38 / 42
第38話 約束の日
しおりを挟む
※
翌日。
教室は大騒ぎになっていた。
その理由は飛世が逮捕されたからではない。
「あ~……突然だが、飛世が転校することになった」
担任の口から飛世の転校が伝えられたからだ。
やはり学校側としては、事件を表向きにすることはないらしい。
「は!? マジで!? オレ、なんも聞いてないんだけど!?」
「突然、決まったってことなんですか?」
驚きに声を上げたのは、飛世と親しくしていた山城や浦賀だけじゃない。
スクールカースト最上位にして、学年を問わず人気の高かった飛世の転校に、多くの生徒は衝撃を受けていた。
「クラスメイトの転校で騒ぎたくなる気持ちはわかるが、二十日から中間試験があるからな。
学生の本文は学業なのを忘れるなよ」
生徒たちの様子を気にしてか、真間先生は話題を変える。
「うえ!? マジで!?」
「勉強とか全然やってないよぅ……」
教室内には悲しい悲鳴が溢れ出した。
「テストに備えて日々励むように。
では、ホームルームは終わりだ。
直ぐに授業になるから、準備は済ませておけよ」
日々の生活を続ける中で、生徒たちの興味は次から次へと移っていくのだろう。
こうして、いつもの日常が始まっていくのだった。
※
それから何事もなく数日が過ぎた。
以前と同様に俺は、学校内で目立たずに過ごしている。
ちょっとした変化があったとすれば、岬が稀に俺と竜胆の関係をからかってくるくらいだろうか?
『いや、あんたらが付き合ってないとかないから……てかさ、凛華が、あんたのこと、いつも視線で追ってるの気付いてる?』
こんな感じで、今も俺たちの関係を疑われていた。
ちなみに竜胆とはふとした瞬間に目が合ってしまう。
それは互いを意識している証拠であることは理解していたのだが……それを正直に岬に伝えたら、
『やっぱラブくね?』
と、言われるに決まっている。
だから俺は、
『気のせいだろ?』
とだけ返していた。
最近では昼食を一緒に過ごすことも減っていたので、それも含めて誤魔化しが効いている。
というのも……竜胆とは夕食を共にすることになったので、彼女の負担を考えて俺の方から断ったのだ。
『気にしなくてもいいのに……』
竜胆は不満そうだったが、これで校内で多くの友人たちと一緒に過ごす時間が取れるので、彼女にとっては悪いことではないだろう。
小鳥遊などは特に竜胆と昼食の時間が取れて嬉しそうだった。
(……これでやっと当初の予定通りの高校生活が送ることができる)
竜胆との関係は深まり過ぎたくらいだが、これ以上は誰かと強い関係が生まれることは避けたい。
俺には、竜胆一人との関係を大切にしていくことだけで、精いっぱいなのだから。
※
さらに時間は過ぎて。
午後の授業が始まり教師の授業に耳を傾けていると……。
『この間の約束の事、覚えてる?』
竜胆からのメールが届いた。
『……日曜日、付き合ってほしいだけど、大丈夫かな?』
『連絡が取れたんだな』
『うん』
もしかしたら、コンタクトを取るのは難しいかもしれない。
そう考えていたのだが、こんなに早く会えることになるとは思っていなかった。
相手も竜胆と同じで……再会を望んでいたのだろうか?
