7 / 30
1章
会心の一撃
しおりを挟む
「く....くるなぁぁぁうわぁぁぁ!!!!」
声の方へ向かうとそこには1人の冒険者が尻餅をつきながら必死に何かから逃げようとしていた
怪我もしているようで所々出血もしている
見た感じだと動けない程の怪我はしていないようだが
どちらかというと恐怖で足がすくんでしまっている様子だ
「....彼は何に怯えているんだ?」
周囲に魔物の気配はない。足音も聞こえてこないが...
視線が上に.....?
「グルァァァァァァァァァァァ!!!!」
「ーッ!?アノク!こいつは!!」
「ああ....!!ワイバーンだ!!」
「おい!大丈夫か?」
「あ?あぁ助けが!!ってアノク・ゴールドバーン!?ちくしょう!よりにもよって何で【罠師】のお前なんかが!!」
恐怖で錯乱状態だった冒険者の青年は助けが来たと喜んでいたがその救援が俺だと知ると分かりやすく悪態をつく
「キミは何を行っているんだ!!私達は君を助けに来たんだぞ!?」
「助けに!?おんなじ駆け出しが何人来たって皆やられるだけだ!それにアノク・ゴールドバーンだって結局不正してAランクになったんだろ!?おかしいと思ったんだ!【罠師】がAランクだなんて!ってああ来る!!」
ーーガキィン!!
「罠魔法大地の鎖!!」
ワイバーンの上空からの急降下攻撃を罠魔法で防ぐ
ロックチェーンは敵を捕縛する目的で使うがりリリーベルのガイアコントロールと違い殺傷能力は基本無い。
その代わり技の持続性が良いためとっさの防御くらいなら役に立つ
「続けて大地の雨!!」
ワイバーンの上空から無数の石の雨を降らせる魔法で地面に落とす
「え...あれ?ウソだろ...だって【罠師】はまともに魔物を倒せない役立たずだって..」
「私はアノクに危ない所を助けて貰ったから分かるがキミにはあれが役立たずに見えるのか?罠魔法でいとも簡単に地上に引きずり下ろしたぞ?一体誰に聞いたんだ...」
「誰ってバートンさんだよ!《蒼の聖剣》の!
アノク・ゴールドバーンがパーティーを追い出されたあの日俺もあの酒場にいたんだ...
アノク・ゴールドバーンが出ていったあと、アノクは不正をしてAランクになった卑怯ものだとか本当は駆け出しくらいの実力しかないとか....あと、俺は見たことねえからよくわからねーけど剣聖の弟子を名乗ってるけどその剣聖は実はただの老いぼれのじぃさんだとか....」
「......バートンが?本当に俺の師匠をそう言ったのか?」
「ッ!あぁ!本当だよ!ウソだと思うなら酒場にいた奴らに聞けばいいさ!皆聞いてたぜ」
そうか...バートン。師匠がただの老いぼれとはそれは見逃せないな....
「おい、青年。お前名前は?」
「....クラッシュ」
「そうかクラッシュ。今から特別に剣聖の技を見せてやる。これは俺が師匠から教わった技だ。残念ながら【罠師】の俺じゃたった1つしか習得出来なかったけど....
剣聖がただの老いぼれだったかどうか。クラッシュ、君が判断すればいい」
「グルル....ギャオオオ!!!!」
しばらく罠魔法で身動きが取れずにいたワイバーンが怒り狂って強引に拘束を抜ける
俺はゆっくりと黒い刀を抜き体勢を地面すれすれまで低く落とす
「絶技....縁切・神落シ!!!!」
それは一本の線を伸ばすように
頭・首・胴体・尻尾の全てを絶ち斬った
剣聖が長い研鑽の果てにたどり着いた剣の極地
純粋な切れ味だけをひたすらに追い求めた【縁切】
これにアノクは罠師としての観察眼を鍛え【会心の一撃】を繰り出せるようになった
これこそが師匠と弟子による必殺の剣【縁切・神落シ】である
「す.............すげぇ...」
「アノク.....君はこれ程なのか!!!」
一拍遅れてペリペリと紙が剥がれてゆくようにワイバーンが2つに分かれる
「...ったく何が不正だよ!支援職の【罠師】がワイバーンを真っ二つって...ハハッ!もう何を信じれば良いんだよ」
ーー「クラッシュ!教官連れてき....!!?」
パーティーメンバーだろう。
確か教官はD~Cランクの人間が取り仕切る決まりになっていたと思うがその教官が5人
その全員が既に討伐されたワイバーンを見て驚愕する
それもそのはずで通常ワイバーンの討伐はCランクがパーティーで戦ってようやく1体討伐出来る
それくらいの強敵なのだ
「これは、まさか君たちが?」
「いや、私は何もしていない」
「俺もだ。討伐したのはここにいるアノク・ゴールドバーンだ!」
「.....本当か?確かにアノク・ゴールドバーンはついこないだまでAランクパーティーに在籍していたが【罠師】だぞ?しかも今やその実力が本当に適正に判断されたものなのか疑う声もある。いくらなんでもワイバーンのソロ討伐というのは.....」
「誓って本当だ!俺はこの目で全部見た。Aランクどころじゃねえよ....この人はいつかSランクまで登り詰めるぜ、今に分かる!!!」
声の方へ向かうとそこには1人の冒険者が尻餅をつきながら必死に何かから逃げようとしていた
怪我もしているようで所々出血もしている
見た感じだと動けない程の怪我はしていないようだが
どちらかというと恐怖で足がすくんでしまっている様子だ
「....彼は何に怯えているんだ?」
周囲に魔物の気配はない。足音も聞こえてこないが...
