4 / 42
第4話 竜胆凛華は優しい。
しおりを挟む
※
キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン。
「――起立」
チャイムと同時に日直の号令が始まる。
午前の授業が終わったことで、生徒たちは解放感に包まれていた。
そんな中、俺にちらりと目配せしてくる竜胆。
(……先に行ってるぞ)
(OK。直ぐに行くから)
アイコンタクトを交わし、俺は一足先に席を立ち教室を出た。
向かうのは1階の空き教室。
昼休みになると俺たちはここで昼食を食べていた。
同時に今のところ唯一、学校内で竜胆と会話をする場所だ。
先に到着した俺は、片付けられている机と椅子を並べると、持ってきた文庫本を広げた。
それから十分後くらい経った頃――ガラガラと、教室の扉が開かれる。
「はぁ……はぁ……ご、ごめん、お待たせ」
俺が到着してから、数分後……走ってきたのか竜胆は息を切らせながら教室に入ってきた。
「そんなに慌てなくても良かったのに。
というか、わざわざ俺の分の弁当まで作るの大変じゃないか?」
「ぜ~んぜん。
このくらいなら手間なら変わんないよ。
それにこれはあの時のお礼だから、あたしの気が済むまでこのくらいのはことはさせてほしいの」
そう言って、竜胆は弁当箱を机の上に置いた。
「こっちがキミの分ね」
二つ出された弁当箱――大きいのが俺のほうだ。
「はい、これお箸ね」
「ああ……それじゃいただきます」
「召し上がれ」
何故か嬉しそうな竜胆の声を聞きながら、俺は弁当箱を開いた。
一段目はおかずで、肉や野菜がバランス良く色とりどりに並んでいた。
二段目は鳥そぼろが掛けられたご飯だ。
早朝は学校へ行く準備で忙しいはずなのに、かなり手が込んでいる。
竜胆は自分の弁当の蓋を開くことなく、俺のことをじ~っと見ていた。
多分、食べるのを待っているのだろう。
俺は箸でからあげを掴み口に運んだ。
「どう……かな?」
正面に座る少女が、うずうずと期待に満ちた顔で笑う。
どうやら褒めてほしいようだ。
「美味いよ。ほんとに」
学園一の美少女が家庭的で実は料理上手。
こんなの出来過ぎてると思うが、恐ろしいことに現実だ。
要領良くなんでもこなせるのは才能もあるが、努力によるところも大きいだろう。
「そ、そう……美味しいって思ってくれてるんだ」
素直な言葉を口にすると、竜胆は頬を緩ませ照れくさそうに視線を下げた。
「なぁ、竜胆……もう十分、感謝の気持ちは伝わってる。
だから、これで終わりでいいんじゃないか?
俺みたいなぼっちと関わってても、竜胆にとってはメリットはないだろ?」
「あるよ!
皆友くんといるの……あたしが楽しいから」
眩しいくらいの笑顔を向けられた。
それは間違いなく竜胆の本心からの言葉で、そう言われては俺は何も言い返せなくなった。
ここで拒絶すれば俺たちの関係は簡単に終わる。
でも、それはできなかった。
これ以上の拒絶は彼女を傷付けることになると思ったから。
(……本当に……最悪だ)
俺はなんて弱い人間なのだろう。
自分が傷付くだけではなく、他人の心を傷付けるのも怖い。
「……皆友くんってさ……友達、いないよね?」
「本人にそれ言うか?
