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「アニメのキャラクター?アニメ第1章-1:異世界召喚!唯一の黒髪に驚愕される(修正版)
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「……うそでしょ」
思わず漏れた声が、石畳の床にやけに大きく響いた。まるでファンタジー世界の王宮のような荘厳な空間。天井まで届く円柱が並び、壁には金と銀の細工が施され、空気までもが異様に澄んでいる。
そんな場違いな場所に、制服姿の少女――雪月風花はぽつんと立ち尽くしていた。
「……どういうこと? え? ここ、どこ?」
確かさっきまで、通学路を歩いていたはずだ。商店街を抜けて、コンビニの前を通って、交差点で信号待ちをして――
「いやいやいや、なんでいきなりヨーロッパ風の大広間にワープしてんの私!?」
パニックになりそうな頭を振りながら周囲を見渡すと、見知らぬ人々が十数人、風花を囲むように立っていた。
それは、剣を下げた騎士のような男、杖を持ったローブ姿の神官らしき人、王冠を被った男性、そして煌びやかなドレスに身を包んだ女性たち。
そしてなにより風花が驚いたのは――
「髪の色、カラフルすぎない……?」
赤、青、金、緑、銀、桃、紫……まるでアニメキャラクターのカラーパレットがそのまま現実化したような髪色の人たち。
「アニメのキャラクター? アニメの中の世界にはいりこんだのかしら? そんなことある? ……わけ、ないよね……」
思考がフリーズしそうなほどの非現実感。だけど頬をつねっても痛い。夢じゃない。状況も意味不明。
そんな中で、風花の漆黒のロングヘアは、まさに異質だった。
「……やはり、黒髪。伝承の通りだ!」
ローブ姿の老人が目を見開いて叫ぶ。その声に、周囲がざわめいた。
「“黒髪の乙女”、ついに現れたのか!」 「間違いない、彼女こそ聖女様だ!」 「救世の御方が、ついに我が王国へ……!」
――えっ、なに? ちょっと待って?
思考が追いつかない。けれど彼らは一斉に風花の前に跪き、手を胸に当てて礼を捧げ始めた。
「聖女様! ようこそお越しくださいました!」
「いやいやいや、話聞いて!? 私、ただの高校生ですから!!」
風花は必死に否定するが、まるで聞いてもらえない。王座に座る中年の男性――王だろうか――が立ち上がる。
「わが名はセレティア王国、国王グラディウス・セレティア。そなたをお迎えできるとは、この上なき光栄。さあ、聖女様よ。我が国を救いたまえ!」
「だから、ちがっ……私は聖女とかじゃなくて!」
焦る風花をよそに、周囲は一気に準備を始める。椅子が運ばれ、絹のクッションが敷かれ、神官たちは儀式の準備を始めている。
「ねえ、ちょっと! 人の話を……!」
「こちらへ、聖女様。まずはお身体を癒すべく、沐浴と着替えを」
「聞いてないってばあああああ!」
風花の叫びは、広い大広間にむなしく響き渡った。
* * *
――そして、数時間後。
広々とした浴場で無理やり“聖水”なるものに入れられ、勝手にドレスに着替えさせられた風花は、ついに現実逃避モードに突入していた。
「これは夢。絶対夢。朝になったら布団の中……」
「聖女様、ご準備は整いましたでしょうか」
部屋の外から聞こえるメイドの声に、風花は項垂れながら答える。
「……夢じゃないなら、せめて誰かツッコんで……過去の召喚日本人、何してくれてるのよ……!」
彼女の黒髪は、異世界の者にとって“奇跡”そのものだった。
だが、風花にとっては――
それが、終わりの始まりだった。
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