『婚約破棄されたので北の港を発展させたら

ふわふわ

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【第31話 新しい王国】

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【第31話 新しい王国】

北方港。

朝の空気は澄んでいた。

海の向こうから太陽が昇り、港の水面を金色に染めている。

船の鐘が鳴る。

新しい船が入港してきた。

港は朝から活気に満ちている。

私は埠頭の上からその光景を見ていた。

アルフレッドが報告する。

「南方の商会がさらに支店を出すそうです」

「いいことですね」

「北方港は王国最大の交易港になりました」

私は少しだけ驚く。

「もうですか」

アルフレッドは微笑む。

「王都港を完全に上回りました」

私は港を見る。

荷物を運ぶ人々。

商人の笑顔。

市場の声。

この場所は確かに変わった。

その時。

後ろから声がする。

「忙しそうだな」

振り向くとアシュレイだった。

今の彼は王太子だ。

王都から戻ってきたばかりらしい。

私は軽く頭を下げる。

「お帰りなさいませ」

アシュレイは苦笑した。

「その挨拶はやめてくれ」

「どうしてです?」

「まだ慣れない」

私は少し笑う。

「では」

「アシュレイ様」

彼は港を見る。

「本当に大きくなったな」

「皆の努力です」

アシュレイは頷く。

「王都でも話題だ」

「北方港の奇跡」

私は首を横に振る。

「奇跡ではありません」

「仕事です」

アシュレイは笑った。

「その言い方が一番怖い」

私は肩をすくめる。

その時。

港の鐘がまた鳴る。

船が次々と入ってくる。

アシュレイは言った。

「父上も来月ここに来る」

私は少し驚いた。

「国王陛下が?」

「港を見たいそうだ」

私は海を見る。

「歓迎します」

アシュレイは少し黙る。

そして言った。

「……それとな」

「何でしょう」

「王太子妃の話が出ている」

私は笑った。

「他の方を探してください」

アシュレイはため息をつく。

「やっぱりか」

私は港を指さす。

「私はここが好きです」

風が吹く。

旗が揺れる。

アシュレイは言う。

「王国は変わる」

私は頷いた。

「もう変わっています」

遠くの海には、さらに船が見える。

北方港は王国の中心になりつつあった。

そして――

新しい時代が始まっていた。
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