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閉店作業
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しおりを挟む「でもなんかちょっと恥ずかしいから、こうするね」
ローションボトルを手にとると、セナは自らの陰茎に垂らし始めた。粘液まみれになったそれを、凌太のそれと合わせて両手で掴む。
粘液の一枚向こうに熱く硬いモノを感じて、性器同士を擦り合わせる快感が迫ってくる。ぬるぬるとした二本をがっちり掴みながら、セナが腰を振り始めた。裏筋同士が擦りあわされる。カリの部分が当たるたびにぷるんと弾かれるような刺激が体に走った。
腰を振っているからか、快感からか、セナの口からも吐息が漏れてくる。赤いライトで照らされた部屋で、恍惚の表情を浮かべ腰を振る愛おしい人の姿は、凌太の下腹部の限界をすぐに迎えさせてしまう。
「セ、セナ……く……っ」
「もうすごいパンっパン……っ!ヤバそうだねっ」
「で、出ちゃう……っ!んぁっ、セナく……セナくん――っ」
「って言ってセナが素直に出させてあげると思う?」
「ひぇっ?!」
腰の動きを止め、凌太から体を話したセナの股座からゆっくり粘液が滴ってくる。下腹部と下腹部が繋がっているかのように糸を引く中、セナが唇をぺろりと舐めまわし、不敵に笑った。
「いれちゃおっか」
「え?ちょ、ちょっ!?」
腹に片手を置き、体のバランスを取る。陰茎を掴むとくりくりと切っ先がセナの後孔へと擦られた。
「セ、セナくん?!ここは、お店だよ!?」
隣の部屋に聞こえないように、それでも最大限に声を張って告げるが、熱を帯びたセナの瞳はそんな事では揺るがない。
「バレなきゃ、良いんだよ」
「そんな……っ初めては、ムードってもんが」
前回とやってる事も言ってる事も違う事に戸惑いが隠せないが、セナの目には迷いが無かった。
「ムード?りょーちんっては乙女だねえ。でも今はそんなしょうもない事言わないで。気持ちいいかどうかが大事でしょ」
「そ、ん、ンんんッ」
スゥ、とセナが息を吸い込む音が聞こえたかと思うと、次の瞬間ずるずると肉の塊の中に陰茎が吸い込まれていった。口ではだめだと言いながらも、挿入されていく映像があまりにもエロティックで凝視してしまう。
今度土下座してでもハメ撮りをお願いしようと密かに心に決めた。
「うぅー……りょーちんのちょっと長いから、一気は無理だった……っ」
あと少し根元を残したまま、М字開脚しながらそう言うと、そのポージングのまま止まった。
「どうする?腰、動かしてみる?」
ぺろっと舌を出し、挑発されれば残っていた冷静な部分が弾け飛んだ。
「なんてね、セナが動いてあげ――ひゃんっ!?」
「セ、セナ、セナく……っ」
細い腰を両手で掴むと、残っていた根元を全て捻じ込んだ。衝撃に体を弓なりにそらした肢体を美しいと思いながらも、そのまま腰を下から突き上げ始める。突き上げるごとに、湿った吐息と苦悶の声が漏れてくる。
「りょ、りょーち、いきなり激し――っ」
「ご、ごめんなさっ、き、気持ち良すぎて無理!」
「あンっ、ひ、久しぶりっ、なのにっ、セックスする、のっ、ンっ」
「セナくん、セナくんっ!」
「ばっ、ばかぁっ、こン、な時くらい、遥って呼んでっ」
「はるか……っ遥!」
「りょーちん、りょーちんっ」
「すごい、遥のもパンパンになってるよ!」
名前を呼び、突き上げると、目の前で揺れている遥の陰茎が一回り大きくなった気がした。
「や、やだっ、そんな事、いわなっン、あッ」
体勢が苦しくなってきたのか、腹部にかかる遥の重さを先ほどより感じる。凌太のそれも限界が近い。
「遥、もう、出そうっ」
「も、いいっ、よ、中に、だしっ――あぁあンっ」
言い終わらない遥の体を最奥まで突き上げた時、急速な脱力感が体を襲った。セナの中に放出したのだ。同時にぱたぱたと生暖かい雫が凌太の腹部に降ってきた。
肩を上下させながら、遥が体を預けるように凌太に折り重なって来る。
「気持ち良かったね」
「……めちゃくちゃ気持ち良かったです。でも、次はちゃんとデートしたいです」
「……ふふ。ムードのあるやつ?」
「はい」
「じゃあ、お休み合わせよっか」
「うん……」
昨日のように汗ばむ体だったが、今日はお互い様なので気にならなかった。
ぽつりぽつりとデートの内容を話しながらも、同時に達した二人の疲労感は色濃く、声は徐々に小さく鳴っていった。
ロック調のBGMがガンガンかかる中で、体を重ねたまま、二人からは寝息が聞こえ始めたのだった。
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