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【第21話 国王の決断】
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【第21話 国王の決断】
王宮の玉座の間。
重い空気が流れていた。
玉座には国王が座っている。
その前に並ぶのは王国の重臣たち。
老侯爵が一歩前に出た。
「陛下」
「貴族会議の総意をお伝えいたします」
国王は静かに頷く。
「言え」
老侯爵は深く頭を下げた。
「王太子カルディオン殿下の資質について」
「再検討を求めます」
玉座の間が静まり返る。
これは事実上の――
王太子廃嫡の進言だった。
国王はしばらく沈黙していた。
やがて低い声で言う。
「理由は」
財務卿が前に出る。
「王国経済の悪化」
「王都港の衰退」
「外交問題」
そして。
「クレスト公爵令嬢との婚約破棄による政治的損失」
国王の眉が動いた。
「……あの件か」
老侯爵は言う。
「陛下」
「彼女は王国でも屈指の才女」
「その関係を断ったことは」
「国家的損失です」
国王は長く息を吐いた。
「わかっている」
そして。
重臣たちを見渡す。
「では」
「そなたらはどうすべきと考える」
老侯爵は答えた。
「第二王子殿下を」
「新たな王太子に」
玉座の間に再び沈黙が落ちる。
国王は目を閉じた。
しばらくして。
ゆっくりと目を開く。
「……カルディオンを呼べ」
その頃。
王宮の廊下。
カルディオンは呼び出しを受けて歩いていた。
側近が言う。
「陛下がお呼びです」
カルディオンは不機嫌だった。
「やっとか」
「何日も会議ばかり」
「俺に報告もない」
側近は黙っている。
玉座の間の扉が開いた。
カルディオンは中に入る。
そして。
その空気の重さに気づいた。
重臣たちが並んでいる。
誰も笑っていない。
国王が言った。
「カルディオン」
「父上」
「座れ」
カルディオンは玉座の前の椅子に座る。
国王はしばらく黙っていた。
そして。
静かに言う。
「お前は」
「何を失ったか理解しているか」
カルディオンは眉をひそめた。
「何の話です」
国王は答える。
「クレスト公爵令嬢だ」
カルディオンは舌打ちした。
「あの女の話か」
「俺は間違っていない」
国王の目が鋭くなる。
「まだ言うか」
カルディオンは言った。
「王太子が婚約者を選ぶのは当然だ」
老侯爵が小さく呟いた。
「……国より女を選んだ」
カルディオンは怒る。
「何だと!」
国王が手を上げた。
「黙れ」
沈黙。
国王はゆっくり言った。
「カルディオン」
「お前は王太子として」
「王国の利益を守る義務がある」
「だが」
「お前はそれを理解していない」
カルディオンは反論する。
「そんなことはない!」
「俺は王太子だ!」
国王は静かに言った。
「……そうだった」
カルディオンの表情が固まる。
重臣たちが一斉に頭を下げる。
国王の声が玉座の間に響いた。
「カルディオン」
「本日をもって」
「王太子の地位を解く」
時間が止まったようだった。
カルディオンは動かない。
やがて。
かすれた声で言う。
「……何だと」
国王は続けた。
「王太子は」
「第二王子アシュレイとする」
重臣たちが一斉に跪いた。
「新王太子殿下に忠誠を」
カルディオンは立ち上がる。
「ふざけるな!」
「俺は王太子だ!」
だが。
誰も彼を見ていなかった。
その頃。
北方港。
私は海を見ていた。
鳥便の手紙を読み終える。
アシュレイが聞く。
「何だ?」
私は微笑んだ。
「王都の決定です」
「もう出たのか」
私は手紙を渡す。
そこには短く書かれていた。
――王太子廃嫡
――新王太子 アシュレイ
アシュレイは黙る。
しばらくして。
小さく言った。
「……面倒なことになった」
私は笑った。
「おめでとうございます」
新しい王太子は苦い顔をした。
「全然嬉しくない」