視線が上に.....?
「グルァァァァァァァァァァァ!!!!」
「ーッ!?アノク!こいつは!!」
「ああ....!!ワイバーンだ!!」
「おい!大丈夫か?」
「あ?あぁ助けが!!ってアノク・ゴールドバーン!?ちくしょう!よりにもよって何で【罠師】のお前なんかが!!」
恐怖で錯乱状態だった冒険者の青年は助けが来たと喜んでいたがその救援が俺だと知ると分かりやすく悪態をつく
「キミは何を行っているんだ!!私達は君を助けに来たんだぞ!?」
「助けに!?おんなじ駆け出しが何人来たって皆やられるだけだ!それにアノク・ゴールドバーンだって結局不正してAランクになったんだろ!?おかしいと思ったんだ!【罠師】がAランクだなんて!ってああ来る!!」
ーーガキィン!!
「罠魔法大地の鎖!!」
ワイバーンの上空からの急降下攻撃を罠魔法で防ぐ
ロックチェーンは敵を捕縛する目的で使うがりリリーベルのガイアコントロールと違い殺傷能力は基本無い。
その代わり技の持続性が良いためとっさの防御くらいなら役に立つ
「続けて大地の雨!!」
ワイバーンの上空から無数の石の雨を降らせる魔法で地面に落とす
「え...あれ?ウソだろ...だって【罠師】はまともに魔物を倒せない役立たずだって..」
「私はアノクに危ない所を助けて貰ったから分かるがキミにはあれが役立たずに見えるのか?罠魔法でいとも簡単に地上に引きずり下ろしたぞ?一体誰に聞いたんだ...」
「誰ってバートンさんだよ!《蒼の聖剣》の!
アノク・ゴールドバーンがパーティーを追い出されたあの日俺もあの酒場にいたんだ...
アノク・ゴールドバーンが出ていったあと、アノクは不正をしてAランクになった卑怯ものだとか本当は駆け出しくらいの実力しかないとか....あと、俺は見たことねえからよくわからねーけど剣聖の弟子を名乗ってるけどその剣聖は実はただの老いぼれのじぃさんだとか....」
「......バートンが?本当に俺の師匠をそう言ったのか?」
「ッ!あぁ!本当だよ!ウソだと思うなら酒場にいた奴らに聞けばいいさ!皆聞いてたぜ」
そうか...バートン。師匠がただの老いぼれとはそれは見逃せないな....
「おい、青年。お前名前は?」
「....クラッシュ」
「そうかクラッシュ。今から特別に剣聖の技を見せてやる。これは俺が師匠から教わった技だ。残念ながら【罠師】の俺じゃたった1つしか習得出来なかったけど....
剣聖がただの老いぼれだったかどうか。クラッシュ、君が判断すればいい」
「グルル....ギャオオオ!!!!」
しばらく罠魔法で身動きが取れずにいたワイバーンが怒り狂って強引に拘束を抜ける
俺はゆっくりと黒い刀を抜き体勢を地面すれすれまで低く落とす
「絶技....縁切・神落シ!!!!」
それは一本の線を伸ばすように
頭・首・胴体・尻尾の全てを絶ち斬った
剣聖が長い研鑽の果てにたどり着いた剣の極地
純粋な切れ味だけをひたすらに追い求めた【縁切】
これにアノクは罠師としての観察眼を鍛え【会心の一撃】を繰り出せるようになった
これこそが師匠と弟子による必殺の剣【縁切・神落シ】である
「す.............すげぇ...」
「アノク.....君はこれ程なのか!!!」
一拍遅れてペリペリと紙が剥がれてゆくようにワイバーンが2つに分かれる
「...ったく何が不正だよ!支援職の【罠師】がワイバーンを真っ二つって...ハハッ!もう何を信じれば良いんだよ」
ーー「クラッシュ!教官連れてき....!!?」
パーティーメンバーだろう。
確か教官はD~Cランクの人間が取り仕切る決まりになっていたと思うがその教官が5人
その全員が既に討伐されたワイバーンを見て驚愕する
それもそのはずで通常ワイバーンの討伐はCランクがパーティーで戦ってようやく1体討伐出来る
それくらいの強敵なのだ
「これは、まさか君たちが?」
「いや、私は何もしていない」
「俺もだ。討伐したのはここにいるアノク・ゴールドバーンだ!」
「.....本当か?確かにアノク・ゴールドバーンはついこないだまでAランクパーティーに在籍していたが【罠師】だぞ?しかも今やその実力が本当に適正に判断されたものなのか疑う声もある。いくらなんでもワイバーンのソロ討伐というのは.....」
「誓って本当だ!俺はこの目で全部見た。Aランクどころじゃねえよ....この人はいつかSランクまで登り詰めるぜ、今に分かる!!!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
48
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる