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10 心酔
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ー2023.5/13 ー
いつもと違う朝が来た。
「幸佑、おはよう!」
「うん、蛍ちゃんおはよ。」
僕達はいつも一緒に登校している。
僕は歩くのが遅いから、
別々に登校しようっと言ったが
『何言ってんの!早く行くよ!』
と僕にお構い無しで腕を引っ張っていく。
けれど、彼女はいつも
僕の歩く歩幅を合わせてくれる。
それは彼女が僕を気遣って
一人になることを避けていたから。
強引そうに見えて
人一倍優しさがある人だ。
「どうしたの?笑 やけに機嫌がいいな。」
「えっ、」
「だって声のトーンいつもより明らかに高いよ。笑
顔色もいつもよりいいし。
何かいい事でもあった?」
言ってもいいのだろうか。
昨日から付き合っている人がいるって。
けれど、皆のものである彼を
僕なんかが隣に立っているっと
勝手に伝えてもいいものだろうか。
本来ならおこがましいはずだ。
こんな奇跡、
例え天地がひっくりかえったとしても
起きることがないはずの奇跡が起きたのだから。
誰かに言いたい。
蛍ちゃんなら言ってもいいかな。
ずっと一緒に僕と居てくれた
彼女ならきっと笑って背中を押してくれる。
そういう人だ。
僕がお願いしたことはいつも叶えたくれた。
だからきっと今回も、
『彼女 君のことが好きなのに。』
彼が言ったあの言葉、
それは本当なのだろうか。
「…ねぇ、蛍ちゃん。」
「ん?」
「僕達って、“友達”だよね?」
「えっ、まぁ そうだけど。急にどうしたの?」
「蛍ちゃんはさ、誰かを好きになったこと ある?」
「…ま、まぁ、あるけど…」
「それってさ、どんな感じ?」
「どんな感じって…別に普通だよ。
普通にドキドキしたり、
一緒にいて楽しいって思ったり、
恋愛ってそういうものなんじゃないの?」
「…そんな簡単でいいの?」
「幸佑にとって人を好きになるって違うの?」
「…よく分からない。
今まで自分として人と関わってこなかったし、
周りもそれを望んでいるように思えなかったから。
…けど、最近は少し分かったような気がする。
人を好きになるってこと。」
「なにそれ。笑
まるで今まで人を好きになったことないみたい、」
「そうだよ。」
「へっ、?」
「僕は今まで家族ですら愛したことがないんだ。
でも、ある人が教えてくれてね。
その人は僕やみんなの神様みたいな存在で、
みんなを“平等”に愛してくれる人なんだ。
その人が言ったんだ、
『人の感情なんて所詮、
人間が自らの物差しで計って
できたものに過ぎない』 って
だから、例え言葉にできなくても
僕自身の考え方で決めていいんだって。
それにこの姿の僕を…ありのままの僕をみても
彼は引かないで受け入れてくれた。
それどころか僕の呪いごと
『愛してあげる』って言ってくれたんだ。
それが凄く嬉しかったんだ。」
「…何それ」
「人を好きになるって
とっても幸せな事だったんだね。
きっと、この人らしい感情そのものを
“彼”が僕にくれたんだ。」
「“彼”?ちょ、っ、ちょっと、
まって…どういうこと?」
「あっ、ごめんね。
回りくどい言い方をしちゃった。
つまりね、僕 生まれて初めて
好きな人ができたんだ。」
「…好きな人…」
「うん。昨日から付き合い始めたんだ。」
「えっ、まって、頭の整理がつかない。」
少しの間 僕達の間に沈黙が流れた。
蛍ちゃんになるべくわかりやすいように
言ったつもりだったけど…
やっぱり最初に長々と話さず結果だけを
まとめて言った方が良かったのだろうか。
蛍ちゃんだからこそ、
端折らないでちゃんと話した方がいいと
思ったんだけど、逆効果だったか。
「ごめんね蛍ちゃん。
僕コミ力なくて、説明不足だったかな。
何か分からないことがあったら言ってk_」
「_んないよ」ボソッ
「え?」
「わかんないよ!一つも!!!
何も分からない!!!」
なんでそんなに辛そうな顔をするんだ?
「人を好きになったことないって何!!!
お母さんのことも!!?
あたしの事も!!?」
「違うよ。
愛って色んなものがあるんでしょ?
僕が言っているのは人を愛する気持ちのことだよ。
蛍ちゃんは僕の大事な友達だよ。
“ただ1人”のね。」
なんでこんなに苦しそうに訴えてくるんだ。
僕はただ一人の友人として
君と喜びを分かち合いたかっただけなのに。
「......“彼”って言ってたよね?
その人って“男”の人なの?」
「そうだけど。」
「...幸佑って男の人が好きだったの?」
「...なんでそんなつまらないことを聞くの?」
「だって、中学の時は女の子と付き合ってたじゃん!」
「どうでもいいよ。性別なんて。」
「へっ、?」
「例え彼が女だろうと、
花や泥だったとしても
僕に災いをもたらす“死神”だったとしても
きっと、この感情だけは変わらないと思う。
だからどうでもいいよ。」
なんでこんなにもつまらないことを聞くんだ。
君はそんなにつまらない人じゃないだろう?
どんな情けない僕も友達として
受け入れてくれたじゃないか。
なのになんで今更
彼を侮辱するような言い方をするんだ。
「……っでも、その人おかしいよ!」
「おかしい?だれが?」
「だって、みんなを平等に愛してるんでしょ?
特別が、“たった一人”がいないんでしょ!?
それって誰も愛していないってことじゃん!!!」
あぁ、
「そうだね。
きっと彼は僕のことを一人の人間として
みていないだろうね。
大勢の中の数ある一人、
でもそんなこと分かってるよ。 」
まただ。
また昨日の感情が僕を襲う。
感情が、身体が、言うことを聞かなくなる_
僕が僕じゃない、化け物になっていく_
けれど、昨日とは少し違う。
なんだろう、この感情。
僕が母親に抱いている感情、
大切に思っていたはずの人に
突然 見ず知らずの“赤の他人”に思える
あの時と似ている。
けれど、今までと違うのは
「じゃあなんで_」
“彼”を侮辱する事への
“怒り”そのものだということ。
「彼が僕を受け入れてれたんだ。
受け入れて、隣に置いてもいいと言ってくれた。
偶像である彼が!!!
皆のものである彼自身が!!!
それだけで僕の短い人生
捨てたもんじゃないって思えるんだ。
呪いでできてる僕にも
価値があったんだって。
生゛ぎてでよがったっ゛て!!!!
だからいいんだ。
彼にとってのたった一人に
なれなかったとしても、
僕にとって彼は
“たった一人”だから。」
この胸の鼓動が、“心臓”が反応したんだ。
“彼”だって。
「…私だって、貴方を受け入れたよ。」
やめてくれ、
「貴方とずっと一緒にいたよ?
そばにいたよ!!!」
これ以上僕を失望させないでくれ。
「私と彼…何が違うの?」
僕がまだ人(友達)として見えているうちに_
「蛍ちゃん、
蛍ちゃんは僕の
“友達”だよ。
僕の“ただ”一人のね。」
「ひゅ゛、っ、...」
僕の顔を見て脅えている。
今まで僕に向けたことがない目で
まるで怪物にでも襲われたかのように。
「だから話したんだ。
大切な友達だから。
君なら僕を応援してくれるって信じてたから。
...けど、違った。」
でも、僕は誇らしかった。
「あの時、君は確かに受け入れてくれたよ。
『呪われている』“本当の僕”を
けれど君は今の僕を見てどう思った?
そんなに泣きそうな顔をする程
僕が恐ろしいか、?
こんな僕を見て今までと同じように接せれる?
彼が教えてくれたんだ。
僕とはまた別の“僕”を
その上で、嫌な顔一つせず笑ってくれた
僕のこの足にキスをしてくれた。
この事実だけで、
僕は自分を少し認められたんだ。」
君があの日、
僕を連れ出してくれて
本当に感謝しているよ。
きっと君がいなければ
僕は彼に会うことすら、
できなかったのだから。
だからこそ、
僕の期待を裏切らないでよ。
「ねぇ… 蛍ちゃん。
蛍ちゃんは、
僕のこと、
好きじゃないよね?」
「...…なんでそんなことを聞くの。」
震えながら、何とか絞り出した微かな声。
「彼が言ったんだ。
君は僕のことが好きだって。」
「...なんて答えたの」
「ありのまま話したよ。
僕達は幼馴染であって、“友達”だって。」
その言葉で彼女は泣き出してしまった。
なぜ泣くんだ。
そんなに僕が恐ろしいのかい?
それとも本当に、
君は僕のことを友達以外として
接していたってこと、?
もしそうだったとしたら、
僕は彼女の気も何も知らずに
接していたってことか?
それはあまりにも、
僕にとって、
残酷なことじゃないか。
「あっ、あたし...は...」
「蛍ちゃん、
もう一度聞くね。
僕達って、
“トモダチ”だよね?」
彼女の目から光が消えた。
その顔を僕は知っている。
なにかに絶望をし、
諦めた時に人はその顔をする。
その顔は僕がこの世に生まれてから
何度も味わった苦しみだから。
「...う゛、う゛んっ゛、」
「よかった。」
彼女の後ろにある小さなカーブミラー
そこには僕が映っていた。
あぁ、
なんて顔をしているんだ。
誰かを愛すると
人は変わってしまうと、
どこかで聞いたことがある。
なんておぞましく、
なんて
愛おしいんだ。
やっと、
自分を愛せたようなきがする。
彼を愛しく思う気持ちが、
自分自身をも大切に思えるなんて。
「ありがとう、蛍ちゃん。」
僕にこの感情を気がつかせてくれて_
「これからもずっーと、 友達だよ。」
いつもと違う朝が来た。
「幸佑、おはよう!」
「うん、蛍ちゃんおはよ。」
僕達はいつも一緒に登校している。
僕は歩くのが遅いから、
別々に登校しようっと言ったが
『何言ってんの!早く行くよ!』
と僕にお構い無しで腕を引っ張っていく。
けれど、彼女はいつも
僕の歩く歩幅を合わせてくれる。
それは彼女が僕を気遣って
一人になることを避けていたから。
強引そうに見えて
人一倍優しさがある人だ。
「どうしたの?笑 やけに機嫌がいいな。」
「えっ、」
「だって声のトーンいつもより明らかに高いよ。笑
顔色もいつもよりいいし。
何かいい事でもあった?」
言ってもいいのだろうか。
昨日から付き合っている人がいるって。
けれど、皆のものである彼を
僕なんかが隣に立っているっと
勝手に伝えてもいいものだろうか。
本来ならおこがましいはずだ。
こんな奇跡、
例え天地がひっくりかえったとしても
起きることがないはずの奇跡が起きたのだから。
誰かに言いたい。
蛍ちゃんなら言ってもいいかな。
ずっと一緒に僕と居てくれた
彼女ならきっと笑って背中を押してくれる。
そういう人だ。
僕がお願いしたことはいつも叶えたくれた。
だからきっと今回も、
『彼女 君のことが好きなのに。』
彼が言ったあの言葉、
それは本当なのだろうか。
「…ねぇ、蛍ちゃん。」
「ん?」
「僕達って、“友達”だよね?」
「えっ、まぁ そうだけど。急にどうしたの?」
「蛍ちゃんはさ、誰かを好きになったこと ある?」
「…ま、まぁ、あるけど…」
「それってさ、どんな感じ?」
「どんな感じって…別に普通だよ。
普通にドキドキしたり、
一緒にいて楽しいって思ったり、
恋愛ってそういうものなんじゃないの?」
「…そんな簡単でいいの?」
「幸佑にとって人を好きになるって違うの?」
「…よく分からない。
今まで自分として人と関わってこなかったし、
周りもそれを望んでいるように思えなかったから。
…けど、最近は少し分かったような気がする。
人を好きになるってこと。」
「なにそれ。笑
まるで今まで人を好きになったことないみたい、」
「そうだよ。」
「へっ、?」
「僕は今まで家族ですら愛したことがないんだ。
でも、ある人が教えてくれてね。
その人は僕やみんなの神様みたいな存在で、
みんなを“平等”に愛してくれる人なんだ。
その人が言ったんだ、
『人の感情なんて所詮、
人間が自らの物差しで計って
できたものに過ぎない』 って
だから、例え言葉にできなくても
僕自身の考え方で決めていいんだって。
それにこの姿の僕を…ありのままの僕をみても
彼は引かないで受け入れてくれた。
それどころか僕の呪いごと
『愛してあげる』って言ってくれたんだ。
それが凄く嬉しかったんだ。」
「…何それ」
「人を好きになるって
とっても幸せな事だったんだね。
きっと、この人らしい感情そのものを
“彼”が僕にくれたんだ。」
「“彼”?ちょ、っ、ちょっと、
まって…どういうこと?」
「あっ、ごめんね。
回りくどい言い方をしちゃった。
つまりね、僕 生まれて初めて
好きな人ができたんだ。」
「…好きな人…」
「うん。昨日から付き合い始めたんだ。」
「えっ、まって、頭の整理がつかない。」
少しの間 僕達の間に沈黙が流れた。
蛍ちゃんになるべくわかりやすいように
言ったつもりだったけど…
やっぱり最初に長々と話さず結果だけを
まとめて言った方が良かったのだろうか。
蛍ちゃんだからこそ、
端折らないでちゃんと話した方がいいと
思ったんだけど、逆効果だったか。
「ごめんね蛍ちゃん。
僕コミ力なくて、説明不足だったかな。
何か分からないことがあったら言ってk_」
「_んないよ」ボソッ
「え?」
「わかんないよ!一つも!!!
何も分からない!!!」
なんでそんなに辛そうな顔をするんだ?
「人を好きになったことないって何!!!
お母さんのことも!!?
あたしの事も!!?」
「違うよ。
愛って色んなものがあるんでしょ?
僕が言っているのは人を愛する気持ちのことだよ。
蛍ちゃんは僕の大事な友達だよ。
“ただ1人”のね。」
なんでこんなに苦しそうに訴えてくるんだ。
僕はただ一人の友人として
君と喜びを分かち合いたかっただけなのに。
「......“彼”って言ってたよね?
その人って“男”の人なの?」
「そうだけど。」
「...幸佑って男の人が好きだったの?」
「...なんでそんなつまらないことを聞くの?」
「だって、中学の時は女の子と付き合ってたじゃん!」
「どうでもいいよ。性別なんて。」
「へっ、?」
「例え彼が女だろうと、
花や泥だったとしても
僕に災いをもたらす“死神”だったとしても
きっと、この感情だけは変わらないと思う。
だからどうでもいいよ。」
なんでこんなにもつまらないことを聞くんだ。
君はそんなにつまらない人じゃないだろう?
どんな情けない僕も友達として
受け入れてくれたじゃないか。
なのになんで今更
彼を侮辱するような言い方をするんだ。
「……っでも、その人おかしいよ!」
「おかしい?だれが?」
「だって、みんなを平等に愛してるんでしょ?
特別が、“たった一人”がいないんでしょ!?
それって誰も愛していないってことじゃん!!!」
あぁ、
「そうだね。
きっと彼は僕のことを一人の人間として
みていないだろうね。
大勢の中の数ある一人、
でもそんなこと分かってるよ。 」
まただ。
また昨日の感情が僕を襲う。
感情が、身体が、言うことを聞かなくなる_
僕が僕じゃない、化け物になっていく_
けれど、昨日とは少し違う。
なんだろう、この感情。
僕が母親に抱いている感情、
大切に思っていたはずの人に
突然 見ず知らずの“赤の他人”に思える
あの時と似ている。
けれど、今までと違うのは
「じゃあなんで_」
“彼”を侮辱する事への
“怒り”そのものだということ。
「彼が僕を受け入れてれたんだ。
受け入れて、隣に置いてもいいと言ってくれた。
偶像である彼が!!!
皆のものである彼自身が!!!
それだけで僕の短い人生
捨てたもんじゃないって思えるんだ。
呪いでできてる僕にも
価値があったんだって。
生゛ぎてでよがったっ゛て!!!!
だからいいんだ。
彼にとってのたった一人に
なれなかったとしても、
僕にとって彼は
“たった一人”だから。」
この胸の鼓動が、“心臓”が反応したんだ。
“彼”だって。
「…私だって、貴方を受け入れたよ。」
やめてくれ、
「貴方とずっと一緒にいたよ?
そばにいたよ!!!」
これ以上僕を失望させないでくれ。
「私と彼…何が違うの?」
僕がまだ人(友達)として見えているうちに_
「蛍ちゃん、
蛍ちゃんは僕の
“友達”だよ。
僕の“ただ”一人のね。」
「ひゅ゛、っ、...」
僕の顔を見て脅えている。
今まで僕に向けたことがない目で
まるで怪物にでも襲われたかのように。
「だから話したんだ。
大切な友達だから。
君なら僕を応援してくれるって信じてたから。
...けど、違った。」
でも、僕は誇らしかった。
「あの時、君は確かに受け入れてくれたよ。
『呪われている』“本当の僕”を
けれど君は今の僕を見てどう思った?
そんなに泣きそうな顔をする程
僕が恐ろしいか、?
こんな僕を見て今までと同じように接せれる?
彼が教えてくれたんだ。
僕とはまた別の“僕”を
その上で、嫌な顔一つせず笑ってくれた
僕のこの足にキスをしてくれた。
この事実だけで、
僕は自分を少し認められたんだ。」
君があの日、
僕を連れ出してくれて
本当に感謝しているよ。
きっと君がいなければ
僕は彼に会うことすら、
できなかったのだから。
だからこそ、
僕の期待を裏切らないでよ。
「ねぇ… 蛍ちゃん。
蛍ちゃんは、
僕のこと、
好きじゃないよね?」
「...…なんでそんなことを聞くの。」
震えながら、何とか絞り出した微かな声。
「彼が言ったんだ。
君は僕のことが好きだって。」
「...なんて答えたの」
「ありのまま話したよ。
僕達は幼馴染であって、“友達”だって。」
その言葉で彼女は泣き出してしまった。
なぜ泣くんだ。
そんなに僕が恐ろしいのかい?
それとも本当に、
君は僕のことを友達以外として
接していたってこと、?
もしそうだったとしたら、
僕は彼女の気も何も知らずに
接していたってことか?
それはあまりにも、
僕にとって、
残酷なことじゃないか。
「あっ、あたし...は...」
「蛍ちゃん、
もう一度聞くね。
僕達って、
“トモダチ”だよね?」
彼女の目から光が消えた。
その顔を僕は知っている。
なにかに絶望をし、
諦めた時に人はその顔をする。
その顔は僕がこの世に生まれてから
何度も味わった苦しみだから。
「...う゛、う゛んっ゛、」
「よかった。」
彼女の後ろにある小さなカーブミラー
そこには僕が映っていた。
あぁ、
なんて顔をしているんだ。
誰かを愛すると
人は変わってしまうと、
どこかで聞いたことがある。
なんておぞましく、
なんて
愛おしいんだ。
やっと、
自分を愛せたようなきがする。
彼を愛しく思う気持ちが、
自分自身をも大切に思えるなんて。
「ありがとう、蛍ちゃん。」
僕にこの感情を気がつかせてくれて_
「これからもずっーと、 友達だよ。」
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