『それで、待ち合わせ場所なんだけど……』
そして日曜日――俺は竜胆と、ある『施設』へ向かうことになった。
※
約束の日。
俺たちは今、電車に揺られて目的地を目指している。
心無しか竜胆の口数がいつもよりも少ない。
憂いを帯びた表情から、彼女が緊張しているのがわかる。
顔色もあまり良くないようなので、昨夜は眠れなかったのかもしれない。
「怖いか?」
「……怖くないって言ったら、嘘になっちゃうよ」
今から引き返すこともできる。
だが、竜胆はそんな選択はしないだろう。
今日を逃せばもう二度と、得られない機会かもしれないのだから。
「でも……怖いのはきっと、あの子も同じだと思う。
あたし以上に――不安を抱えてるはずだから……」
心の奥底にある決意は揺らぐことはない。
竜胆の優しく力強い眼差しを見ていれば、それは容易に理解できた。
この行動は竜胆を、そして――苦しんだもう一人の少女が過去を乗り越える為にも、必要な再会となるだろう。
「俺がいても出来ることはないかもしれないが……」
竜胆の手を握る。
すると、彼女も強く握り返して俺を見つめた。
「一緒にいてくれるだけで十分すぎるよ」
「なら、何があってもお前の傍にいる」
竜胆の選んだ選択は、彼女の心を深く傷つけるものになるかもしれない。
それをわかった上でこの勇気ある行動を取った竜胆を、俺は心から尊敬する。
「皆友くんのお陰で勇気を貰えるけど……同時に弱くなっちゃいそう」
「どうしてだ?」
「だって、優し過ぎるんだもん……。
あたし皆友くんがいてくれないと……ダメな女の子にされちゃってる」
「そんなことないだろ?」
真面目にそんなことを言ってくる竜胆に、思わず苦笑してしまう。
「そんなことあるよ……。
こうして皆友くんぶんを充電しておかないと……がんばれないもん」
言って竜胆は俺に肩を寄せてきた。
早朝の電車。
人はあまり乗っていない。
だから、恥ずかしくはないけれど……少しこそばゆい。
「俺がいなくても、竜胆は十分強いよ」
「そんなこと……」
まだ自分に自信を持ちきれないのかもしれない。
でも、竜胆は一つ勘違いしている。
俺たちは、互いに互いを必要としている。
「それに俺が傍にいることで、竜胆が強くいられるなら……いなくなった時のことなんて、考えなくていい」
遠回しになるけれど、これからも一緒にいると伝えたその言葉は、
「……うん」
しっかりと竜胆に伝わったのか、彼女は照れ笑いを浮かべた。
翌日。
教室は大騒ぎになっていた。
その理由は飛世が逮捕されたからではない。
「あ~……突然だが、飛世が転校することになった」
担任の口から飛世の転校が伝えられたからだ。
やはり学校側としては、事件を表向きにすることはないらしい。
「は!? マジで!? オレ、なんも聞いてないんだけど!?」
「突然、決まったってことなんですか?」
驚きに声を上げたのは、飛世と親しくしていた山城や浦賀だけじゃない。
スクールカースト最上位にして、学年を問わず人気の高かった飛世の転校に、多くの生徒は衝撃を受けていた。
「クラスメイトの転校で騒ぎたくなる気持ちはわかるが、二十日から中間試験があるからな。
学生の本文は学業なのを忘れるなよ」
生徒たちの様子を気にしてか、真間先生は話題を変える。
「うえ!? マジで!?」
「勉強とか全然やってないよぅ……」
教室内には悲しい悲鳴が溢れ出した。
「テストに備えて日々励むように。
では、ホームルームは終わりだ。
直ぐに授業になるから、準備は済ませておけよ」
日々の生活を続ける中で、生徒たちの興味は次から次へと移っていくのだろう。
こうして、いつもの日常が始まっていくのだった。
※
それから何事もなく数日が過ぎた。
以前と同様に俺は、学校内で目立たずに過ごしている。
ちょっとした変化があったとすれば、岬が稀に俺と竜胆の関係をからかってくるくらいだろうか?
『いや、あんたらが付き合ってないとかないから……てかさ、凛華が、あんたのこと、いつも視線で追ってるの気付いてる?』
こんな感じで、今も俺たちの関係を疑われていた。
ちなみに竜胆とはふとした瞬間に目が合ってしまう。
それは互いを意識している証拠であることは理解していたのだが……それを正直に岬に伝えたら、
『やっぱラブくね?』
と、言われるに決まっている。
だから俺は、
『気のせいだろ?』
とだけ返していた。
最近では昼食を一緒に過ごすことも減っていたので、それも含めて誤魔化しが効いている。
というのも……竜胆とは夕食を共にすることになったので、彼女の負担を考えて俺の方から断ったのだ。
『気にしなくてもいいのに……』
竜胆は不満そうだったが、これで校内で多くの友人たちと一緒に過ごす時間が取れるので、彼女にとっては悪いことではないだろう。
小鳥遊などは特に竜胆と昼食の時間が取れて嬉しそうだった。
(……これでやっと当初の予定通りの高校生活が送ることができる)
竜胆との関係は深まり過ぎたくらいだが、これ以上は誰かと強い関係が生まれることは避けたい。
俺には、竜胆一人との関係を大切にしていくことだけで、精いっぱいなのだから。
※
さらに時間は過ぎて。
午後の授業が始まり教師の授業に耳を傾けていると……。
『この間の約束の事、覚えてる?』
竜胆からのメールが届いた。
『……日曜日、付き合ってほしいだけど、大丈夫かな?』
『連絡が取れたんだな』
『うん』
もしかしたら、コンタクトを取るのは難しいかもしれない。
そう考えていたのだが、こんなに早く会えることになるとは思っていなかった。
相手も竜胆と同じで……再会を望んでいたのだろうか?
『それで、待ち合わせ場所なんだけど……』
そして日曜日――俺は竜胆と、ある『施設』へ向かうことになった。
※
約束の日。
俺たちは今、電車に揺られて目的地を目指している。
心無しか竜胆の口数がいつもよりも少ない。
憂いを帯びた表情から、彼女が緊張しているのがわかる。
顔色もあまり良くないようなので、昨夜は眠れなかったのかもしれない。
「怖いか?」
「……怖くないって言ったら、嘘になっちゃうよ」
今から引き返すこともできる。
だが、竜胆はそんな選択はしないだろう。
今日を逃せばもう二度と、得られない機会かもしれないのだから。
「でも……怖いのはきっと、あの子も同じだと思う。
あたし以上に――不安を抱えてるはずだから……」
心の奥底にある決意は揺らぐことはない。
竜胆の優しく力強い眼差しを見ていれば、それは容易に理解できた。
この行動は竜胆を、そして――苦しんだもう一人の少女が過去を乗り越える為にも、必要な再会となるだろう。
「俺がいても出来ることはないかもしれないが……」
竜胆の手を握る。
すると、彼女も強く握り返して俺を見つめた。
「一緒にいてくれるだけで十分すぎるよ」
「なら、何があってもお前の傍にいる」
竜胆の選んだ選択は、彼女の心を深く傷つけるものになるかもしれない。
それをわかった上でこの勇気ある行動を取った竜胆を、俺は心から尊敬する。
「皆友くんのお陰で勇気を貰えるけど……同時に弱くなっちゃいそう」
「どうしてだ?」
「だって、優し過ぎるんだもん……。
あたし皆友くんがいてくれないと……ダメな女の子にされちゃってる」
「そんなことないだろ?」
真面目にそんなことを言ってくる竜胆に、思わず苦笑してしまう。
「そんなことあるよ……。
こうして皆友くんぶんを充電しておかないと……がんばれないもん」
言って竜胆は俺に肩を寄せてきた。
早朝の電車。
人はあまり乗っていない。
だから、恥ずかしくはないけれど……少しこそばゆい。
「俺がいなくても、竜胆は十分強いよ」
「そんなこと……」
まだ自分に自信を持ちきれないのかもしれない。
でも、竜胆は一つ勘違いしている。
俺たちは、互いに互いを必要としている。
「それに俺が傍にいることで、竜胆が強くいられるなら……いなくなった時のことなんて、考えなくていい」
遠回しになるけれど、これからも一緒にいると伝えたその言葉は、
「……うん」
しっかりと竜胆に伝わったのか、彼女は照れ笑いを浮かべた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる