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第一章 始まり
1.始まりの村
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特徴のない、のどかな村だが、だからこそかけがえのないものがあると思う。時間がゆったりと流れるこの村は平和そのものであった。……2年前の惨事を除いて。
(今日も夜空がきれいだな)
誕生日を向かえて18歳になった夜、彼はいつもと変わらない夜空を見ていた。
彼の名前はエイシェル。今日18歳になったばかりのごく普通の少年である。ただ、彼の人生は単純に幸せなことばかりとは言えなかった。
両親が2年前に他界したのである。いきなり魔物が村を襲い、エイシェルの両親が村を守るために戦い犠牲になった。
当時のエイシェルは戦うことなどできず、ただ隠れる事しかできなかったのだ。つまり、守られるだけ守られて何もできなかった。
両親は決して弱かったわけではない。2人はそこそこ名の知れた冒険者であり、結婚して村に腰を落ち着けてからは村を獣や魔物から守っていた。
その2人が全力をぶつける程の相手だったのだ。
この世界には生命力と魔力が存在する。自身の生命力を魔力に変換し魔法を使えるのだ。消費した生命力は時間とともに回復するが、一気に枯渇させてしまうと死んでしまうため魔法は注意が必要だ。ただ、生活で使うレベルの魔法であれば死ぬようなことはない。
そう、決死の覚悟で魔物に立ち向かい全生命力を魔力に変えて魔法を使わない限りは……
「あの夜から2年か……まだ、慣れないな……」
思わず言葉が漏れた。2年前に両親が命と引き換えに魔物を撃退してくれたおかげで生き延びる事ができた。そう、゛撃退゛したのだ。ふたりの全力を持ってしても倒せなかった相手。それがまだどこかにいる。
両親が撃退した後、翌日から村の有志による魔物の討伐隊が結成され近隣の森や山を調べたが見つける事ができなかった。どうやら遠くに逃げてしまったようである。
両親が死んでから当たり前だった事が当たり前ではない事に気づき、エイシェルは生きる為に努力した。最初こそ村の大人たちに助けて貰ったが、今ではなんとか狩りをしながら生計を立てひとりで生活できている。
この2年間で狩りの技術は玄人とはいかないものの、そこそこコツは掴んでいると自負している。
「……さて!明日も早いし、もう寝るかなー」
明日は仕掛けた罠を早朝に確認しに行かねば。そう思い窓を閉めようとした時声が聞こえてきた。
『…まえを……ようし……』
頭にイメージが流れ込むような感覚だ。それはまるで何かを思い出させられているように思える。
「?!なん、だ…?これ…?」
『ヒト……で…のまおうを……たに…けた…はおまえだけだ』
途切れ途切れで伝わる言葉のイメージに意識を集中していたが……
「いった!!?」
急に額と鼻に痛みが走った。
「なんだよこれ……?それに……まおうってなんのことだ??」
鼻を押さえながら涙ぐむ情けない姿で原因不明の痛みに襲われるエイシェル。突然の痛みと謎のイメージに混乱していると今度はけたたましい鐘の音が村中に鳴り響いた。
「!!これは襲撃の鐘!」
先程の不思議な感覚が気になったが、緊急事態の為それどころではない。急いで狩りに使っている弓を持ち出し鐘のなる村の出口へと駆け出した。
(今日も夜空がきれいだな)
誕生日を向かえて18歳になった夜、彼はいつもと変わらない夜空を見ていた。
彼の名前はエイシェル。今日18歳になったばかりのごく普通の少年である。ただ、彼の人生は単純に幸せなことばかりとは言えなかった。
両親が2年前に他界したのである。いきなり魔物が村を襲い、エイシェルの両親が村を守るために戦い犠牲になった。
当時のエイシェルは戦うことなどできず、ただ隠れる事しかできなかったのだ。つまり、守られるだけ守られて何もできなかった。
両親は決して弱かったわけではない。2人はそこそこ名の知れた冒険者であり、結婚して村に腰を落ち着けてからは村を獣や魔物から守っていた。
その2人が全力をぶつける程の相手だったのだ。
この世界には生命力と魔力が存在する。自身の生命力を魔力に変換し魔法を使えるのだ。消費した生命力は時間とともに回復するが、一気に枯渇させてしまうと死んでしまうため魔法は注意が必要だ。ただ、生活で使うレベルの魔法であれば死ぬようなことはない。
そう、決死の覚悟で魔物に立ち向かい全生命力を魔力に変えて魔法を使わない限りは……
「あの夜から2年か……まだ、慣れないな……」
思わず言葉が漏れた。2年前に両親が命と引き換えに魔物を撃退してくれたおかげで生き延びる事ができた。そう、゛撃退゛したのだ。ふたりの全力を持ってしても倒せなかった相手。それがまだどこかにいる。
両親が撃退した後、翌日から村の有志による魔物の討伐隊が結成され近隣の森や山を調べたが見つける事ができなかった。どうやら遠くに逃げてしまったようである。
両親が死んでから当たり前だった事が当たり前ではない事に気づき、エイシェルは生きる為に努力した。最初こそ村の大人たちに助けて貰ったが、今ではなんとか狩りをしながら生計を立てひとりで生活できている。
この2年間で狩りの技術は玄人とはいかないものの、そこそこコツは掴んでいると自負している。
「……さて!明日も早いし、もう寝るかなー」
明日は仕掛けた罠を早朝に確認しに行かねば。そう思い窓を閉めようとした時声が聞こえてきた。
『…まえを……ようし……』
頭にイメージが流れ込むような感覚だ。それはまるで何かを思い出させられているように思える。
「?!なん、だ…?これ…?」
『ヒト……で…のまおうを……たに…けた…はおまえだけだ』
途切れ途切れで伝わる言葉のイメージに意識を集中していたが……
「いった!!?」
急に額と鼻に痛みが走った。
「なんだよこれ……?それに……まおうってなんのことだ??」
鼻を押さえながら涙ぐむ情けない姿で原因不明の痛みに襲われるエイシェル。突然の痛みと謎のイメージに混乱していると今度はけたたましい鐘の音が村中に鳴り響いた。
「!!これは襲撃の鐘!」
先程の不思議な感覚が気になったが、緊急事態の為それどころではない。急いで狩りに使っている弓を持ち出し鐘のなる村の出口へと駆け出した。
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