26 / 42
第26話 進んでいく価値
しおりを挟む
※
俺は言葉を挟むことなく、黙って彼女の話を聞き続けていた。
「あとは皆友くんが知っている通り……わたしは『あたし』になった。
スクールカーストの1軍――クラスの中心の竜胆凛華に」
自身の過去を伝え終わると、竜胆は諦めたように微笑する。
「でも、やっぱりダメみたいだね。
高校デビューはそこそこうまくいったんだけど……こんなことになっちゃった」
その顔はあまりにも悲しそうで、寂しそうで……きっと竜胆の心はずっと傷付いたままなのだろう。
「ちょっと怖いことがあると、本当の『わたし』に戻っちゃう」
入学式の前日に会った際の竜胆の様子を思い出す。
不良に絡まれて脅えきった彼女は、学校の中とは別人のようだったが、話を聞いたことで納得もいった。
イジメというトラウマ。
植え付けられた過去の痛みと恐怖が、今も竜胆の心を蝕んでいる。
「結局、変われたのは表面上だけだった。
そんなんじゃ、なんの意味もないのにね……」
これまで多くの努力を重ねてきたのだろう。
容姿の変化だけでも、それは見てとれる。
だが、努力で表面的な変化は可能でも、人の本質を変えるのは難しい。
それでも、
「意味がないなんてこと、ないだろ……竜胆はこんなにがんばってきたんだから」
「でも、あたしは今も弱いままだもん」
目に涙をためて、泣きそうなくらい弱々し声で、竜胆は溜め込んでいた弱音を吐き出していく。
「これじゃ誰も助けられない。
また、イジメに負けちゃうかもしれない」
たった一人で闘い続けて、心をすり減らして。
もう立ち上がれるはずなんてないくらいボロボロになっても、竜胆は自分の目標に向かって進み続けてきた。
「弱かったらお前は立ち上がれなかった。
『イジメ』に屈したままだったはずだ」
「でも、何も変われてない……」
「そんなことない。
というか……お前はちょっと自分に厳し過ぎだ」
言って、俺は竜胆の手を引く。
そしてベッドに座った。
「隣、座ってくれ」
「……」
竜胆は促されるままに、俺の隣に腰を下ろした。
俺たちの距離はさっきよりもずっと近い。
「竜胆はもっと自分に優しくなっていいんだ」
「それじゃ自分を甘やかしてるのと変わらないじゃん……」
「なら、竜胆が自分に優しくできない分も……俺が甘やかすからな」
手を伸ばして、俺は彼女の頭を撫でた。
「今までたくさんがんばったな」
「っ……」
驚いたみたいに、少しだけビクッと身体を震わせる。
でも拒絶はされなかった。
代わりに竜胆は唇を噛み、瞳に涙をいっぱい溜めている。
「……そんなこと、言わないで……」
「ダメだ。
お前は誰よりも傷付いてボロボロになって、それでも諦めずに一人で、こんながんばってきたんだから」
「……そんなに優しくされたら、あたし今もよりもっとダメになっちゃうよ」
「なっていい。
今は俺がいるんだから、一人でがんばる必要なんてない」
今だけは、俺は竜胆を甘やかすと決めた。
出来ることがあるなら、なんでもしてやりたい。
「もう立ち上がれなくなるかもしれない。
今までみたいに、強いふりもできなくなっちゃうよ……」
「辛かったらゆっくり休めばいい……そこで立ち止まったとしても、竜胆を責める奴なんていない」
いたとしたら、それは――多分……。
「……でも、あたしは……弱い自分が許せない」
竜胆を許すことができないのは、彼女自身だ。
「あたしがもっと強かったら、あの日――二人の関係は壊れずに済んだのに、あの子を助けることができたのに……」
イジメられたこと自体が、竜胆のトラウマなのではない。
親友を助けることができなかった。
それが最大の傷なのだろう。
「イジメが起こったのは、お前の責任じゃない」
「だとしてもあたしは……」
「竜胆――これ以上、自分を責めないでくれ」
もう一度、彼女の頭を優しく撫でた。
「お前に今必要なのは、自分自身を許してやることだ」
「ぅ……うぐっ……」
ずっと堪えていた感情が解き放たれたみたいに、竜胆の目から、ポロポロと涙が零れ落ちていく。
小さな身体で自分一人で闘い続けて……ずっと我慢していたのだろう。
「あたし、自分を許しても……いいのかな?」
「ああ」
「……こんな風に優しくされる資格、あるのかな?」
「当たりまえだ」
「あたし、がんばった、かな……?」
「こんなにボロボロになって、無理しすぎなくらいだ」
泣き顔を隠すように、竜胆は俺の胸に顔を埋める。
「痛いの……我慢してきたの」
「ならもう我慢しなくていい」
それは竜胆の本心。
「人と話すのも、本当はちょっと怖いの」
「なら、無理してがんばらなくていい」
強くなると誓ってから、誰にも見せることのできなかった弱さ。
「傷付きたくない、もうがんばりたくない……逃げ出したい……」
「逃げていい。
竜胆がつらい時、悲しい時、泣きそうな時、ずっと傍にいる」
竜胆が顔を上げた。
溢れて止まらない零れていく涙を俺はすくい、握っていた彼女の手を、ぎゅっとした。
「……でも、ね……何度、逃げだしたいって、思ってもね……」
赤くなった瞳が俺を見つめる。
真っ直ぐに、それはあまりにも愚直なほどに。
「……あたし、バカだから……こんなに痛いのに、死んじゃいたいくらいつらいのに……それでも、『イジメ』に負けたくないって、思っちゃうの……」
その想いが彼女の根底。
迷いながらも、変わることはない意志なのだとしたら、
「なら、諦めなければいい。
たくさん休んで、考えて……それでも――竜胆がまた前に進むっていうなら、『イジメ』に立ち向かうのなら――その時は俺が力になる」
竜胆が闘っているのは、絶対に勝つことのできない存在だ。
それは人ですらなく、突如生まれる現象であり、世の中に蔓延《 はびこ》る概念なのだから。
だけどそんな理屈は関係ない。
「二人で必ず『イジメ』を倒してやろう」
どうやって倒すかなんて、そんなこと今はどうでもいい。
きっとそれは長い闘いになる。
勝ち目なんて最初からない。
「……っ……うん。
皆友くん……あたしに、力を貸してください」
「もちろんだ」
それでも、俺たちと同じように苦しんでいる『誰か』の救いになるのなら、進んでいく価値があると思えたから。
俺は竜胆と一緒に闘っていくことを決めたんだ。
俺は言葉を挟むことなく、黙って彼女の話を聞き続けていた。
「あとは皆友くんが知っている通り……わたしは『あたし』になった。
スクールカーストの1軍――クラスの中心の竜胆凛華に」
自身の過去を伝え終わると、竜胆は諦めたように微笑する。
「でも、やっぱりダメみたいだね。
高校デビューはそこそこうまくいったんだけど……こんなことになっちゃった」
その顔はあまりにも悲しそうで、寂しそうで……きっと竜胆の心はずっと傷付いたままなのだろう。
「ちょっと怖いことがあると、本当の『わたし』に戻っちゃう」
入学式の前日に会った際の竜胆の様子を思い出す。
不良に絡まれて脅えきった彼女は、学校の中とは別人のようだったが、話を聞いたことで納得もいった。
イジメというトラウマ。
植え付けられた過去の痛みと恐怖が、今も竜胆の心を蝕んでいる。
「結局、変われたのは表面上だけだった。
そんなんじゃ、なんの意味もないのにね……」
これまで多くの努力を重ねてきたのだろう。
容姿の変化だけでも、それは見てとれる。
だが、努力で表面的な変化は可能でも、人の本質を変えるのは難しい。
それでも、
「意味がないなんてこと、ないだろ……竜胆はこんなにがんばってきたんだから」
「でも、あたしは今も弱いままだもん」
目に涙をためて、泣きそうなくらい弱々し声で、竜胆は溜め込んでいた弱音を吐き出していく。
「これじゃ誰も助けられない。
また、イジメに負けちゃうかもしれない」
たった一人で闘い続けて、心をすり減らして。
もう立ち上がれるはずなんてないくらいボロボロになっても、竜胆は自分の目標に向かって進み続けてきた。
「弱かったらお前は立ち上がれなかった。
『イジメ』に屈したままだったはずだ」
「でも、何も変われてない……」
「そんなことない。
というか……お前はちょっと自分に厳し過ぎだ」
言って、俺は竜胆の手を引く。
そしてベッドに座った。
「隣、座ってくれ」
「……」
竜胆は促されるままに、俺の隣に腰を下ろした。
俺たちの距離はさっきよりもずっと近い。
「竜胆はもっと自分に優しくなっていいんだ」
「それじゃ自分を甘やかしてるのと変わらないじゃん……」
「なら、竜胆が自分に優しくできない分も……俺が甘やかすからな」
手を伸ばして、俺は彼女の頭を撫でた。
「今までたくさんがんばったな」
「っ……」
驚いたみたいに、少しだけビクッと身体を震わせる。
でも拒絶はされなかった。
代わりに竜胆は唇を噛み、瞳に涙をいっぱい溜めている。