海風が吹く。
港では船が行き交う。
そして。
王国の運命も――
大きく動き始めていた。
王宮の玉座の間。
重い空気が流れていた。
玉座には国王が座っている。
その前に並ぶのは王国の重臣たち。
老侯爵が一歩前に出た。
「陛下」
「貴族会議の総意をお伝えいたします」
国王は静かに頷く。
「言え」
老侯爵は深く頭を下げた。
「王太子カルディオン殿下の資質について」
「再検討を求めます」
玉座の間が静まり返る。
これは事実上の――
王太子廃嫡の進言だった。
国王はしばらく沈黙していた。
やがて低い声で言う。
「理由は」
財務卿が前に出る。
「王国経済の悪化」
「王都港の衰退」
「外交問題」
そして。
「クレスト公爵令嬢との婚約破棄による政治的損失」
国王の眉が動いた。
「……あの件か」
老侯爵は言う。
「陛下」
「彼女は王国でも屈指の才女」
「その関係を断ったことは」
「国家的損失です」
国王は長く息を吐いた。
「わかっている」
そして。
重臣たちを見渡す。
「では」
「そなたらはどうすべきと考える」
老侯爵は答えた。
「第二王子殿下を」
「新たな王太子に」
玉座の間に再び沈黙が落ちる。
国王は目を閉じた。
しばらくして。
ゆっくりと目を開く。
「……カルディオンを呼べ」
その頃。
王宮の廊下。
カルディオンは呼び出しを受けて歩いていた。
側近が言う。
「陛下がお呼びです」
カルディオンは不機嫌だった。
「やっとか」
「何日も会議ばかり」
「俺に報告もない」
側近は黙っている。
玉座の間の扉が開いた。
カルディオンは中に入る。
そして。
その空気の重さに気づいた。
重臣たちが並んでいる。
誰も笑っていない。
国王が言った。
「カルディオン」
「父上」
「座れ」
カルディオンは玉座の前の椅子に座る。
国王はしばらく黙っていた。
そして。
静かに言う。
「お前は」
「何を失ったか理解しているか」
カルディオンは眉をひそめた。
「何の話です」
国王は答える。
「クレスト公爵令嬢だ」
カルディオンは舌打ちした。
「あの女の話か」
「俺は間違っていない」
国王の目が鋭くなる。
「まだ言うか」
カルディオンは言った。
「王太子が婚約者を選ぶのは当然だ」
老侯爵が小さく呟いた。
「……国より女を選んだ」
カルディオンは怒る。
「何だと!」
国王が手を上げた。
「黙れ」
沈黙。
国王はゆっくり言った。
「カルディオン」
「お前は王太子として」
「王国の利益を守る義務がある」
「だが」
「お前はそれを理解していない」
カルディオンは反論する。
「そんなことはない!」
「俺は王太子だ!」
国王は静かに言った。
「……そうだった」
カルディオンの表情が固まる。
重臣たちが一斉に頭を下げる。
国王の声が玉座の間に響いた。
「カルディオン」
「本日をもって」
「王太子の地位を解く」
時間が止まったようだった。
カルディオンは動かない。
やがて。
かすれた声で言う。
「……何だと」
国王は続けた。
「王太子は」
「第二王子アシュレイとする」
重臣たちが一斉に跪いた。
「新王太子殿下に忠誠を」
カルディオンは立ち上がる。
「ふざけるな!」
「俺は王太子だ!」
だが。
誰も彼を見ていなかった。
その頃。
北方港。
私は海を見ていた。
鳥便の手紙を読み終える。
アシュレイが聞く。
「何だ?」
私は微笑んだ。
「王都の決定です」
「もう出たのか」
私は手紙を渡す。
そこには短く書かれていた。
――王太子廃嫡
――新王太子 アシュレイ
アシュレイは黙る。
しばらくして。
小さく言った。
「……面倒なことになった」
私は笑った。
「おめでとうございます」
新しい王太子は苦い顔をした。
「全然嬉しくない」
海風が吹く。
港では船が行き交う。
そして。
王国の運命も――
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