1 / 1
あと、100歩
しおりを挟む
君との距離まであと100歩。
ゆっくりゆっくり君との距離を詰めていくけど、これがなかなか埋まらない。
君も歩いているし僕も歩いているのだから当たり前なのだろうけれど、こんなに縮まらない距離なんてあるのだろうかと思うぐらいだ。思い切って走って君の元へ行こうかと思ったその時、君が振り返ったから走り出そうとした僕は思わず転けそうになったけど、なんとか体勢を持ち直して君の方を見る。
君は柔らかな笑みを浮かべると僕に優しい声で問い掛けた。
「ねぇ、私が死んだら君は泣く?」
唐突過ぎるその問い掛けに僕は驚きを隠せず混乱する頭を落ち着かせるように君からの問い掛けに返答する。
「泣くよ。号泣する。君だって僕が死んだら嫌だろ?」
僕の返事を聞くと君は少し考えるような仕草を見せてから、僕からの問い掛けに答えた。
「…うん。嫌だ。…でも、人はいつか死んじゃうんだよ。君も私も例外じゃない。」
「だとしても、今死ぬことを考えても仕方ないでしょ。僕と君がここに居てここで息して生きてるんだから。今はそれだけで十分だ。」
「……そうだね。君は本当に優しい。」
君がまた柔らかな笑みを浮べる。その笑みに少しだけ陰りがあったのに気付かず僕は優しく微笑み返した。そして、君が再び歩き出し僕が君を追い掛ける。
君との距離まであと…
end
ゆっくりゆっくり君との距離を詰めていくけど、これがなかなか埋まらない。
君も歩いているし僕も歩いているのだから当たり前なのだろうけれど、こんなに縮まらない距離なんてあるのだろうかと思うぐらいだ。思い切って走って君の元へ行こうかと思ったその時、君が振り返ったから走り出そうとした僕は思わず転けそうになったけど、なんとか体勢を持ち直して君の方を見る。
君は柔らかな笑みを浮かべると僕に優しい声で問い掛けた。
「ねぇ、私が死んだら君は泣く?」
唐突過ぎるその問い掛けに僕は驚きを隠せず混乱する頭を落ち着かせるように君からの問い掛けに返答する。
「泣くよ。号泣する。君だって僕が死んだら嫌だろ?」
僕の返事を聞くと君は少し考えるような仕草を見せてから、僕からの問い掛けに答えた。
「…うん。嫌だ。…でも、人はいつか死んじゃうんだよ。君も私も例外じゃない。」
「だとしても、今死ぬことを考えても仕方ないでしょ。僕と君がここに居てここで息して生きてるんだから。今はそれだけで十分だ。」
「……そうだね。君は本当に優しい。」
君がまた柔らかな笑みを浮べる。その笑みに少しだけ陰りがあったのに気付かず僕は優しく微笑み返した。そして、君が再び歩き出し僕が君を追い掛ける。
君との距離まであと…
end
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
完結 貴方が忘れたと言うのなら私も全て忘却しましょう
音爽(ネソウ)
恋愛
商談に出立した恋人で婚約者、だが出向いた地で事故が発生。
幸い大怪我は負わなかったが頭を強打したせいで記憶を失ったという。
事故前はあれほど愛しいと言っていた容姿までバカにしてくる恋人に深く傷つく。
しかし、それはすべて大嘘だった。商談の失敗を隠蔽し、愛人を侍らせる為に偽りを語ったのだ。
己の事も婚約者の事も忘れ去った振りをして彼は甲斐甲斐しく世話をする愛人に愛を囁く。
修復不可能と判断した恋人は別れを決断した。
あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる