冬月シバの事件簿

麻木香豆

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僕に似た子供

銀の実

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 コウジと距離が縮まったのは世間ではやっているゲームであった。彼は中学生になって里親に引き取られてスマホを持つことになった。
 ゲームをしていることを知った俺は、あまりゲームをしないものだがゲームに詳しい愛人にレクチャーしてもらい、コウジに俺もやってると伝えると食いついてきた。今まで何やっても素っ気なかったのに。

 でもやはりゲームは苦手でなかなかうまくいかない。ゲームで一番重要なアイテムである銀の実が手に入らない。
「それならもってるからあげる、友達からもらったから」
 初めて俺の目をしっかりみて笑いながら言った。

 今度コウジも、高校生だ。
「僕、警察官になりたいんだけどどうすればいい?」
 と相談される。
 今は警察を辞めたからなぁ、と苦笑いしながらも

「まぁ色々あるけど覚悟しろよ」
「わかってる」
 偉そうな口を聞きやがって。でも自分の親を逮捕した警察官になるとはな。

 もうそろそろ会わなくても大丈夫だろう。そう思い、俺は家に帰ってスマホからゲームのアイコンを消した。
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