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「……めちゃくちゃ疲れましたね。」
「ん。」
そう呟いたりんに倖もげんなりと深く頷いた。
あれから外に出た後、到着した消防隊員に2人とも半ば強制的に救急車に乗せられて病院へと連行された。
人1人助け出したとはいえ、火事現場に飛び込むなんて無茶にも程がある、と消防隊員の人からもお医者さんからも太い釘を刺されたところだ。
おばあさんは煙を吸ったことによる気管狭窄で喘鳴が出ているとのことだった。熱傷や肺が傷ついたりしていなければいいが、と隊員さんが心配そうにしていたが大丈夫だっただろうか。
そうしながらも複数いた隊員さん方に代わる代わる、火事のときの煙は毒ガスと一緒なんだぞ、などとチクリチクリと注意を受け続け、病院に到着してからも対応してくれる看護士さん達に、無茶はだめだよ、とやんわりと諭された。
極めつけは。
受付の終了した病院のロビー、薄暗くなった角のあたりをりんはそっと伺い見た。
そこではりんを迎えに来た慶と警察官が話しをしている。
両親の仕事場が搬送された病院からかなり遠かったので慶の方が早いと代わりに迎えにきたらしいのだ。倖の親御さんはまだ来ていないが、大事になってしまったな、とりんは嘆息した。
今から慶と両親の説教が待っているのかと思うと更に憂鬱になった。
「まぁでもお前はもっと反省しろ。」
俺はちゃんと対策してたんだからな、と半眼でじとりとりんを見る。
「……対策って、もしかしてマスクとピンクのゴーグルのことを言ってるんですか?」
「そ。」
「……でも、最初はつけてなかったじゃないですか。お店に入ってからつけたんですよね?」
倖くんだって結局行き当たりばったりじゃないですか、とりんが口を尖らせた。
倖は店内の商品だったゴーグルとマスクを拝借してつけていたのだ。しかもマスクなんて2枚重ねて最後の1枚を濡らしてつけ合計3枚の念の入れようで。それで果たして息ができるのだろうかと思ったが、実際につけて動きまわっていたのでいちゃもんをつけることもできない。
「そーれーでーも。……次こんなことがあっても、絶対突っ込んでいくなよな。」
だいたい何で突っ込もうと思ったんだ、と睨みつけてきた。
何で、って。
りんは視線を泳がせて逡巡する。
それはそう、あれだ。
「……彼が、ですね。勝手口から入るのが見えたんで、あっちからも入れるんだなぁ、て。で、煙も少なそうだったし、」
「彼?」
よほど疲れたのだろう。待合室の椅子に、ずずっ、と腰を前にずらしてだらしなく座りながら、倖が胡乱げな視線をなげてくる。
「ん。」
そう呟いたりんに倖もげんなりと深く頷いた。
あれから外に出た後、到着した消防隊員に2人とも半ば強制的に救急車に乗せられて病院へと連行された。
人1人助け出したとはいえ、火事現場に飛び込むなんて無茶にも程がある、と消防隊員の人からもお医者さんからも太い釘を刺されたところだ。
おばあさんは煙を吸ったことによる気管狭窄で喘鳴が出ているとのことだった。熱傷や肺が傷ついたりしていなければいいが、と隊員さんが心配そうにしていたが大丈夫だっただろうか。
そうしながらも複数いた隊員さん方に代わる代わる、火事のときの煙は毒ガスと一緒なんだぞ、などとチクリチクリと注意を受け続け、病院に到着してからも対応してくれる看護士さん達に、無茶はだめだよ、とやんわりと諭された。
極めつけは。
受付の終了した病院のロビー、薄暗くなった角のあたりをりんはそっと伺い見た。
そこではりんを迎えに来た慶と警察官が話しをしている。
両親の仕事場が搬送された病院からかなり遠かったので慶の方が早いと代わりに迎えにきたらしいのだ。倖の親御さんはまだ来ていないが、大事になってしまったな、とりんは嘆息した。
今から慶と両親の説教が待っているのかと思うと更に憂鬱になった。
「まぁでもお前はもっと反省しろ。」
俺はちゃんと対策してたんだからな、と半眼でじとりとりんを見る。
「……対策って、もしかしてマスクとピンクのゴーグルのことを言ってるんですか?」
「そ。」
「……でも、最初はつけてなかったじゃないですか。お店に入ってからつけたんですよね?」
倖くんだって結局行き当たりばったりじゃないですか、とりんが口を尖らせた。
倖は店内の商品だったゴーグルとマスクを拝借してつけていたのだ。しかもマスクなんて2枚重ねて最後の1枚を濡らしてつけ合計3枚の念の入れようで。それで果たして息ができるのだろうかと思ったが、実際につけて動きまわっていたのでいちゃもんをつけることもできない。
「そーれーでーも。……次こんなことがあっても、絶対突っ込んでいくなよな。」
だいたい何で突っ込もうと思ったんだ、と睨みつけてきた。
何で、って。
りんは視線を泳がせて逡巡する。
それはそう、あれだ。
「……彼が、ですね。勝手口から入るのが見えたんで、あっちからも入れるんだなぁ、て。で、煙も少なそうだったし、」
「彼?」
よほど疲れたのだろう。待合室の椅子に、ずずっ、と腰を前にずらしてだらしなく座りながら、倖が胡乱げな視線をなげてくる。
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