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第一部《魔王VS勇者》編
第33話【それぞれの日常】
しおりを挟むグランデ平野、トスカ村。
「いやー野菜も順調だなぁ、豊作になりそうだ」
「村長のソイルコールで土地の良し悪しがわかるようになったからありがたい」
「ダリオさんにも感謝しなきゃな」
「魔族だって忘れそうだよ、あの人と話してると」
「前に畑焼かれて連れて行かれたときはもうダメだと思ったけど今じゃ感謝しかないな」
「税も半分だぜ? 信じられるか? 家族にもいっぱい食わせてやれるよ」
「魔王様万歳ってか? ははは」
* * *
ライラ商会。
「商会長! 工房長がもう限界だと!」
「うるさい! 限界を超えろと伝えなさい!」
「もう何人も倒れてますって」
「情熱が足りない! 私達はこのチャンスをモノにして世界を征服する!」
「世界って……魔族領って本当に商売できるんですか?」
「次にそんな間抜けなこと言ったらクビにするわよ! あそこは今後世界の中心になるの!」
「魔王ですよ? 中心になったら世界終わりじゃないですか」
「うるさいなぁ! 魔王様用の50パターンの試作終わったの? 出来てないなら早く行け!来週までに間に合わせるわよ!」
* * *
首都マギア、魔王城隣接託児所。
「ジーンさん、来週の面談予定の方のリストを作りました」
「ありがとうレイラさん。いつも助かるわ」
「問い合わせどんどん増えていますね」
「最初は地道に聞いて回っていたんだけど、嬉しい悲鳴ね」
「明日、第2軍から先生が来られるんですよね?」
「えぇ、ちょっと打ち合わせがあって知り合いに頼んだの」
「今から城に帰るので書類預けてきましょうか?」
「ホント? じゃあお願いしようかしら。今度はいつ来られるの?」
「魔王様に聞いてみますね。私もなるべくお手伝いしたいので」
* * *
魔王城、親衛隊詰所。
「ミリトン、準備できた?」
「おう。今日の護衛は俺とリューシーだけだからしっかりやるぞ」
「アイラ、めちゃくちゃ頑張ってるから私も負けないようにしないと」
「この前魔王様にステーキご馳走になったって」
「うそぉ……いいなぁ……私も食べたい」
「いいよなぁ。ま、俺達もあちこちで色んなもの食ってるけど」
「普通、護衛に一緒に食べろなんて言わないよね」
「こら、そんなこと言ってるとまたサイリス様に怒られるぞ」
「ごめんごめん。じゃ、そろそろいこうか」
* * *
モルドラス都市国家、モスタウンの酒場。
「おい、今日も来てるぞ」
「あいついつもいるな」
「ねえ、勇者って噂ホントなの?」
「みんな言ってるじゃないか」
「あんな飲んだくれが勇者なのか?」
「勇者って魔王を倒しに行ったんじゃないの?」
「負けたらしいぞ。生きてるってことは逃げ帰ってきたんじゃないのか?」
「嘘でしょ……じゃあいずれ魔王が攻めてくるの? やめてよ」
「うちの商会に出入りしてる人から聞いたんだけどライエル王国ってもう魔王の手に落ちたらしいぞ。魔族の兵士が街中を歩いてるらしい」
「この世の地獄じゃないか。順番に処刑されてるんじゃ」
「王女様も連れて行かれたって……可哀想にな」
「なんかあいつこっち見てるぞ」
「おい! なに見てんだ!」
「やめとけって。本当に勇者だったらどうするんだ」
「そんなわけないでしょ。あ、出ていったわ」
【Invocation Protocol: ARIA/Target:YAMADA】
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