まぁ……ぼっちだけどさ」
望んでいてそうなったとしても、直接言われると少し切ない。
「友達……作ればいいのに。
本当はすごいじゃん、皆友くんってさ」
あの日、竜胆を助けたことで、俺は随分と過分な評価をされていた。
「絶対、人気者になれると思うな」
「人気者になってどうする? 面倒なだけだろ?」
「どうして? 人気者のほうが、学校だって楽しいじゃん!」
おそらく竜胆は、人気者は誰からも好かれると思っているのだろう。
だが、必ずしもそうであるとは限らない。
人には心があって、それは恨み辛み妬みの悪感情を生み出す。
だから、竜胆のように目立つ存在は羨望の眼差しを受ける一方で、自身の知らぬところで、誰かの不評を買ってしまう。
「少し前から思ってたけどさ、皆友くんってちょっと捻《 ひね》くれてる」
「かもな」
否定はしない。
それに竜胆の意見にも一定の理解はあるつもりだ。
もし人気者でいることで、何事もなく楽しく過ごせるのなら、それが一番いいだろう。
本当にコミュニケーション能力が高い人間は、嫌いな人間とも上手くやれる力を持っているかもしれないから。
「ご馳走さん」
「うん……はい、これデザートね」
デザートはフルーツの詰め合わせだ。
リンゴは兎にしてあって、とても女の子らしい。
手間暇掛けているのが一目でわかった。
「食後のお茶もどうぞ」
続けて竜胆は水筒を出して、それにお茶を注いでくれる。
そんな幸せそうな、嬉しそうな顔で俺を見ないでほしい。
思わずそう口にしそうになった。
至れり尽くせりだ。
俺なんかと関わって、何が楽しいのだろうか。
いや、楽しいというのは建前で本当に竜胆は義理堅くて、感謝の気持ちを向けてくれているだけなのだろう。
「竜胆は、女子力高すぎ女子だな」
「それ褒めてるの?」
首を傾げる竜胆に、俺は頷き返す。
「なら……ご褒美くれる?」
竜胆はおねだりする子供みたいに、上目遣いで俺を見た。
「……まぁ、俺ができることなら」
「なら……ナデてよ」
「は?」
「だからご褒美くれるなら、頭……ナデてほしいな」
突然、何を言ってるんだこいつは……。
そんな恥ずかしいことできるわけがない。
「そういうのは、恋人にしてもらえよ」
「……イジワル。いないの知ってるくせに」
なにが意地悪なのか。
そんな拗ねた顔をしないでほしい。
「せめて他のことにしてくれ」
「……なら、キスとか?」
「却下。
難易度が上がってるだろ。
あまりからかうな」
いや、ジト目を向けるな。
無理なものは無理なのだから。
「むぅ……直ぐには思いつかなそう。
ご褒美の件は考えておくから」
ニッと笑いながら、竜胆はリンゴを口に運ぶ。
一体、何を頼まれるのだろうか。
こうして昼休みは穏やかに過ぎて……。
「ご馳走様。
竜胆、そろそろ昼休みが終わる。先に戻ってくれ」
「今日も別々? 一緒でもいいじゃん」
「それは無理だ」
互いの為にならない。
というか、こいつは自分の立場をもう少し考えてほしい。
「皆友くんって、照れ屋なの?」
「そうかもな」
「ふ~ん……。
ま、何かあったらいつでも頼ってよね。
クラスの中でなら、あたしがキミを守ってあげるからさ」
それもあの日のお礼ということだろうか?
竜胆に助けてもらうつもりも、守ってもらうつもりもないけど……それでも、彼女の優しさを俺は純粋に嬉しく感じていた。
キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン。
「――起立」
チャイムと同時に日直の号令が始まる。
午前の授業が終わったことで、生徒たちは解放感に包まれていた。
そんな中、俺にちらりと目配せしてくる竜胆。
(……先に行ってるぞ)
(OK。直ぐに行くから)
アイコンタクトを交わし、俺は一足先に席を立ち教室を出た。
向かうのは1階の空き教室。
昼休みになると俺たちはここで昼食を食べていた。
同時に今のところ唯一、学校内で竜胆と会話をする場所だ。
先に到着した俺は、片付けられている机と椅子を並べると、持ってきた文庫本を広げた。
それから十分後くらい経った頃――ガラガラと、教室の扉が開かれる。
「はぁ……はぁ……ご、ごめん、お待たせ」
俺が到着してから、数分後……走ってきたのか竜胆は息を切らせながら教室に入ってきた。
「そんなに慌てなくても良かったのに。
というか、わざわざ俺の分の弁当まで作るの大変じゃないか?」
「ぜ~んぜん。
このくらいなら手間なら変わんないよ。
それにこれはあの時のお礼だから、あたしの気が済むまでこのくらいのはことはさせてほしいの」
そう言って、竜胆は弁当箱を机の上に置いた。
「こっちがキミの分ね」
二つ出された弁当箱――大きいのが俺のほうだ。
「はい、これお箸ね」
「ああ……それじゃいただきます」
「召し上がれ」
何故か嬉しそうな竜胆の声を聞きながら、俺は弁当箱を開いた。
一段目はおかずで、肉や野菜がバランス良く色とりどりに並んでいた。
二段目は鳥そぼろが掛けられたご飯だ。
早朝は学校へ行く準備で忙しいはずなのに、かなり手が込んでいる。
竜胆は自分の弁当の蓋を開くことなく、俺のことをじ~っと見ていた。
多分、食べるのを待っているのだろう。
俺は箸でからあげを掴み口に運んだ。
「どう……かな?」
正面に座る少女が、うずうずと期待に満ちた顔で笑う。
どうやら褒めてほしいようだ。
「美味いよ。ほんとに」
学園一の美少女が家庭的で実は料理上手。
こんなの出来過ぎてると思うが、恐ろしいことに現実だ。
要領良くなんでもこなせるのは才能もあるが、努力によるところも大きいだろう。
「そ、そう……美味しいって思ってくれてるんだ」
素直な言葉を口にすると、竜胆は頬を緩ませ照れくさそうに視線を下げた。
「なぁ、竜胆……もう十分、感謝の気持ちは伝わってる。
だから、これで終わりでいいんじゃないか?
