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エピローグ:未来への一音
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エピローグ:未来への一音
学園祭から数日が経った。
あのステージの興奮が嘘のように、校舎にはいつもの落ち着いた日常が戻っていた。
けれど――すべてが、元通りというわけではなかった。
「白河さん……! あ、あの、すごくよかったです! 学園祭のステージ、感動しました!」
「サイン……って、まだ早いですよね!? いえ、失礼しました!」
「新曲、期待してますっ!」
教室に入るたび、休み時間になるたび、優のもとには生徒たちが次々と声をかけてくるようになった。
以前なら、そのひとつひとつに驚いて戸惑って、パニックになっていたかもしれない。
だが、今の優は違った。
「……ありがとう。まだ……慣れてないけど、嬉しい……」
声は相変わらず小さかったが、それでもはっきりと前を向いていた。
「白河優」は、もう“地味子”ではなく、堂々と自分の名前で立つひとりの歌い手になっていた。
放課後、屋上に集まったのは、いつもの3人――優、泉、明。
風が涼しくなり、季節が秋の深まりを知らせていた。
「ねえ、ほんとに顔出ししちゃってよかったの?」
泉が水筒を手に問いかける。
「うん。……もう、“隠れる理由”がなくなったから」
優の言葉に、明は頷きながらタブレットをいじる。
「公式サイト、アクセス数爆上がりだ。学園祭の映像、今や1000万再生超えてる」
「すごい……」
優が素直に驚きの声を漏らす。
「しかも、戸川さんから正式な連絡きてたよね?」
泉がいたずらっぽく言う。
「うん。……次の曲を、私の“はじめてのオリジナル”としてリリースしたいって」
そう。
「ラストナンバー」は舞おばさんの歌だった。
でも、次は“白河優”として、自分の言葉、自分のメロディを綴る番。
それが、彼女があのステージで得た“答え”だった。
「実は、もう書き始めてるの」
優がカバンから一冊のスケッチブックを取り出した。
歌詞の断片やメロディのイメージが、鉛筆でびっしりと書き込まれていた。
「タイトル、もう決めてあるの」
「へぇ、なになに?」
「“ファーストノート”。……これが、私の最初の音になるから」
泉が目を丸くして、「優ちゃん……かっこよすぎ!」と歓声をあげた。
夕陽が屋上を染めていく。
金色の風に髪をなびかせながら、優は空を見上げた。
――舞おばさん。
私は、あなたのようにはなれないかもしれない。
でも、私は私のやり方で、あなたの“最後の音”を、私の“はじめの音”に変えられたと思う。
だから、きっと大丈夫。
“ラストナンバー”は、終わらせない。
優は、そっとスケッチブックの最初のページにこう記した。
白河優 ― ファーストノート
今日、私はようやく「声」を手に入れた。
誰かの代わりじゃない。誰かの名前じゃない。
“私自身”の歌を、私の言葉で、私の旋律で。
これは、ラストじゃない。
ここから、未来へ続く一音。
それはまさに、未来への一音――
静かに始まり、力強く続いていく“白河優”という歌姫の、これからの旋律だった。
もう、彼女は俯かない。
もう、前髪の奥に隠れたりしない。
これからも緊張するだろうし、不安になることもある。
でも、歌うことをやめない限り、あのステージの拍手は、ずっと背中を押し続けてくれる。
“地味子”だった少女が、
“声だけの歌姫”だった少女が、
今、世界に羽ばたこうとしている。
――ラストナンバーは、終わらない。
その想いを継いだ少女の、物語は続いていく。
後日談:地味子、モテ期到来
学園祭から一夜明け、白河優は“現実”と向き合っていた。
教室の扉を開けた瞬間、彼女は悟った。
――あ、これはダメなやつだ。
ざわつき、いや、もう騒然といってもいいレベルで、教室中の男子の視線が集中していた。
いつもは視界の端にも入っていなかった“地味子”に対するこの急激な変化に、優本人が一番戸惑っていた。
「し、白河さん、お、おはよう!」
「えっと、あの、今日もかわい……いや、素敵です!」
「もし、よかったら……帰り、ちょっとだけ時間をもらえたり……」
席に着く前から、男子生徒たちがぞろぞろと集まってくる。
中には、昨日のステージの動画をスマホで見せながら、
「ここ、この表情が最高なんだよ!」
「このロングトーン、ヤバくない? プロでしょ!?」
などと盛り上がり始める始末。
優は、前髪をいじる指を止められないでいた。
(帰りたい……帰りたい……)
今すぐ教室の壁と一体化してしまいたい、そんな気持ちだった。
「ほらほら、順番守ってよ! あたしが今話してたんだから!」
泉が人垣をかき分けて登場した。
「はいはい、優ちゃんはモテ期到来だけど、過剰接近はご遠慮くださ~い!」
泉はまるでマネージャーのように、優の周囲に半径50cmの“緩衝バリア”を張った。
「……たすけて……」
優が絞り出すように呟く。
「わかってる。でもこれ、どう見ても“学園のアイドル”爆誕って感じよ?」
そこへ、後ろの席から明がぼそり。
「……前髪、戻す?」
優はすぐさま頷いた。
だが、泉にぴしゃりと止められる。
「ダメです! あのステージの感動、前髪でなかったことにしないで!」
「でも……視線が……」
「視線は愛です!」
「泉……それ、重たいよ……」
結局、午前中の授業が終わるころには、優は5人から告白され、7人から連絡先を渡され、3人から“付き合ってください!”の直球を投げられた。
優はひたすら小声で「……ごめんなさい……」と答え続けた。
昼休み、屋上に逃げるようにやってきた優は、ペットボトルのお茶を握りしめながら、ポツリと呟いた。
「もしかして……私、もう“地味子”じゃない……?」
明が無表情で返す。
「今さら?」
泉がニッコリ笑って言った。
「地味子っていうより、“神秘の歌姫”よ! 顔出してなかった時代が逆にレジェンド!」
「……そっか……」
優は少しだけ、唇を結んでから微笑んだ。
でも、彼女は忘れていなかった。
人前に立つのは、勇気がいること。
注目されるのは、怖いこと。
だけど、その向こうに「届けたい気持ち」があったから、今ここにいられる。
そして、放課後。
下駄箱前には、またしても男子生徒が列を作っていた。
明らかに、告白待ち。
優は、ため息をつきながら呟く。
「お願いだから……普通に、帰らせて……」
だが、泉がポンと背中を押す。
「優ちゃん、行っておいで。ちゃんと断っておいで。……堂々とね」
優は覚悟を決めた。
前髪はそのまま。目を隠さず、しっかり顔を見せて歩き出す。
一人ひとり、告白に対して丁寧に「ありがとう、でも……ごめんなさい」と答える。
その声はまだ小さいけれど、ちゃんと相手に届くだけの力があった。
ようやく帰り道に出た頃、日が傾いていた。
公園のベンチに腰を下ろし、少しだけ深呼吸する。
(こんなに誰かに見られるようになるなんて、少し前まで想像もできなかった)
スマホを開くと、戸川からのメッセージが届いていた。
> 【戸川】
新曲のラフ、上がりました。明日の午後、スタジオで仮歌の相談できる?
> 【優】
はい。行きます。
彼女のモテ期は、もしかするとしばらく続くかもしれない。
だけど、彼女にとって一番大切なのは――やっぱり、歌だった。
風が秋の匂いを運んでくる。
白河優は、その風の中で、そっと口ずさむ。
まだ誰も知らない、新しい歌を。
学園祭から数日が経った。
あのステージの興奮が嘘のように、校舎にはいつもの落ち着いた日常が戻っていた。
けれど――すべてが、元通りというわけではなかった。
「白河さん……! あ、あの、すごくよかったです! 学園祭のステージ、感動しました!」
「サイン……って、まだ早いですよね!? いえ、失礼しました!」
「新曲、期待してますっ!」
教室に入るたび、休み時間になるたび、優のもとには生徒たちが次々と声をかけてくるようになった。
以前なら、そのひとつひとつに驚いて戸惑って、パニックになっていたかもしれない。
だが、今の優は違った。
「……ありがとう。まだ……慣れてないけど、嬉しい……」
声は相変わらず小さかったが、それでもはっきりと前を向いていた。
「白河優」は、もう“地味子”ではなく、堂々と自分の名前で立つひとりの歌い手になっていた。
放課後、屋上に集まったのは、いつもの3人――優、泉、明。
風が涼しくなり、季節が秋の深まりを知らせていた。
「ねえ、ほんとに顔出ししちゃってよかったの?」
泉が水筒を手に問いかける。
「うん。……もう、“隠れる理由”がなくなったから」
優の言葉に、明は頷きながらタブレットをいじる。
「公式サイト、アクセス数爆上がりだ。学園祭の映像、今や1000万再生超えてる」
「すごい……」
優が素直に驚きの声を漏らす。
「しかも、戸川さんから正式な連絡きてたよね?」
泉がいたずらっぽく言う。
「うん。……次の曲を、私の“はじめてのオリジナル”としてリリースしたいって」
そう。
「ラストナンバー」は舞おばさんの歌だった。
でも、次は“白河優”として、自分の言葉、自分のメロディを綴る番。
それが、彼女があのステージで得た“答え”だった。
「実は、もう書き始めてるの」
優がカバンから一冊のスケッチブックを取り出した。
歌詞の断片やメロディのイメージが、鉛筆でびっしりと書き込まれていた。
「タイトル、もう決めてあるの」
「へぇ、なになに?」
「“ファーストノート”。……これが、私の最初の音になるから」
泉が目を丸くして、「優ちゃん……かっこよすぎ!」と歓声をあげた。
夕陽が屋上を染めていく。
金色の風に髪をなびかせながら、優は空を見上げた。
――舞おばさん。
私は、あなたのようにはなれないかもしれない。
でも、私は私のやり方で、あなたの“最後の音”を、私の“はじめの音”に変えられたと思う。
だから、きっと大丈夫。
“ラストナンバー”は、終わらせない。
優は、そっとスケッチブックの最初のページにこう記した。
白河優 ― ファーストノート
今日、私はようやく「声」を手に入れた。
誰かの代わりじゃない。誰かの名前じゃない。
“私自身”の歌を、私の言葉で、私の旋律で。
これは、ラストじゃない。
ここから、未来へ続く一音。
それはまさに、未来への一音――
静かに始まり、力強く続いていく“白河優”という歌姫の、これからの旋律だった。
もう、彼女は俯かない。
もう、前髪の奥に隠れたりしない。
これからも緊張するだろうし、不安になることもある。
でも、歌うことをやめない限り、あのステージの拍手は、ずっと背中を押し続けてくれる。
“地味子”だった少女が、
“声だけの歌姫”だった少女が、
今、世界に羽ばたこうとしている。
――ラストナンバーは、終わらない。
その想いを継いだ少女の、物語は続いていく。
後日談:地味子、モテ期到来
学園祭から一夜明け、白河優は“現実”と向き合っていた。
教室の扉を開けた瞬間、彼女は悟った。
――あ、これはダメなやつだ。
ざわつき、いや、もう騒然といってもいいレベルで、教室中の男子の視線が集中していた。
いつもは視界の端にも入っていなかった“地味子”に対するこの急激な変化に、優本人が一番戸惑っていた。
「し、白河さん、お、おはよう!」
「えっと、あの、今日もかわい……いや、素敵です!」
「もし、よかったら……帰り、ちょっとだけ時間をもらえたり……」
席に着く前から、男子生徒たちがぞろぞろと集まってくる。
中には、昨日のステージの動画をスマホで見せながら、
「ここ、この表情が最高なんだよ!」
「このロングトーン、ヤバくない? プロでしょ!?」
などと盛り上がり始める始末。
優は、前髪をいじる指を止められないでいた。
(帰りたい……帰りたい……)
今すぐ教室の壁と一体化してしまいたい、そんな気持ちだった。
「ほらほら、順番守ってよ! あたしが今話してたんだから!」
泉が人垣をかき分けて登場した。
「はいはい、優ちゃんはモテ期到来だけど、過剰接近はご遠慮くださ~い!」
泉はまるでマネージャーのように、優の周囲に半径50cmの“緩衝バリア”を張った。
「……たすけて……」
優が絞り出すように呟く。
「わかってる。でもこれ、どう見ても“学園のアイドル”爆誕って感じよ?」
そこへ、後ろの席から明がぼそり。
「……前髪、戻す?」
優はすぐさま頷いた。
だが、泉にぴしゃりと止められる。
「ダメです! あのステージの感動、前髪でなかったことにしないで!」
「でも……視線が……」
「視線は愛です!」
「泉……それ、重たいよ……」
結局、午前中の授業が終わるころには、優は5人から告白され、7人から連絡先を渡され、3人から“付き合ってください!”の直球を投げられた。
優はひたすら小声で「……ごめんなさい……」と答え続けた。
昼休み、屋上に逃げるようにやってきた優は、ペットボトルのお茶を握りしめながら、ポツリと呟いた。
「もしかして……私、もう“地味子”じゃない……?」
明が無表情で返す。
「今さら?」
泉がニッコリ笑って言った。
「地味子っていうより、“神秘の歌姫”よ! 顔出してなかった時代が逆にレジェンド!」
「……そっか……」
優は少しだけ、唇を結んでから微笑んだ。
でも、彼女は忘れていなかった。
人前に立つのは、勇気がいること。
注目されるのは、怖いこと。
だけど、その向こうに「届けたい気持ち」があったから、今ここにいられる。
そして、放課後。
下駄箱前には、またしても男子生徒が列を作っていた。
明らかに、告白待ち。
優は、ため息をつきながら呟く。
「お願いだから……普通に、帰らせて……」
だが、泉がポンと背中を押す。
「優ちゃん、行っておいで。ちゃんと断っておいで。……堂々とね」
優は覚悟を決めた。
前髪はそのまま。目を隠さず、しっかり顔を見せて歩き出す。
一人ひとり、告白に対して丁寧に「ありがとう、でも……ごめんなさい」と答える。
その声はまだ小さいけれど、ちゃんと相手に届くだけの力があった。
ようやく帰り道に出た頃、日が傾いていた。
公園のベンチに腰を下ろし、少しだけ深呼吸する。
(こんなに誰かに見られるようになるなんて、少し前まで想像もできなかった)
スマホを開くと、戸川からのメッセージが届いていた。
> 【戸川】
新曲のラフ、上がりました。明日の午後、スタジオで仮歌の相談できる?
> 【優】
はい。行きます。
彼女のモテ期は、もしかするとしばらく続くかもしれない。
だけど、彼女にとって一番大切なのは――やっぱり、歌だった。
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