追放された令嬢ですが、隣国公爵と白い結婚したら溺愛が止まりませんでした ~元婚約者? 今さら返り咲きは無理ですわ~

ふわふわ

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第28話 王国の“偽りの噂”――仕掛けられた情報戦

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◆第28話 王国の“偽りの噂”――仕掛けられた情報戦

翌朝。

公爵邸の食堂にて、エテルナはミーナと朝食の準備をしていた。

(昨日……旦那様が“ここにいていい”と言ってくださった……)

その言葉を思い出すたび、胸がふわりと温かくなる。

ミーナもにやにやしている。

「奥様、今日は何だか……光をまとってらっしゃいますね!」

「そ、そんなことありませんわ!」

(でも……嬉しかったのは本当で……)

頬を押さえていると――

廊下が騒がしくなった。

メイドA「大変です! 街に“奇妙な噂”が流れています!!」

ミーナ「えっ!? どんな噂ですの?」

メイドAは息を切らしながら言った。

「“王国が、慈悲の心からエテルナ様を迎えに来る”
“公爵家が不当にエテルナ様を囲い込んでいる”
“王太子殿下はエテルナ様を気遣って追放を撤回した”」

エテルナ「……っ!?」

ミーナ「な、なっ!? どれも全部……嘘ですわ!!」

エテルナは胸がざわめく。

(わたくしを……戻そうとしている……?)

そこへ、足音が響いた。

アウレリオが、険しい表情で現れる。


---

◆◆アウレリオ、怒りを隠せない

「エテルナ。聞いたか?」

「……はい。
 わたくしが街でも誤解されていると……」

アウレリオは深く息を吐く。

「王国が意図的に流した“偽情報”だ。
 目的はひとつ。
 ――世論を使って、君を取り戻すためだ」

エテルナの手が震える。

「わたくし……迷惑に……」

「違う」

アウレリオは即座に遮った。

その声は低く、熱を帯びている。

「迷惑などではない。
 私が怒っているのは、君が不安になるようなやり方をした王国だ」

エテルナは息を呑む。

(旦那様……わたくしのために……こんなにも)


---

◆◆屋敷の相談室にて、緊張した対策会議

執務室に側近たちが集められた。

フローレン「情報操作の出所は、王太子派の貴族らしいです。
 “追放は誤解”“王国こそ正統”など、都合のいい噂ばかりが広がっております」

護衛ラヴェッリ「街の民も混乱し始めております。
 “エテルナ様は王国へ戻るべきか”などという声まで……」

エテルナの肩が小さく震えた。

アウレリオは彼女に気づくと、自然と手を伸ばした。

――その手は、優しく彼女の指に触れただけ。

だがエテルナの心臓は跳ねた。

アウレリオは視線をエテルナに向けたまま、静かに言う。

「落ち着け。
 ――君は絶対に戻さない」

その言葉は、宣言だった。

フローレンが目を丸くする。

(旦那様……もう完全に奥様に夢中だ……!)


---

◆◆リーザの“暴走発言”が火種に

その頃、王国では――。

リーザが王宮の廊下で高らかに宣言していた。

「エテルナは王国のものよ!
 だって、あの女は追放されただけで、正式に婚約破棄されたわけじゃないもの!
 本当は、王太子殿下のために戻ってくるのが当然よ!!」

周囲の侍女たちは凍りついた。

「リーザ様、それは……!」

「書状に書かれていましたわ!
 “エテルナは王太子殿下の正当な婚約者である可能性がある”って!
 ほら、ほら見なさいよ!!」

(あーー……これは完全に政治的にマズい……)

侍女たちの青ざめた表情が、すべてを物語っていた。


---

◆◆街での誤解が広がる

その日の夕方。

公爵領の街では“噂の衝突”が起こっていた。

「エテルナ様は王太子殿下に必要とされているらしい!」

「いや、追放されたんだぞ!?」

「でも王国の書状には“保護のため”ってあったぞ!」

「公爵家が隠してるって噂だ!」

「そんなわけあるか!」

街が二分され始めたのだ。


---

◆◆エテルナ、胸を痛める

夜。

中庭でひとり佇むエテルナ。

(わたくしが……原因で、領地が……)

胸が苦しくなる。

すると背後から足音。

「……エテルナ」

アウレリオだった。

「皆を混乱させて……すみません……」

エテルナの声は震えていた。

アウレリオはきっぱりと告げる。

「謝るのは私の方だ。
 君を守りきれなかった」

エテルナが顔を上げると、その瞳は驚くほど優しかった。

アウレリオはそっと彼女の肩に触れた。

「安心しろ。
 ――王国の思い通りにはさせない。
 君はここで、好きに生きていい」

エテルナの目から涙がこぼれた。

(……守られている。
 こんなにも、強く……)


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