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バレンタインから十日⓷
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「明日香さんには、別に大学の準備金としてこれだけ・・・」
聞いたことのない女性の声。
きっと実の母!
「こんなに・・・」
父のうわずった声。
「失礼ですが、経済的に大変とお聞きしています。秋月さんに新しい勤め先を斡旋してもいい・・・」
姉の声がさえぎる。
「ストーカーしてたんですか?うちのこと」
静かになった。困ったようなため息が長く続く。
「明日香!」
母の声。
玄関の横開きの戸が開いた。
姉が僕の前にいる。
僕の手首を握る。玄関に引っ張り込む。
「悠!悠!」
実の母の声。ライトグレーのスーツ姿の女性がチラッと見えた。
姉が僕のこと、そのまま二階に引っ張って行った。
「すみません。悠と話をさせてください」
実の母の声・・・
背中で聞きながら階段を上がった。
部屋に入ったら・・・
姉にしっかり抱きしめられた・・・
「今日からね。またこの部屋で一緒に寝よう。
大学決まって、いま学校に行かなくていいんだけど・・・
毎日、一緒に学校に行く。帰るときだって・・・
あの女、悠ちゃんなんかに近づけない」
ドアの外で父の声。遠慮がちに・・・
「明日香。悠を連れて来てくれないか」
母の声が続く。
「ねっ。母子なんだし・・・話だけでも・・・」
姉が答える。
「悠ちゃんは、自分を捨てた人なんかに会いたくないって言ってる。帰して!」
聞いたことのない女性の声。
きっと実の母!
「こんなに・・・」
父のうわずった声。
「失礼ですが、経済的に大変とお聞きしています。秋月さんに新しい勤め先を斡旋してもいい・・・」
姉の声がさえぎる。
「ストーカーしてたんですか?うちのこと」
静かになった。困ったようなため息が長く続く。
「明日香!」
母の声。
玄関の横開きの戸が開いた。
姉が僕の前にいる。
僕の手首を握る。玄関に引っ張り込む。
「悠!悠!」
実の母の声。ライトグレーのスーツ姿の女性がチラッと見えた。
姉が僕のこと、そのまま二階に引っ張って行った。
「すみません。悠と話をさせてください」
実の母の声・・・
背中で聞きながら階段を上がった。
部屋に入ったら・・・
姉にしっかり抱きしめられた・・・
「今日からね。またこの部屋で一緒に寝よう。
大学決まって、いま学校に行かなくていいんだけど・・・
毎日、一緒に学校に行く。帰るときだって・・・
あの女、悠ちゃんなんかに近づけない」
ドアの外で父の声。遠慮がちに・・・
「明日香。悠を連れて来てくれないか」
母の声が続く。
「ねっ。母子なんだし・・・話だけでも・・・」
姉が答える。
「悠ちゃんは、自分を捨てた人なんかに会いたくないって言ってる。帰して!」
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