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松丸 誠

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第1話

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「松丸くん、起きて!次の授業移動教室だから、そろそろ起きないと遅れちゃうよ!私はもう行くからね!」
「うん…わかった…」
たったいま、僕を起こしてくれた彼女は北條佳子だ。
たいていの人は北條さんとか、佳子ちゃんと呼んでいるけど、僕は彼女のことを名前で呼んだことがない。
というか、呼ぶ機会もなければ、呼ぶ必要性がゼロに等しいからである。
というのも、特に個性があるわけでもなく、顔がいいわけでもなく、話す要件もなく、女子と話すのに抵抗を感じるお年頃なのだからだ。
だけど、彼女は僕に毎日のように話しかけてくる。
「おはよう!松丸くん!」とか「じゃあね!松丸くん!」とか、まぁ、バリエーションは豊富だ。
これは僕の勝手な推測だが、「こんな冴えないやつに話しかけてあげてる私って、なんて素晴らしいのかしら」って彼女は思ってるんだろうな。
まぁ、学校の文化祭の美少女コンテストで2年連続で優勝してて、勉強は僕より少し出来て、スポーツは運動部じゃない男子よりもできる程度だから、そのくらい思われてても文句があるわけではない。才媛ってやつだ。正直どうでもいい気しかしないけど、可愛いのはたしか。
どっかのラブコメみたいに彼女と僕が結ばれるわけは無いから、変な気は起こしたくない。
だって、恥ずかしいじゃん?
僕は長い回想を終え僕は音楽室へ向かう。
途中で電源を切ったはずのスマホから着信音がなった気がしたが、そんなはずはないので無視して音楽室へ向かう。
キーンコーンカーンコーン(ry
あ、やべ。
音楽担当の教師の前園愛美は30代前半の女性で彼女自体は優しいのだが、僕の所属するハンドボール部の鬼顧問、前園健治(通称マエケン)の妻であるため、音楽の授業で何かやらかしてしまうと、それがマエケンに伝わって、ランニングトレーニングをさせられてしまう。
ハンド部以外の人は授業寝たり、課題したり、友達と喋ったりしてるのに…
世の中は理不尽なものでムチとアメを絶妙に使い分けてくる。
だが、マエケンは大阪のおばちゃんみたいにアメちゃんは持ち合わせていない。
それだけは勘弁なので、授業開始のチャイムを聞いて止まっていた足にもう一度ムチを打ち渡り廊下を走り抜けた。
後でアメあげなきゃとか思いながら。
渡り廊下を走り抜け、別校舎への木製のドアを開けるとなんだか焦げ臭い匂いがした。
しかも、いつも聞こえてくる騒がしい音がしない。
嫌な予感がする。
てか、嫌な予感しかしない。
はいー、きたー、焼け死んだクラスメイト数人と、見るからに悪そうな男が1人がいるねー。
こういう時、どっかのラノベだったら普段内気な主人公が内に秘めたる正義感で突撃して、超能力が覚醒して、勝ってヒロインが惚れるみたいな感じだけど、それは絶対ありえない。
とりま、110通報しとこ。
そして、スマホを取り出す。
ん?
電源オンになってるやん、オフにしたはずなのに。
まぁいいや、とりま、110通報しよ。
あれ?
電話機能のとこ今押したよな?
なんでメールボックスが開くんだ?
押し間違えたか?
え?
バックキーが使えんぞ!?
なんでこういう時にバグるんだ!
「チクショー!」
あ、やべ、怒りの余り大声で叫んじゃった…
絶対バレたよね…
ヴヴヴ、ヴヴヴ、ヴヴヴ、
追い打ちをかけるようにスマホにメールが届いた。
「死にたくなければ、私と契約してください。契約はここをタップ」
タップした。
「セエイレ・イヨワアレナ・アンジイト・オノケエ・イヤクウオ・コオコニ・チイカ・ウとマイク機能をオンにしてハッキリと言ってください」
言った。
「貴様との契約は完了しました。」
おかしな日本語が送られてきた…
もしかして詐欺とかじゃないよね?
生命の危機が迫ってる時に?
助けて…誰か…
そう願った瞬間スマホが光った。
え、うそ、もしかして超能力に覚醒して(ry
「ども。人生課金システム管理人のキノシタです。この度は本社の精霊式人生課金システムの契約誠にありがとうございます。」
「は?」
「困惑されても無理もありません。とても分かりづらい方法で貴様を先ほど精霊との契約を済ませ、人生課金システムへの入会登録させました。」
「そんなことはどうでもいいんだ!命の危機が迫ってんだよ!詐欺師でも人の命くらい助けてくれよ!」
「詐欺師とは失礼な。わかりました命はお助けいたしましょう。しかし、命を助けるにはそれ相応の金額をいただきます。」
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