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鬼頭先生まで……?!

ぬぎぬぎ

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 服を着たまま、陰部だけが露出されようとしている。口を器用に使って、下着がずり下ろされた。
「ふふ、綺麗なおちんちんだね。おちんちん越しに、泣きそうな顔で真っ赤になってる楢本くん、すごく魅力的だよ」
「や、やめ……っ」
 ぱくり、と食べられたかと思った。紀藤さんの口内は広く、俺の陰部が全て入ってしまう。
 喉の奥まで達した俺のそれは、舌の動きと喉の締まりによって刺激され、どんどん精子が作られていくのが分かった。
「あ……っ、くっ……あぁっ……!」
 執拗な攻めたてに、腰が砕けそうだ。
 軽く押され背中にはベッドがくっついた。仰向けになった俺の上に紀藤さんが乗ってくる。
「汚しちゃダメだから、脱がそうか」
 長い指が俺の服を脱がしにかかった。恥ずかしくて、両手で顔を覆っているうちに、胸元がはだける。
 素肌の上を、ツー……と指でなぞられ、ぴくんと体が揺れた。
「んーっとせっかくだから……よいしょっと」
 せっかく寝転んだ俺の体を少し持ち上げられた。紀藤さんが背後に座る。
 背中に紀藤さんの体温を感じながら、ばんざいして服を脱がされた。しっかり勃起した陰茎の向こうには、穂高くんと玲央さんが見える。
――そうだ、ずっと見られていたのだ。
 自覚した途端恥ずかしくって、顔が熱くなる。
「あ……あぁ……む、無理です……」
「恥ずかしい?」
「はい……」
 自由になって手で、そのまま逃げればいいのに俺は顔を覆った。隠すべきはそこじゃないのは分かっているが、今の俺の顔を二人に見られたくなかった。
「でも萎えてない。続けるね」
「そんな……っ!あ、あぁっ……!」
 背後から伸びた指が、俺の陰茎を掴む。抗議しようと振り向いた口を、紀藤さんは塞いだ。左手で扱かれて、時々指輪が触れる。冷たい感触が、敏感な所に当たって、今まで感じたことのないゾクゾク感が背中を駆け上がっていく。
「感じる?」
「へあ……?」
 気持ち良いかと聞かれているのだろうか。良い所を刺激されて気持ち良くないはずがない。
「パートナーのいる男に良いようにされて、背徳感感じる?子供もいる男だよ、私は」
「――っ!!」
 目に涙が滲んできた。会社で、子供が可愛いと言っていた紀藤さん。子供と公園に行くと言っていた紀藤さん。子供と……子供と……お相手の人と……これは紛れも無い不貞行為で、そういうのはドラマや小説の中の出来事だけだと思っていたのに、まさか望まずとも自分が人様の平穏を脅かしてしまうなんて!
「う……っ、だ、ダメです紀藤さん、ご家族が悲しみます」
 涙で鼻声になった俺の声は、震えている。
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