「……そんなこと、言わないで……」
「ダメだ。
お前は誰よりも傷付いてボロボロになって、それでも諦めずに一人で、こんながんばってきたんだから」
「……そんなに優しくされたら、あたし今もよりもっとダメになっちゃうよ」
「なっていい。
今は俺がいるんだから、一人でがんばる必要なんてない」
今だけは、俺は竜胆を甘やかすと決めた。
出来ることがあるなら、なんでもしてやりたい。
「もう立ち上がれなくなるかもしれない。
今までみたいに、強いふりもできなくなっちゃうよ……」
「辛かったらゆっくり休めばいい……そこで立ち止まったとしても、竜胆を責める奴なんていない」
いたとしたら、それは――多分……。
「……でも、あたしは……弱い自分が許せない」
竜胆を許すことができないのは、彼女自身だ。
「あたしがもっと強かったら、あの日――二人の関係は壊れずに済んだのに、あの子を助けることができたのに……」
イジメられたこと自体が、竜胆のトラウマなのではない。
親友を助けることができなかった。
それが最大の傷なのだろう。
「イジメが起こったのは、お前の責任じゃない」
「だとしてもあたしは……」
「竜胆――これ以上、自分を責めないでくれ」
もう一度、彼女の頭を優しく撫でた。
「お前に今必要なのは、自分自身を許してやることだ」
「ぅ……うぐっ……」
ずっと堪えていた感情が解き放たれたみたいに、竜胆の目から、ポロポロと涙が零れ落ちていく。
小さな身体で自分一人で闘い続けて……ずっと我慢していたのだろう。
「あたし、自分を許しても……いいのかな?」
「ああ」
「……こんな風に優しくされる資格、あるのかな?」
「当たりまえだ」
「あたし、がんばった、かな……?」
「こんなにボロボロになって、無理しすぎなくらいだ」
泣き顔を隠すように、竜胆は俺の胸に顔を埋める。
「痛いの……我慢してきたの」
「ならもう我慢しなくていい」
それは竜胆の本心。
「人と話すのも、本当はちょっと怖いの」
「なら、無理してがんばらなくていい」
強くなると誓ってから、誰にも見せることのできなかった弱さ。
「傷付きたくない、もうがんばりたくない……逃げ出したい……」
「逃げていい。
竜胆がつらい時、悲しい時、泣きそうな時、ずっと傍にいる」
竜胆が顔を上げた。
溢れて止まらない零れていく涙を俺はすくい、握っていた彼女の手を、ぎゅっとした。
「……でも、ね……何度、逃げだしたいって、思ってもね……」
赤くなった瞳が俺を見つめる。
真っ直ぐに、それはあまりにも愚直なほどに。
「……あたし、バカだから……こんなに痛いのに、死んじゃいたいくらいつらいのに……それでも、『イジメ』に負けたくないって、思っちゃうの……」
その想いが彼女の根底。
迷いながらも、変わることはない意志なのだとしたら、
「なら、諦めなければいい。
たくさん休んで、考えて……それでも――竜胆がまた前に進むっていうなら、『イジメ』に立ち向かうのなら――その時は俺が力になる」
竜胆が闘っているのは、絶対に勝つことのできない存在だ。
それは人ですらなく、突如生まれる現象であり、世の中に蔓延《 はびこ》る概念なのだから。
だけどそんな理屈は関係ない。
「二人で必ず『イジメ』を倒してやろう」
どうやって倒すかなんて、そんなこと今はどうでもいい。
きっとそれは長い闘いになる。
勝ち目なんて最初からない。
「……っ……うん。
皆友くん……あたしに、力を貸してください」
「もちろんだ」
それでも、俺たちと同じように苦しんでいる『誰か』の救いになるのなら、進んでいく価値があると思えたから。
俺は竜胆と一緒に闘っていくことを決めたんだ。
0
あなたにおすすめの小説
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない
七星点灯
青春
雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。
彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。
しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。
彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる