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紅&克也編〜2〜
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アーサーでのバイト中、紅はずっと不機嫌だった。それは勿論……精一杯にシカトを決め込んでいるのに、ずっと鬱陶しく絡んでくるこいつの所為。
「なぁ、紅。本当にあいつと付き合ってんのか?」
まるで、「俺の方がイケてるのに……」と言わんばかりの口調で尋ねてくる。
もう、これで何回目だろう? 紅はうんざりして、プイッとそっぽを向いた。
こいつ……勝は仕事の間中、こうやって自分に絡んできて、よく知りもしない克也の悪口ばかり言う。ハムスターの餌やりも真面目にやらないし、仕事をまともに覚える気もなさそうだ。
本来なら小動物達に囲まれるバイトの時間は、楽しくて癒しの時間のはずだった。なのに、どうして不快な想いをしなければならないんだろう……そんなことを考えて、彼女は大きな溜息を吐いた。
こいつ、もしかして……克也の言うとおり、本当に自分がいることを嗅ぎつけて、このバイトを始めたのだろうか。
(だとしたら、キモい……本気で引くんだけど)
紅は露骨に顔をしかめる。
しかし、そんな彼女の気持ちなぞそ知らぬ顔で、勝はなおも誘ってきた。
「この後……バイト後って、空いてる?」
「空いてない!」
「折角、久しぶりに再会したんだし、飯でも行かねぇ? 奢ってやるし」
断ってるのに、それを気にも留めない言葉に脱力して、何も答える気が起こらなかった。
(もう嫌、こいつ。助けて……)
そんな、声にならない叫びを頭の中で反芻させた……そんな時だった。店の自動ドアが開く音とともに、紅の一番安心できるその声が響いた。
「紅!」
「克也……」
爽やかな髪型をした眼鏡の彼を認めた途端、彼女の顔はパァッと輝く。
「店頭のミドリガメ! 見せてくれますか? 飼ってみたくて」
「ええ、もちろん!」
紅はさっさと彼の元へ走り去る。
「おい、ちょっと……」
勝は彼女を呼び止めようとしたけれど……
「あの……ハムスター、見せてくれませんか?」
グッドタイミングで、小さなお客様が彼に声をかけてきた。それは小学生くらいの少女で、ペットを飼うのは初めてといった雰囲気だ。
「え……あ、はい」
接客に慣れていない勝は、ぎこちなく返事をしながらその対応を始めた。
「ミドリガメ、可愛いわよね~。ハムスターが一番好きだけど、私、こいつらも好きなんだわ」
克也と一緒に店頭のミドリガメコーナーに出た紅は、途端に上機嫌になっていた。「助けて!」と思っていた時に丁度、来てくれた……そのタイミングがまるで、ヒーローのそれのように思えたのだ。
しかし、彼女はふとした違和感に気付いた。店頭に射し込む光はまだオレンジ色にもなっていないし……考えてみると、今日のバイトを始めてからそんなに時間も経ってない。何だか、嫌な予感がした。
「ねぇ、そう言えば、あんたさぁ……今日はやたら、早くない? どうしたの?」
ひそひそ声で紅が尋ねると、克也はキッとした顔になった。
「紅が心配で……今日は早く帰ってきた」
「えっ……もしかして、塾の途中で?」
そう問うと、克也は沈黙して……
彼女は途端に慌てた。
「ちょ……ちょっと! 確かに『守れ』とは言ったけど。塾をサボれとは私、一言も言ってないわよ!」
「でも! あいつが紅に何かしないか心配で……」
「いや、だからって……」
克也は真剣な顔でグッと歯を食いしばっていた。
こいつ、明らかに無理してる……
そんな克也の表情をを呆れ顔で見る紅は、思わず吹き出した。
「紅……?」
「あぁ、もう……私が悪かった。心配させて、ごめん。あんなヘタレ、私一人でどうにでもできるからさ。あんたは絶対に塾をサボったりしないこと。分かった?」
「いや、でも……」
「いい? こんなことのために、あんたが夢に破れたら……その方が、私はツラいの。あんたの夢は、私の夢でもあるんだから。だから、お願い。あんたは今まで通り、夢に向かって真面目に努力して」
紅が凛と澄んだ目で真っ直ぐに見つめると、克也は俯いた。
「うん……ごめん。本当はしちゃいけないって分かってたけど、つい……」
そんな彼に、紅はニッと白い歯を見せる。
「でも! そんなに心配してくれてるって分かって、私、嬉しかったわよ。まぁ、今日は仕方ないし……お店の小動物でも見ときなよ」
紅はそう言ってニコニコと笑いながら……少し頼りない、だけれども自分を守るために精一杯の空回りをした彼の手を引いて店内に戻った。
しかし……次の瞬間、彼女は青ざめた。
「いてててて!」
小学生の少女の対応をしていた勝が、ハムスターに思い切り噛み付かれて悲鳴を上げていたのだ。
「バカ! 三田、あんた……何やってんのよ!」
紅が勝をなじると、彼は余計に慌てて手をブンブン振り始めた。
ダメだ、そんなことしたらハムスターが……!
「ちょっと、ダメ……」
紅は焦る……しかし、その横から克也がすっと勝に近付いた。
「君、落ち着いて!」
冷静さを失っていた勝の腕をそっと掴む。
「焦らずにそうっとしてやったら……すぐに放してくれるから」
克也が彼の手に噛みついていたハムスターをそっと掌で包み込むと……
落ち着いたハムスターはすぐに勝の手を離れて、掌の上をもぞもぞと動き出した。
「…………」
「手を洗って、消毒しに行こう」
克也が放心状態の勝の手を引いて立ち上がると、引かれるがままに付いて来た。そして克也が目配せをすると、紅は頷いて……すぐに満面の笑みを浮かべた。
「ごめんね、びっくりさせちゃって。ハムちゃんも、びっくりしたんだって……でも、大丈夫だから。あなたが温かく包んであげたら、すぐになついてくれるのよ!」
少女はしばらく、ショックのあまり顔を引きつらせていたけれど、すぐに紅につられて、とびきりの笑顔になったのだった。
*
波乱のその日のバイト終わりは、日も暮れてすっかりと暗くなっていた。
「今日はホントにすまん……」
勝は店の前で項垂れていて……そんな彼を、紅はギロリと睨んだ。
「ええ、ホント。何、考えてんの? 店長が居ない時だったけれど、居たらあんた、確実にクビよ。まぁ、私が告げ口しやってもいいんだけど」
紅はプンプン怒っていて……完全に立場を失った勝は情けなく泣き顔になる。だが、そんな紅を宥めながら克也は微笑んだ。
「でも、怪我は大したことなくて良かったよ。ハムスターはさ、噛む時にはやっぱり理由があるんだ。怖かったりとか、ストレスが溜まってたりとか……だからさ。あんな小さい動物だけど、ちゃんと気持ちを考えて接してやりなよ」
「あ……あぁ……」
勝はしょんぼりとした声を漏らす。
「克也くん……だっけ? 君って、やっぱ、いい奴なんだな。紅が選ぶだけあって……」
「そりゃ、そうよ。私の自慢の彼氏だもん」
紅はまだプンプン怒っていたが、少し得意そうな笑みを浮かべた。
「そうね。店長に告げ口してクビにしてやってもいいんだけど……あの女の子、明日もハムスターに会いに来るみたいだから。あんた、今度こそちゃんと対応しなさい」
「えっ……」
その言葉に勝は目を丸くして……そんな彼に、紅は腕を組んだままプイとソッポを向いた。
「だから。あんたもやっと、克也の良さに気付いてくれたようだし! バイト続けるチャンスをやるのよ。その代わり、私に必要以上に絡まないこと。動物達ともっと真面目に接すること! 約束なさい」
「あ……あぁ。すまん、約束する」
完全に醜態を晒してしまい……お似合いの二人の間に自分の入る余地のないことを悟った勝は、すっかりと萎れて頷いたのだった。
「なぁ、紅。本当にあいつと付き合ってんのか?」
まるで、「俺の方がイケてるのに……」と言わんばかりの口調で尋ねてくる。
もう、これで何回目だろう? 紅はうんざりして、プイッとそっぽを向いた。
こいつ……勝は仕事の間中、こうやって自分に絡んできて、よく知りもしない克也の悪口ばかり言う。ハムスターの餌やりも真面目にやらないし、仕事をまともに覚える気もなさそうだ。
本来なら小動物達に囲まれるバイトの時間は、楽しくて癒しの時間のはずだった。なのに、どうして不快な想いをしなければならないんだろう……そんなことを考えて、彼女は大きな溜息を吐いた。
こいつ、もしかして……克也の言うとおり、本当に自分がいることを嗅ぎつけて、このバイトを始めたのだろうか。
(だとしたら、キモい……本気で引くんだけど)
紅は露骨に顔をしかめる。
しかし、そんな彼女の気持ちなぞそ知らぬ顔で、勝はなおも誘ってきた。
「この後……バイト後って、空いてる?」
「空いてない!」
「折角、久しぶりに再会したんだし、飯でも行かねぇ? 奢ってやるし」
断ってるのに、それを気にも留めない言葉に脱力して、何も答える気が起こらなかった。
(もう嫌、こいつ。助けて……)
そんな、声にならない叫びを頭の中で反芻させた……そんな時だった。店の自動ドアが開く音とともに、紅の一番安心できるその声が響いた。
「紅!」
「克也……」
爽やかな髪型をした眼鏡の彼を認めた途端、彼女の顔はパァッと輝く。
「店頭のミドリガメ! 見せてくれますか? 飼ってみたくて」
「ええ、もちろん!」
紅はさっさと彼の元へ走り去る。
「おい、ちょっと……」
勝は彼女を呼び止めようとしたけれど……
「あの……ハムスター、見せてくれませんか?」
グッドタイミングで、小さなお客様が彼に声をかけてきた。それは小学生くらいの少女で、ペットを飼うのは初めてといった雰囲気だ。
「え……あ、はい」
接客に慣れていない勝は、ぎこちなく返事をしながらその対応を始めた。
「ミドリガメ、可愛いわよね~。ハムスターが一番好きだけど、私、こいつらも好きなんだわ」
克也と一緒に店頭のミドリガメコーナーに出た紅は、途端に上機嫌になっていた。「助けて!」と思っていた時に丁度、来てくれた……そのタイミングがまるで、ヒーローのそれのように思えたのだ。
しかし、彼女はふとした違和感に気付いた。店頭に射し込む光はまだオレンジ色にもなっていないし……考えてみると、今日のバイトを始めてからそんなに時間も経ってない。何だか、嫌な予感がした。
「ねぇ、そう言えば、あんたさぁ……今日はやたら、早くない? どうしたの?」
ひそひそ声で紅が尋ねると、克也はキッとした顔になった。
「紅が心配で……今日は早く帰ってきた」
「えっ……もしかして、塾の途中で?」
そう問うと、克也は沈黙して……
彼女は途端に慌てた。
「ちょ……ちょっと! 確かに『守れ』とは言ったけど。塾をサボれとは私、一言も言ってないわよ!」
「でも! あいつが紅に何かしないか心配で……」
「いや、だからって……」
克也は真剣な顔でグッと歯を食いしばっていた。
こいつ、明らかに無理してる……
そんな克也の表情をを呆れ顔で見る紅は、思わず吹き出した。
「紅……?」
「あぁ、もう……私が悪かった。心配させて、ごめん。あんなヘタレ、私一人でどうにでもできるからさ。あんたは絶対に塾をサボったりしないこと。分かった?」
「いや、でも……」
「いい? こんなことのために、あんたが夢に破れたら……その方が、私はツラいの。あんたの夢は、私の夢でもあるんだから。だから、お願い。あんたは今まで通り、夢に向かって真面目に努力して」
紅が凛と澄んだ目で真っ直ぐに見つめると、克也は俯いた。
「うん……ごめん。本当はしちゃいけないって分かってたけど、つい……」
そんな彼に、紅はニッと白い歯を見せる。
「でも! そんなに心配してくれてるって分かって、私、嬉しかったわよ。まぁ、今日は仕方ないし……お店の小動物でも見ときなよ」
紅はそう言ってニコニコと笑いながら……少し頼りない、だけれども自分を守るために精一杯の空回りをした彼の手を引いて店内に戻った。
しかし……次の瞬間、彼女は青ざめた。
「いてててて!」
小学生の少女の対応をしていた勝が、ハムスターに思い切り噛み付かれて悲鳴を上げていたのだ。
「バカ! 三田、あんた……何やってんのよ!」
紅が勝をなじると、彼は余計に慌てて手をブンブン振り始めた。
ダメだ、そんなことしたらハムスターが……!
「ちょっと、ダメ……」
紅は焦る……しかし、その横から克也がすっと勝に近付いた。
「君、落ち着いて!」
冷静さを失っていた勝の腕をそっと掴む。
「焦らずにそうっとしてやったら……すぐに放してくれるから」
克也が彼の手に噛みついていたハムスターをそっと掌で包み込むと……
落ち着いたハムスターはすぐに勝の手を離れて、掌の上をもぞもぞと動き出した。
「…………」
「手を洗って、消毒しに行こう」
克也が放心状態の勝の手を引いて立ち上がると、引かれるがままに付いて来た。そして克也が目配せをすると、紅は頷いて……すぐに満面の笑みを浮かべた。
「ごめんね、びっくりさせちゃって。ハムちゃんも、びっくりしたんだって……でも、大丈夫だから。あなたが温かく包んであげたら、すぐになついてくれるのよ!」
少女はしばらく、ショックのあまり顔を引きつらせていたけれど、すぐに紅につられて、とびきりの笑顔になったのだった。
*
波乱のその日のバイト終わりは、日も暮れてすっかりと暗くなっていた。
「今日はホントにすまん……」
勝は店の前で項垂れていて……そんな彼を、紅はギロリと睨んだ。
「ええ、ホント。何、考えてんの? 店長が居ない時だったけれど、居たらあんた、確実にクビよ。まぁ、私が告げ口しやってもいいんだけど」
紅はプンプン怒っていて……完全に立場を失った勝は情けなく泣き顔になる。だが、そんな紅を宥めながら克也は微笑んだ。
「でも、怪我は大したことなくて良かったよ。ハムスターはさ、噛む時にはやっぱり理由があるんだ。怖かったりとか、ストレスが溜まってたりとか……だからさ。あんな小さい動物だけど、ちゃんと気持ちを考えて接してやりなよ」
「あ……あぁ……」
勝はしょんぼりとした声を漏らす。
「克也くん……だっけ? 君って、やっぱ、いい奴なんだな。紅が選ぶだけあって……」
「そりゃ、そうよ。私の自慢の彼氏だもん」
紅はまだプンプン怒っていたが、少し得意そうな笑みを浮かべた。
「そうね。店長に告げ口してクビにしてやってもいいんだけど……あの女の子、明日もハムスターに会いに来るみたいだから。あんた、今度こそちゃんと対応しなさい」
「えっ……」
その言葉に勝は目を丸くして……そんな彼に、紅は腕を組んだままプイとソッポを向いた。
「だから。あんたもやっと、克也の良さに気付いてくれたようだし! バイト続けるチャンスをやるのよ。その代わり、私に必要以上に絡まないこと。動物達ともっと真面目に接すること! 約束なさい」
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