彼女がこの世界から消える日

プロローグ

４

　授業が終わり、僕は別々の授業で一緒になった陽菜を待っていた……
　
「お待たせ～」
「遅いぞ陽菜！」
「え～そんなに私とのデート楽しみにしてたの～？」

　悪戯っぽい笑みで僕を見つめてくる

「デート？　カツアゲの間違いじゃないのか？」
「ひどいなぁ～」

　陽菜とは小学生の頃まで近所だったのだが、たまたま大学で再開して家にまでくるようになったのだ
　今やうちの両親公認だ
　合鍵まで渡して家のセキュリティー大丈夫かよ
　それにしても…
　昔の事を思い出すと僕は小学生の頃彼女の事が好きだった…
　理由は一緒に居て落ち着くからだ　
　特に話し方や仕草が好きだった

「何でこうなったのか…」
「え？なに…突然…」
「いや、昔の事を思い出してな…昔のお前は可愛いかったのになぁ～って」
「……一翔はさ…黒髪の方が好き？」
「黒髪清楚は男の理想だ！」
「一翔も？」
「ついでに僕は巨乳が好きだ」

　陽菜は蔑むような目で僕を見ている
　因みにいうと陽菜は慎ましやかなのは黙っておく

「変な暴露は置いといて…」
「おいとくなよ！大事なことだぞ！」
「どうなの？」
「巨乳が好きだ…」
「……」

　答えろと言わんばかりの表情をしている…

「どうなんだろ？　って拳を構えるな！」
「どっち！？」
「本当にどっちでもいいんだ！」
「どちらかと言えば！？」

　食いつくように僕に迫ってくる

「うーん……」

　迷うなぁ～

　正直言うとどちらでも好きになった相手なら見た目はどうでもいいのだ

　不意に陽菜を見る…

　綺麗になったよなぁ～
　
　綺麗に染まった金髪に巻いているのかフワッとした髪の毛…
　元々綺麗だったのに最近ではさらに綺麗になっていた

「陽菜には……今の方がしっくりくるんだよなぁ～」
　
　彼女は顔をみるみる真っ赤になり顔を隠す…　

「ふぅん、そうなんだ」
「まぁ、見慣れてるってのもあるかもだけどな」
「あ～あ、取り敢えず店にいこ！」
「りょ～かい」

　そう言って駅前のパフェに向かうのだった