1 / 30
第一話 舞踏会の婚約破棄
しおりを挟む
第一話 舞踏会の婚約破棄
王城の大広間は、季節の花と燭台の光で満ちていた。磨き上げられた床は鏡のように人影を映し、弦楽の音が天井の装飾に吸い込まれていく。貴族たちの笑い声は、宝石の触れ合う音と混じって、どこか甘く、そしてどこか冷たい。
ステラ・ダンクルは、壁際に立っていた。公爵令嬢として、聖女として、王太子の婚約者として。誰もが彼女を「完璧」と呼び、同時に「近寄りがたい」と囁いた。白磁のような肌に、静かな微笑。淡い色の髪は夜の光を柔らかく反射し、目は落ち着いていて、感情の波を表に出さない。
今夜は、王太子アッシュの言葉を聞くために呼ばれている。そう理解していた。けれど、理由を告げられていない集まりほど、嫌な予感が確かなものはない。ステラは軽く息を吸い、胸の内で祈りの言葉を整えた。聖女の祈りは、いつだって自分のためではなく、国のために捧げるものだと教えられてきたから。
やがて音楽が止み、広間のざわめきが波のように引いていく。視線が一斉に中央へ集まった。王太子アッシュが、壇上に立っていた。
アッシュは王族らしい端正な顔立ちで、金糸の刺繍が施された礼装がよく似合っている。彼が一歩前へ出ただけで、場の空気が「王の言葉」を待つ形に整う。生まれながらにして、そういう位置にいる男だった。
「皆に、知らせることがある」
よく通る声。いつもの、儀礼としての声音。ステラの名が呼ばれる前に、胸の奥がわずかに重くなる。
「本日をもって、ダンクル公爵令嬢ステラとの婚約を破棄する」
一瞬、時間が止まったように感じた。誰かが息を呑む音が聞こえ、次の瞬間には、ざわめきがこぼれ落ちる。数秒遅れて、あちこちで扇子が開く音がした。噂が生まれる音だ。
ステラは動かなかった。驚きがないわけではない。ただ、驚きを顔に出すのは無作法だと、身体が先に覚えてしまっている。
アッシュは続ける。
「理由は、聖女としての資格に疑念が生じたためだ。国の信仰は、揺らがせるわけにはいかない」
聖女の資格。つまり、ステラがこの国で生きる根そのものを切る宣告だった。
そのとき、壇上の脇から一人の少女が歩み出た。白い衣、控えめな髪飾り、潤んだ瞳。か弱さを丁寧に纏ったような姿で、貴族たちは思わず「守ってやりたい」と感じたのだろう。ざわめきの中に、甘い同情が混じった。
クレア・グレコ。最近、教会が「新たな聖女候補」として推している名だ。ステラも耳にしている。だが、顔を合わせたのは今夜が初めてだった。
クレアは壇上で一礼し、震えるような声で言った。
「わ、わたくしは……その……。ステラ様を責めたいわけではありません。皆様、どうか誤解なさらないで……。ただ、教会が……王国が……」
途中で言葉を切り、唇を噛む。涙が光る。貴族の心を掴む仕草を、彼女は完璧に知っていた。
アッシュが、クレアの肩に手を置いた。その仕草一つで、物語ができあがる。王太子がか弱い聖女候補を守り、冷たい元婚約者は黙して罪を受け入れる。民が好む筋書き。舞踏会は一瞬で裁判所になった。
アッシュはステラへ視線を向けた。
「ステラ。異論はあるか」
問いかけの形をしていながら、答えを求めていない声だった。異論を述べれば、聖女としての「慎みがない」と噂される。沈黙すれば、同意とみなされる。どちらに転んでも、ステラの立場は崩れるように組まれた盤面だった。
ステラは、ゆっくりと一歩前へ出た。揺れる灯の下で、白いドレスが静かに波打つ。広間中の視線が刺さるように集まる。誰もが「泣くのか」「怒るのか」「縋るのか」と待っている。
けれどステラは、ただ深く頭を下げた。
「承りました、王太子殿下」
声は穏やかで、震えていない。だからこそ、周囲の貴族は「哀れだ」と勝手に解釈した。哀れだと思うことで、自分の胸の居心地の悪さを誤魔化せるからだ。
ステラは顔を上げ、言葉を続けた。
「聖女の務めは、王国と民のためにあります。王国が私を不要と判断されるのであれば、私は従います」
それは誇りでも反抗でもなく、ただの事実としての宣言だった。けれど、その淡々とした口調は逆に目立つ。「泣いて見せる」ことを求められる場で、泣かない女は異物だ。
アッシュの眉がわずかに動いた。彼の想定では、ステラは傷つき、取り乱し、そして彼の慈悲にすがるはずだったのだろう。けれどステラはすがらない。王太子の「正しさ」を引き立てる演技をしない。
クレアが、ほんの一瞬だけステラを見た。潤んだ瞳の奥に、光が滑る。それは同情ではない。ステラはその意味を、まだ知らない。
重臣の一人が前へ出て、儀礼としての宣告を読み上げ始めた。婚約破棄の正式な手続き。聖女資格の停止。身柄の管理は教会へ移管され、療養と称して修道院へ送ること。つまり追放だ。言葉は丁寧に整えられているのに、内容は冷たい。
ステラは、最後まで表情を崩さなかった。崩すことが許されないと知っているからでもあり、崩したくない意地でもあった。ここで涙を見せれば、誰かが「ほら、やはり精神が不安定だった」と言うだろう。泣けば負ける。そういう場だった。
読み上げが終わり、アッシュは「以上だ」と短く告げた。舞踏会は再開される。音楽が戻り、貴族たちは踊り、笑い、今日の事件を肴にする。王国の中心で、誰かの人生が折れても、夜は華やかに進む。
ステラは、静かに踵を返した。背中に刺さる視線と、囁きが追ってくる。
「可哀想に……」 「でも、あの方、泣きもしないのね」 「やはり聖女として……」
その声は、遠い。ステラは廊下へ出て、冷たい空気を吸い込んだ。胸の奥に沈む痛みはある。だが、それを抱えて進むことには慣れている。聖女とは、そういうものだと教わってきた。
曲がり角の先で、足音が近づいた。
「ステラ様」
柔らかい呼びかけ。振り向くと、クレア・グレコが一人で立っていた。取り巻きもいない。泣き腫らしたような目元なのに、声だけは落ち着いている。
「……少し、お話をしてもよろしいでしょうか。誤解されたままでは、あまりにも……」
クレアは両手を胸の前で重ね、困ったように微笑んだ。
「本当は、私より……あなたの方が、聖女に相応しいのに」
その言葉は、慰めの形をしていた。だが、どこか危うい匂いを隠している。
ステラは一度だけ瞬きをし、いつもの礼儀で答えた。
「お気遣い、ありがとうございます。ですが、王国の決定です」
「……そう。あなたは、やっぱり優しいのですね」
クレアは一歩、距離を詰めた。
「もう少しだけ……。本当に少しだけ、です。誰にも聞かれないところで……」
そう言って、クレアは階段の方へ視線を向けた。王城の古い石段。夜の灯りが届きにくい、影の溜まる場所。
ステラは迷った。だが、迷いの理由は「危険」ではなく「面倒」だった。余計な誤解が広がるのは避けたい。そう考えたのだ。
「わかりました」
ステラは頷いた。
その瞬間、クレアの唇が、ほんのわずかに上がったように見えた。灯の加減だろうか。そう思った次の瞬間には、彼女はまた「善良な聖女候補」の顔に戻っていた。
階段へ向かう二人の背中を、王城の灯が静かに見送っていた。
王城の大広間は、季節の花と燭台の光で満ちていた。磨き上げられた床は鏡のように人影を映し、弦楽の音が天井の装飾に吸い込まれていく。貴族たちの笑い声は、宝石の触れ合う音と混じって、どこか甘く、そしてどこか冷たい。
ステラ・ダンクルは、壁際に立っていた。公爵令嬢として、聖女として、王太子の婚約者として。誰もが彼女を「完璧」と呼び、同時に「近寄りがたい」と囁いた。白磁のような肌に、静かな微笑。淡い色の髪は夜の光を柔らかく反射し、目は落ち着いていて、感情の波を表に出さない。
今夜は、王太子アッシュの言葉を聞くために呼ばれている。そう理解していた。けれど、理由を告げられていない集まりほど、嫌な予感が確かなものはない。ステラは軽く息を吸い、胸の内で祈りの言葉を整えた。聖女の祈りは、いつだって自分のためではなく、国のために捧げるものだと教えられてきたから。
やがて音楽が止み、広間のざわめきが波のように引いていく。視線が一斉に中央へ集まった。王太子アッシュが、壇上に立っていた。
アッシュは王族らしい端正な顔立ちで、金糸の刺繍が施された礼装がよく似合っている。彼が一歩前へ出ただけで、場の空気が「王の言葉」を待つ形に整う。生まれながらにして、そういう位置にいる男だった。
「皆に、知らせることがある」
よく通る声。いつもの、儀礼としての声音。ステラの名が呼ばれる前に、胸の奥がわずかに重くなる。
「本日をもって、ダンクル公爵令嬢ステラとの婚約を破棄する」
一瞬、時間が止まったように感じた。誰かが息を呑む音が聞こえ、次の瞬間には、ざわめきがこぼれ落ちる。数秒遅れて、あちこちで扇子が開く音がした。噂が生まれる音だ。
ステラは動かなかった。驚きがないわけではない。ただ、驚きを顔に出すのは無作法だと、身体が先に覚えてしまっている。
アッシュは続ける。
「理由は、聖女としての資格に疑念が生じたためだ。国の信仰は、揺らがせるわけにはいかない」
聖女の資格。つまり、ステラがこの国で生きる根そのものを切る宣告だった。
そのとき、壇上の脇から一人の少女が歩み出た。白い衣、控えめな髪飾り、潤んだ瞳。か弱さを丁寧に纏ったような姿で、貴族たちは思わず「守ってやりたい」と感じたのだろう。ざわめきの中に、甘い同情が混じった。
クレア・グレコ。最近、教会が「新たな聖女候補」として推している名だ。ステラも耳にしている。だが、顔を合わせたのは今夜が初めてだった。
クレアは壇上で一礼し、震えるような声で言った。
「わ、わたくしは……その……。ステラ様を責めたいわけではありません。皆様、どうか誤解なさらないで……。ただ、教会が……王国が……」
途中で言葉を切り、唇を噛む。涙が光る。貴族の心を掴む仕草を、彼女は完璧に知っていた。
アッシュが、クレアの肩に手を置いた。その仕草一つで、物語ができあがる。王太子がか弱い聖女候補を守り、冷たい元婚約者は黙して罪を受け入れる。民が好む筋書き。舞踏会は一瞬で裁判所になった。
アッシュはステラへ視線を向けた。
「ステラ。異論はあるか」
問いかけの形をしていながら、答えを求めていない声だった。異論を述べれば、聖女としての「慎みがない」と噂される。沈黙すれば、同意とみなされる。どちらに転んでも、ステラの立場は崩れるように組まれた盤面だった。
ステラは、ゆっくりと一歩前へ出た。揺れる灯の下で、白いドレスが静かに波打つ。広間中の視線が刺さるように集まる。誰もが「泣くのか」「怒るのか」「縋るのか」と待っている。
けれどステラは、ただ深く頭を下げた。
「承りました、王太子殿下」
声は穏やかで、震えていない。だからこそ、周囲の貴族は「哀れだ」と勝手に解釈した。哀れだと思うことで、自分の胸の居心地の悪さを誤魔化せるからだ。
ステラは顔を上げ、言葉を続けた。
「聖女の務めは、王国と民のためにあります。王国が私を不要と判断されるのであれば、私は従います」
それは誇りでも反抗でもなく、ただの事実としての宣言だった。けれど、その淡々とした口調は逆に目立つ。「泣いて見せる」ことを求められる場で、泣かない女は異物だ。
アッシュの眉がわずかに動いた。彼の想定では、ステラは傷つき、取り乱し、そして彼の慈悲にすがるはずだったのだろう。けれどステラはすがらない。王太子の「正しさ」を引き立てる演技をしない。
クレアが、ほんの一瞬だけステラを見た。潤んだ瞳の奥に、光が滑る。それは同情ではない。ステラはその意味を、まだ知らない。
重臣の一人が前へ出て、儀礼としての宣告を読み上げ始めた。婚約破棄の正式な手続き。聖女資格の停止。身柄の管理は教会へ移管され、療養と称して修道院へ送ること。つまり追放だ。言葉は丁寧に整えられているのに、内容は冷たい。
ステラは、最後まで表情を崩さなかった。崩すことが許されないと知っているからでもあり、崩したくない意地でもあった。ここで涙を見せれば、誰かが「ほら、やはり精神が不安定だった」と言うだろう。泣けば負ける。そういう場だった。
読み上げが終わり、アッシュは「以上だ」と短く告げた。舞踏会は再開される。音楽が戻り、貴族たちは踊り、笑い、今日の事件を肴にする。王国の中心で、誰かの人生が折れても、夜は華やかに進む。
ステラは、静かに踵を返した。背中に刺さる視線と、囁きが追ってくる。
「可哀想に……」 「でも、あの方、泣きもしないのね」 「やはり聖女として……」
その声は、遠い。ステラは廊下へ出て、冷たい空気を吸い込んだ。胸の奥に沈む痛みはある。だが、それを抱えて進むことには慣れている。聖女とは、そういうものだと教わってきた。
曲がり角の先で、足音が近づいた。
「ステラ様」
柔らかい呼びかけ。振り向くと、クレア・グレコが一人で立っていた。取り巻きもいない。泣き腫らしたような目元なのに、声だけは落ち着いている。
「……少し、お話をしてもよろしいでしょうか。誤解されたままでは、あまりにも……」
クレアは両手を胸の前で重ね、困ったように微笑んだ。
「本当は、私より……あなたの方が、聖女に相応しいのに」
その言葉は、慰めの形をしていた。だが、どこか危うい匂いを隠している。
ステラは一度だけ瞬きをし、いつもの礼儀で答えた。
「お気遣い、ありがとうございます。ですが、王国の決定です」
「……そう。あなたは、やっぱり優しいのですね」
クレアは一歩、距離を詰めた。
「もう少しだけ……。本当に少しだけ、です。誰にも聞かれないところで……」
そう言って、クレアは階段の方へ視線を向けた。王城の古い石段。夜の灯りが届きにくい、影の溜まる場所。
ステラは迷った。だが、迷いの理由は「危険」ではなく「面倒」だった。余計な誤解が広がるのは避けたい。そう考えたのだ。
「わかりました」
ステラは頷いた。
その瞬間、クレアの唇が、ほんのわずかに上がったように見えた。灯の加減だろうか。そう思った次の瞬間には、彼女はまた「善良な聖女候補」の顔に戻っていた。
階段へ向かう二人の背中を、王城の灯が静かに見送っていた。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました
丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、
隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。
だが私は知っている。
原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、
私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。
優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。
私は転生者としての知識を武器に、
聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、
王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。
「婚約は……こちらから願い下げです」
土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。
私は新しい未来を選ぶ。
半世紀の契約
篠原皐月
恋愛
それぞれ個性的な妹達に振り回されつつ、五人姉妹の長女としての役割を自分なりに理解し、母親に代わって藤宮家を纏めている美子(よしこ)。一見、他人からは凡庸に見られがちな彼女は、自分の人生においての生きがいを、未だにはっきりと見い出せないまま日々を過ごしていたが、とある見合いの席で鼻持ちならない相手を袖にした結果、その男が彼女の家族とその後の人生に、大きく関わってくる事になる。
一見常識人でも、とてつもなく非凡な美子と、傲岸不遜で得体の知れない秀明の、二人の出会いから始まる物語です。
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。
千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。
だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。
いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……?
と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる