黒猫少女

いっき

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いつもの公園のベンチ。
僕は期末試験の国語が今までとったことのないくらいよい点数だったとルナ…いや、江本に報告した。
江本の点数を聞くと、僕は自分の喜んでいた点数が恥ずかしくなってしまうわけだけど…。
江本ルナは、僕にノートを一冊渡した。
「おまちかねの、『黒猫少女』よ。」
眼鏡をかけていないルナは、ニコッと笑う。
可愛い。
でも、この素顔は僕だけの秘密にしよう。
そう思った。
『黒猫少女』を読み始めると、僕は物語に吸い込まれるように没頭した。
オレンジ色の夕焼けの下、『黒猫少女』に夢中になる僕の隣で、黒猫のハルはすやすやと眠っていた。
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