身を視たわけじゃないんですが。白いワンピースのようなものを着たのが、ここに座ってると右横を通るんです。」
りんが、すぅっ、と右手を指し示すと倖が首を伸ばしておっかなびっくり覗き込む。
「ということは、俺の席から見たら左を通ってるわけだな。」
「えっと、たぶん。後ろから来てると思うんですけど、あえてじっくりとは視ていないので。」
やっぱり食べきれない、と3分の1ほど残ったおにぎりを再度サランラップに包み直していると、倖がちょいちょいとそれを寄越せジェスチャーをしてきた。
「ふーん。……なぁ、昨日のおまえの眼鏡かけたら、俺もその白いワンピースのやつ、視れるかな?」
おにぎりを手渡しながらの倖の言にりんが驚いた。
「……せっかく視えないのに、なんで視たがるんですか。」
「なんでって言われても、……好奇心?怖いもの視たさ?」
「……わかりました。今度視えたら合図して眼鏡渡しますね。」
知りませんからね、もう、と呆れ顔でりんが言った。
倖は受け取ったおにぎりにかぶりつきながら、よろしくぅ、ともごもごと言う。
「……あの、それ、私の食べかけですよ?」
すでに全量が倖の口の中だが、とりあえず言ってみる。すると、俺気にしない、とあっという間に完食してしまった。
もう食べてるじゃないですか、とりんも半分ほど残ったおにぎりにかじりついた。
やはり大きいだけあってなかなか減らない、と少し焦りながら。
倖は、やっぱりどうにもできんのか、と呟くと最後のおにぎりにかぶりつく。
「ああいうのって、そこら辺にいっぱいいたりすんのか?」
「……なんか、質問ばっかりですね。どうしたんですか?」
「どうしたって、普通あんなの視ちゃったら、いろいろ気になんだろ。」
からかっている風でもない真剣な顔した倖の質問に、りんは気圧されたようにゆっくりと口を開く。
「……私の感覚からすると、そこら辺にいっぱいいるわけではないと思います。うーん、ぽつりぽつりって感じかな?……定位置にいるのは意識して視ないようにして、運悪く視てしまったものは、……恐いなぁて、素直にびびってます。」
「……なんだそれ。」
「だって、それしか出来ないんですもん……。あ、そういえば、この教室にもいらっしゃいました。」
「……いらっしゃるのか?」
「はい。最近よく視えるんですけど、といっても眼鏡の端からしか視れてないので、全身を視たわけじゃないんですが。白いワンピースのようなものを着たのが、ここに座ってると右横を通るんです。」
りんが、すぅっ、と右手を指し示すと倖が首を伸ばしておっかなびっくり覗き込む。
「ということは、俺の席から見たら左を通ってるわけだな。」
「えっと、たぶん。後ろから来てると思うんですけど、あえてじっくりとは視ていないので。」
やっぱり食べきれない、と3分の1ほど残ったおにぎりを再度サランラップに包み直していると、倖がちょいちょいとそれを寄越せジェスチャーをしてきた。
「ふーん。……なぁ、昨日のおまえの眼鏡かけたら、俺もその白いワンピースのやつ、視れるかな?」
おにぎりを手渡しながらの倖の言にりんが驚いた。
「……せっかく視えないのに、なんで視たがるんですか。」
「なんでって言われても、……好奇心?怖いもの視たさ?」
「……わかりました。今度視えたら合図して眼鏡渡しますね。」
知りませんからね、もう、と呆れ顔でりんが言った。
倖は受け取ったおにぎりにかぶりつきながら、よろしくぅ、ともごもごと言う。
「……あの、それ、私の食べかけですよ?」
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