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初陣編
#5 晴久との会話と伝説の始まり
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ー尼子晴久ー
私はこの虎寿丸と言う未だ幼いであろう歳の少年の気丈さに驚いていた。元就に訳もなく見捨てられ私に縋って生きて行くことしか出来なくなってしまったにも関わらず少年は私や家臣たちにも積極的に話し掛け寂しそうな素振りは寸分も見せなかった。礼儀作法も特別僧に教えて貰った訳でも無く傅役である貞俊殿に教えて貰っただけであろう物で無礼の無いように立ち回っていた。9歳だから当たり前かも知れぬが馬も普通に跨り立派な馬上姿を見せていた。
私は虎寿丸殿が毛利家の人質で居るのが非常に惜しくなって虎寿丸殿に
「虎寿丸殿は何か望みはありますか?」と聞くと家臣たちも虎寿丸殿を見ていたが虎寿丸殿の望みは至って普通だった。
「では新しい苗字と名が欲しゅう御座います。元就殿と決別した今毛利姓は危ういかと存じます。ですが、尼子姓以外で出来ればお願い致したい。」
ふむ、それは妥当か。虎寿丸殿にも情という物はある。無闇に刺激しない方が良いだろう。
「では皆生6万石を与える故皆生家虎と名乗り自由に統治すると良い。」と私が気前良く言うと虎寿丸殿は怖気付いた様子もなく背筋を伸ばすと
「はっ、承知致しました。まだまだ、若造ですが役目を果たすべく精進致しまする。」と言って軽く頭を下げた。
月山富田城 皆生家虎
私は尼子様いまは殿か。元毛利家の人質ながら貞俊共々殿に気に入られ皆生6万石と皆生家虎と言う名を賜り初めて月山富田城に入った。月山富田城は私が見ても堅城に違いなくこの城を落とすのは兄上たちであろうとさぞ大変だろうと思う。私は元就殿とは決別したが兄上たちとは決別していないので兄上たちからは常日頃から私の身を案じる文が届く。求められた事とは言え兄上たちには本当に悪い事をしたと思っている。その罪滅ぼしとして私は尼子家の内部情報以外は全て隆景兄上と元春兄上への文に書いている。皆生家虎と名乗ることになった事も近々元服することも。勿論、殿には見せた上でだが。隆元兄上へは直接書くと元就殿に見つかる可能性が高いので隆景兄上と元春兄上に言う情報は全て任せて居る。私の誇れる兄上たちだから大丈夫だと思っている。私も明日は殿の跡取りたちに会う日だから今日は寝て英気を養おう。そう思い皆生の地にある宿場所で私と貞俊は眠りに就いた。
晴久さんによって皆生の地を賜りやって来た家虎君と貞俊さんがこの後どうなるのかお楽しみに。
私はこの虎寿丸と言う未だ幼いであろう歳の少年の気丈さに驚いていた。元就に訳もなく見捨てられ私に縋って生きて行くことしか出来なくなってしまったにも関わらず少年は私や家臣たちにも積極的に話し掛け寂しそうな素振りは寸分も見せなかった。礼儀作法も特別僧に教えて貰った訳でも無く傅役である貞俊殿に教えて貰っただけであろう物で無礼の無いように立ち回っていた。9歳だから当たり前かも知れぬが馬も普通に跨り立派な馬上姿を見せていた。
私は虎寿丸殿が毛利家の人質で居るのが非常に惜しくなって虎寿丸殿に
「虎寿丸殿は何か望みはありますか?」と聞くと家臣たちも虎寿丸殿を見ていたが虎寿丸殿の望みは至って普通だった。
「では新しい苗字と名が欲しゅう御座います。元就殿と決別した今毛利姓は危ういかと存じます。ですが、尼子姓以外で出来ればお願い致したい。」
ふむ、それは妥当か。虎寿丸殿にも情という物はある。無闇に刺激しない方が良いだろう。
「では皆生6万石を与える故皆生家虎と名乗り自由に統治すると良い。」と私が気前良く言うと虎寿丸殿は怖気付いた様子もなく背筋を伸ばすと
「はっ、承知致しました。まだまだ、若造ですが役目を果たすべく精進致しまする。」と言って軽く頭を下げた。
月山富田城 皆生家虎
私は尼子様いまは殿か。元毛利家の人質ながら貞俊共々殿に気に入られ皆生6万石と皆生家虎と言う名を賜り初めて月山富田城に入った。月山富田城は私が見ても堅城に違いなくこの城を落とすのは兄上たちであろうとさぞ大変だろうと思う。私は元就殿とは決別したが兄上たちとは決別していないので兄上たちからは常日頃から私の身を案じる文が届く。求められた事とは言え兄上たちには本当に悪い事をしたと思っている。その罪滅ぼしとして私は尼子家の内部情報以外は全て隆景兄上と元春兄上への文に書いている。皆生家虎と名乗ることになった事も近々元服することも。勿論、殿には見せた上でだが。隆元兄上へは直接書くと元就殿に見つかる可能性が高いので隆景兄上と元春兄上に言う情報は全て任せて居る。私の誇れる兄上たちだから大丈夫だと思っている。私も明日は殿の跡取りたちに会う日だから今日は寝て英気を養おう。そう思い皆生の地にある宿場所で私と貞俊は眠りに就いた。
晴久さんによって皆生の地を賜りやって来た家虎君と貞俊さんがこの後どうなるのかお楽しみに。
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