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桜が散る頃に
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はらりはらりと桜が散る頃。それは、もうすぐ初夏が来る合図でもある。そんな時期にボク―輝宮柊馬は大好きな人に会った。正直一目惚れだったのかもしれない。彼-歩和(ふわ)に振り向いてくれるように沢山の努力をした。それでも、振り向いてはくれなかった。悔しくて泣きそうだった。だけど、男同士だしこの気持ちを伝えるのは正直怖かった。今まで友達同士でいたのに急に伝えられても困るだろうと思ってボクは思いを伝えるのをやめた。この思いを閉じ込めてしまえば楽になれる。そう思って歩和への気持ちをなかったことにした。でも辛くて吐き出したくなって、ボクのになってと何度も何度も心の中で叫んでしまう。嗚呼、何でこんなにも恋は辛いものなのだろう、嗚呼、どうしてキミを好きになってしまったのだろう。ぐるぐると感情はボクを包み込むように頭の中を心の中を駆け巡っていく。ただ、好きでいることがこんなにも辛くて愛おしいだなんて、ボクはキミを好きになるまで分からなかった。だけどね?今は、キミの隣に居られるだけでも嬉しいんだ。
そんなことを思い乍隣に座っている歩和を見詰める。歩和は、ボクの視線に気付いてこっちを見て小首を傾げて
「どうしたん?なんかついとる?」
と聞いてきた。ボクは、首をふるふると振ってこう答えた。
「何もついとらんよ。ただ、歩和の隣落ち着くなって思っただけ」
その答えを聞けば歩和は、嬉しそうに笑った。この笑顔だけでも勘違いしそうになる。歩和もボクのことが好きなのだと。実際はそうではないのに、好きでいてくれているのだと。
嗚呼、恋とはどうしてこんなにも勝手で制御の利かないものなのだろう。
end
そんなことを思い乍隣に座っている歩和を見詰める。歩和は、ボクの視線に気付いてこっちを見て小首を傾げて
「どうしたん?なんかついとる?」
と聞いてきた。ボクは、首をふるふると振ってこう答えた。
「何もついとらんよ。ただ、歩和の隣落ち着くなって思っただけ」
その答えを聞けば歩和は、嬉しそうに笑った。この笑顔だけでも勘違いしそうになる。歩和もボクのことが好きなのだと。実際はそうではないのに、好きでいてくれているのだと。
嗚呼、恋とはどうしてこんなにも勝手で制御の利かないものなのだろう。
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