死んでもお前の恋人にならない!!!

桜崎 零(サクラザキ レイ)

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19 ちょっとセンセーをお借りします

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「待て待て待て待て!!降せ黒岩!!!」

「やだね。俺を避けたセンセーが悪い。」

「だからって、職員会議中に拉致することないだろぉぉぉおおお!!!!」

何故俺は拉致られているのだろう…。
遡ること2週間前のこと。黒岩に“覚悟しとけ”っと言われた次の日から、俺は学校に着く朝から放課後までの全休み時間こいつに付きまとわれた。学生の休み時間は基本10分程度だが、大体は教室を移動したりしなきゃいけないため、正確にはたった5分という学生にとっては貴重な休みなのだろう。それなのに奴はたった5分だというのに、授業が終わる瞬間から教室を飛び出し、どこにいたって俺の所まで来る。そこまで俺に会いに来て話すことはなんだと思う?
内容は、

『センセーってどんな人がタイプなの?』
『センセーの誕生日っていつ?』
『センセー髪切った?』
『センセー可愛い♡』
『センセー好き♡』

などなどと、どれもくだらない内容ばかりだ。だが、これはまだマシな方。昼休みや放課後などは別だ。
昼食を食べる時は大抵職員室で食べていたのだが、こいつに付きまとわれてからは、毎回毎回屋上に連れていかれる。その上黒岩は弁当箱を2つ用意しだし、片方の弁当を俺に押し付けてくる。

「いらない。」

と言ったのだが、

「センセーのために頑張って作ったのに…。」

と奴はしょげだし、残すのももったいないと考え、俺は仕方なく食べた。決して黒岩が可哀想に見えたからでは無い!!そして腹立たしいことに、奴が作った弁当が美味かった。どうやって作ったのか聞こうと思ったが、それだと奴に美味いとわざわざ褒めている気がして癪だったため聞くのを辞めた。
そして放課後…。奴は教室に誰もいなくなったことを確認し、鍵を閉めてる。何を言い出すのかと思えば、奴は俺にキス(ディープキス)を要求してきた。もちろん俺は断った。嫌いなガキにキスをするほど、性癖は腐っていないんでね。だが、奴はなんて言ったと思う?

「上の口がダメなら、下の口にキスするけど。どっちがいい?」

そう…。脅してきたのだ。『脅して手に入れても嫌だ。』とか『大切にしていきたい。』などとほざいていた奴はどこへ行ったのだろう…。
おっと。ここで勘違いをされないために言っておくが、俺は決して「いい。」なんて言ってないぞ。俺はあくまで、脅されて無理やり同意させられた可哀想な被害者なんだ。
まぁ、相手は黒岩だ。結果なんざ見えている…。奴は俺の話なんざ聴くわけもなく、哀れな俺はさせるがままになってしまった……。

いいか?こんな生活が1週間続いたんだぞ?おかげで俺は奴に胃袋を掴まれた上、もうすぐ中間テストだっていうのに、テストが半分も出来ていない…。テストまで1週間半…。このままではまずいと考えた俺は、あることを実行する。そう、奴から避けることだ。テストが出来上がるまで、俺は一生頼むことはないと考えていた副担の川名に授業を任せた。幸い、テスト範囲は終わっていたため授業は自習だっが、案の定、川名からは食事の誘いをされた…。もちろん、俺は行きたくなかったが優先度的に仕事のことを考え、俺は渋々了承した…。他には、奴が探しに来そうな所を想定し、そこへは近づかないようにして逃れていた。

黒岩と話さなくなって1週間。おかげでまともな生活を送れ、無事テストも仕上がった。テストは3日後、本当に危なかった。俺はほっと一安心したが、また明日から黒岩に追われる日々を送ると思うと安心は不安に変わり、頭が痛くなる。残された時間を快適に過ごそう…。そう…平和な時間を…。
おっと、もうこんな時間か。そろそろ準備しないと。放課後から職員会議があり、内容はもちろん中間テストのことについてだ。

「職員会議始めます。」

会議は淡々と進み10分経過した頃、突然悪寒を感じた…。何かがこちらに向かってくる気がする…。逃げなければ!!そう思ったのも束の間、

ーバンッ!!!
後ろの方でものすごい音で扉が開くのが聞えた。職員全員の視線が後ろへ向いている。俺は後ろを振り向くことが出来ない…。振り向いてしまったら、何もかも終わりな気がする…。

「君、今は会議中だ!今すぐ出ていきなさい!」

教頭が声をかけたが、後ろいる人物はお構い無しに職員室へ入ってくる。足音はずしずしと近づいてくる…。その音がピタッと止むと、俺の前に大きな影が表れた…。俺は意を決して恐る恐る振り返る…。そこにいた人物は、この世のものとは思えないほどの表情をしていた…。

「…く、くろ…いわ…。」

名前を呼んだが、返答がない…。その代わりに奴は、ただただじっとこちらを見ている。

「…ま、まて!話せばわかる!!」

俺は奴を落ち着かせようとした…。命の危機を感じたのだ。だが、黒岩にそんなことが通用するわけもなく、奴は話を聞かずに俺を持ち上げて担いだ。

「…へっ?」

「ちょっとセンセーをお借りします。」

そう黒岩は一言だけ言い、ものすごいスピードで走り去った。さすがバスケ部の主将、足の速さはピカイチって感心している場合じゃない!!どうにかして戻らないと!!!









そして今に至る…。
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