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34話 家族の招待状、届く
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◆34話 家族の招待状、届く
その日の午後、執務室に控えていたリーザが、小さな封筒を手に現れた。
「旦那様、エテルナ様――こちら、公爵家本家よりの書状でございます」
エテルナは思わず背筋を伸ばす。
(本家……つまり、旦那様のご家族から?)
アイオンは受け取ると、さらりと封を開いた。
だが、内容を読み進めるにつれ、眉がほんのり動く。
「……ふむ」
「旦那様、なにか問題が?」
「いや……問題ではないが」
わずかに視線がエテルナに向けられた。
「我が姉上が、君に会いたいらしい」
エテルナの心臓が止まる。
「えっ……わ、私に、ですの?」
「正式に“義妹として迎えたい”と書いてある」
(待って、それは軽い話ではありませんわ!)
エテルナは頭の中で、勝手に“義姉との対面”を想像してしまう。
――気品にあふれた女性。
――魔力値が高そう。
――私、嫌われませんわよね?
――白い結婚のこと、いつ話すべきかしら……??
(胃が……痛い……)
そんな彼女の不安を察したのか、リーザが明るく微笑んだ。
「エテルナ様、大丈夫ですわ。公爵家のお嬢様方は皆さま優しくて、
特に長女様は“弟を溺愛している”と噂で有名でして――」
「リーザ。それは言わなくていい」
アイオンが即座に止めた。
(溺愛……? 旦那様の、ですの?)
エテルナの不安が別方向に増幅される。
---
■招待状は“歓迎の証”
アイオンは書状を机に置き、淡々と説明した。
「姉上は気心の知れた者以外には厳しいが……基本的には理性的だ。
君を困らせるような真似はしない」
「そ、そうだと良いのですけれど……」
「それに、これは歓迎の意思表示でもある。
“白い結婚”だからといって、君を軽んじるつもりはないということだ」
「……!」
その言葉は、温かく胸に響いた。
(歓迎……私が、“家族として”?)
驚きと照れが入り混じって、言葉がすぐに出ない。
---
■アイオンの不器用な励まし
しばらくして、アイオンが少しだけ視線をそらしながら言った。
「……怖いなら、無理に行かなくてもいい」
「え?」
「君が望まないなら、理由はいくらでもつけられる。
君が辛いなら、俺が断る」
エテルナは思わず目を見張った。
(旦那様……そんなふうに気遣ってくださるなんて)
「………ありがとう、ございますわ」
小さく息を吸って、続ける。
「でも……行きたいです。
旦那様のご家族に、きちんとご挨拶をしたいと思っています」
アイオンは言葉もなく、ただ静かに頷いた。
しかしリーザだけは気づいていた。
――その瞬間、彼の耳がほんのり赤くなったことに。
---
■準備は大騒ぎ
夕方。
サロンでは、すでにリーザが大興奮で動き回っていた。
「ドレスはどれにいたしましょう!
淡い色がエテルナ様にはぴったりでございますし――」
「リーザ、まだ決めるのは早いですわ!」
「いいえ、急がなくてはなりません!
何しろ旦那様のお姉様は“とても美しい方”でして――」
「リーザ」
アイオンの低い声が飛ぶ。
「言わなくていい」
「ふふ、失礼いたしました」
リーザの目はキラキラしていた。
(……なんだか、すごく不安になってきましたわ)
エテルナは額に手を当てる。
その日の午後、執務室に控えていたリーザが、小さな封筒を手に現れた。
「旦那様、エテルナ様――こちら、公爵家本家よりの書状でございます」
エテルナは思わず背筋を伸ばす。
(本家……つまり、旦那様のご家族から?)
アイオンは受け取ると、さらりと封を開いた。
だが、内容を読み進めるにつれ、眉がほんのり動く。
「……ふむ」
「旦那様、なにか問題が?」
「いや……問題ではないが」
わずかに視線がエテルナに向けられた。
「我が姉上が、君に会いたいらしい」
エテルナの心臓が止まる。
「えっ……わ、私に、ですの?」
「正式に“義妹として迎えたい”と書いてある」
(待って、それは軽い話ではありませんわ!)
エテルナは頭の中で、勝手に“義姉との対面”を想像してしまう。
――気品にあふれた女性。
――魔力値が高そう。
――私、嫌われませんわよね?
――白い結婚のこと、いつ話すべきかしら……??
(胃が……痛い……)
そんな彼女の不安を察したのか、リーザが明るく微笑んだ。
「エテルナ様、大丈夫ですわ。公爵家のお嬢様方は皆さま優しくて、
特に長女様は“弟を溺愛している”と噂で有名でして――」
「リーザ。それは言わなくていい」
アイオンが即座に止めた。
(溺愛……? 旦那様の、ですの?)
エテルナの不安が別方向に増幅される。
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■招待状は“歓迎の証”
アイオンは書状を机に置き、淡々と説明した。
「姉上は気心の知れた者以外には厳しいが……基本的には理性的だ。
君を困らせるような真似はしない」
「そ、そうだと良いのですけれど……」
「それに、これは歓迎の意思表示でもある。
“白い結婚”だからといって、君を軽んじるつもりはないということだ」
「……!」
その言葉は、温かく胸に響いた。
(歓迎……私が、“家族として”?)
驚きと照れが入り混じって、言葉がすぐに出ない。
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■アイオンの不器用な励まし
しばらくして、アイオンが少しだけ視線をそらしながら言った。
「……怖いなら、無理に行かなくてもいい」
「え?」
「君が望まないなら、理由はいくらでもつけられる。
君が辛いなら、俺が断る」
エテルナは思わず目を見張った。
(旦那様……そんなふうに気遣ってくださるなんて)
「………ありがとう、ございますわ」
小さく息を吸って、続ける。
「でも……行きたいです。
旦那様のご家族に、きちんとご挨拶をしたいと思っています」
アイオンは言葉もなく、ただ静かに頷いた。
しかしリーザだけは気づいていた。
――その瞬間、彼の耳がほんのり赤くなったことに。
---
■準備は大騒ぎ
夕方。
サロンでは、すでにリーザが大興奮で動き回っていた。
「ドレスはどれにいたしましょう!
淡い色がエテルナ様にはぴったりでございますし――」
「リーザ、まだ決めるのは早いですわ!」
「いいえ、急がなくてはなりません!
何しろ旦那様のお姉様は“とても美しい方”でして――」
「リーザ」
アイオンの低い声が飛ぶ。
「言わなくていい」
「ふふ、失礼いたしました」
リーザの目はキラキラしていた。
(……なんだか、すごく不安になってきましたわ)
エテルナは額に手を当てる。
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