俺みたいなぼっちと関わってても、竜胆にとってはメリットはないだろ?」
「あるよ!
皆友くんといるの……あたしが楽しいから」
眩しいくらいの笑顔を向けられた。
それは間違いなく竜胆の本心からの言葉で、そう言われては俺は何も言い返せなくなった。
ここで拒絶すれば俺たちの関係は簡単に終わる。
でも、それはできなかった。
これ以上の拒絶は彼女を傷付けることになると思ったから。
(……本当に……最悪だ)
俺はなんて弱い人間なのだろう。
自分が傷付くだけではなく、他人の心を傷付けるのも怖い。
「……皆友くんってさ……友達、いないよね?」
「本人にそれ言うか?
まぁ……ぼっちだけどさ」
望んでいてそうなったとしても、直接言われると少し切ない。
「友達……作ればいいのに。
本当はすごいじゃん、皆友くんってさ」
あの日、竜胆を助けたことで、俺は随分と過分な評価をされていた。
「絶対、人気者になれると思うな」
「人気者になってどうする? 面倒なだけだろ?」
「どうして? 人気者のほうが、学校だって楽しいじゃん!」
おそらく竜胆は、人気者は誰からも好かれると思っているのだろう。
だが、必ずしもそうであるとは限らない。
人には心があって、それは恨み辛み妬みの悪感情を生み出す。
だから、竜胆のように目立つ存在は羨望の眼差しを受ける一方で、自身の知らぬところで、誰かの不評を買ってしまう。
「少し前から思ってたけどさ、皆友くんってちょっと捻《 ひね》くれてる」
「かもな」
否定はしない。
それに竜胆の意見にも一定の理解はあるつもりだ。
もし人気者でいることで、何事もなく楽しく過ごせるのなら、それが一番いいだろう。
本当にコミュニケーション能力が高い人間は、嫌いな人間とも上手くやれる力を持っているかもしれないから。
「ご馳走さん」
「うん……はい、これデザートね」
デザートはフルーツの詰め合わせだ。
リンゴは兎にしてあって、とても女の子らしい。
手間暇掛けているのが一目でわかった。
「食後のお茶もどうぞ」
続けて竜胆は水筒を出して、それにお茶を注いでくれる。
そんな幸せそうな、嬉しそうな顔で俺を見ないでほしい。
思わずそう口にしそうになった。
至れり尽くせりだ。
俺なんかと関わって、何が楽しいのだろうか。
いや、楽しいというのは建前で本当に竜胆は義理堅くて、感謝の気持ちを向けてくれているだけなのだろう。
「竜胆は、女子力高すぎ女子だな」
「それ褒めてるの?」
首を傾げる竜胆に、俺は頷き返す。
「なら……ご褒美くれる?」
竜胆はおねだりする子供みたいに、上目遣いで俺を見た。
「……まぁ、俺ができることなら」
「なら……ナデてよ」
「は?」
「だからご褒美くれるなら、頭……ナデてほしいな」
突然、何を言ってるんだこいつは……。
そんな恥ずかしいことできるわけがない。
「そういうのは、恋人にしてもらえよ」
「……イジワル。いないの知ってるくせに」
なにが意地悪なのか。
そんな拗ねた顔をしないでほしい。
「せめて他のことにしてくれ」
「……なら、キスとか?」
「却下。
難易度が上がってるだろ。
あまりからかうな」
いや、ジト目を向けるな。
無理なものは無理なのだから。
「むぅ……直ぐには思いつかなそう。
ご褒美の件は考えておくから」
ニッと笑いながら、竜胆はリンゴを口に運ぶ。
一体、何を頼まれるのだろうか。
こうして昼休みは穏やかに過ぎて……。
「ご馳走様。
竜胆、そろそろ昼休みが終わる。先に戻ってくれ」
「今日も別々? 一緒でもいいじゃん」
「それは無理だ」
互いの為にならない。
というか、こいつは自分の立場をもう少し考えてほしい。
「皆友くんって、照れ屋なの?」
「そうかもな」
「ふ~ん……。
ま、何かあったらいつでも頼ってよね。
クラスの中でなら、あたしがキミを守ってあげるからさ」
それもあの日のお礼ということだろうか?
竜胆に助けてもらうつもりも、守ってもらうつもりもないけど……それでも、彼女の優しさを俺は純粋に嬉しく感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる