雪ごたつ

３

丁度その頃、日木国の対抗国『麦国』で、遺伝子操作により光合成効率が通常の樹木の一億倍、あり得ない程の速度で炭酸ガスを吸収する樹木『エコウッド』が創出された。
麦国は『エコウッド』を大量に植林、みるみるうちに、地球を包む温室効果ガスは姿を消した。
地球の平均気温も瞬く間に下がり、日木国の冬の気温は500年前以下の水準まで低下した。



「どうしましょう？ これでは、『雪ごたつ』は全く売れません」

社員達は青ざめる。
しかし、古達社長は狡猾な笑みを浮かべていた。

「大丈夫。何の問題もない。何故なら、この時代のために、元祖『こたつ』を大量に製造、備蓄しているのだから」

ソノーの繁栄は、留まるところを知らなかった。