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第三章 王都への旅
29.護衛依頼
しおりを挟む依頼を共同で受ける事にした4人は自己紹介を始め、まず赤髪の少女が話し始めた。
「一緒に依頼を受けてくれてありがとう。私はフラム。呼び捨てでフラムって呼んで。こっちは妹のフルームよ」
「私のこともフルームって呼んでねー」
赤髪の少女がフラム、青髪の少女がフルームと名乗った。
背丈は2人ともアリスとあまり変わらないくらいで、体つきは全体的に細めの印象を受けた。
「よろしく。わたしはアリス。主に魔法を使うわ。それから……」
「俺はエイシェル。ここ数年は狩人をやってたこともあって弓をメインで使ってる」
アリスとエイシェルも自己紹介をし、パーティを組むにあたって、まず自分の武器について共有した。
「え、アリスさん魔法で戦えるの!?」
「アリスでいいわよ。そんなに魔法使いが珍しいの?」
確か、受付のお姉さんもそんなことを言っていた気がする。アリスの父親も普通に攻撃に魔法を使っていたから珍しいという感覚がなかった。
「そりゃあ珍しいわよ。大体の人は攻撃に魔法を使おうとしたらすぐに生命力に限界がきて倒れちゃうんだから」
「お姉ちゃんも練習してた時期あったもんね」
どうやら実体験のようだった。
「そうなのね……2人は腰に剣をさしてるけど、剣を使うの?」
「私たちの家の人が代々国の騎士団員をやってて、それで私たちも小さい頃から剣を教え込まれたの。だから2人とも職業が剣士なのよ」
フラムが答えてくれる。皆、似たような物なのかもしれない。アリスは両親が魔法を使っていたから魔法を使うようになった。エイシェルも村で狩りをして生活していたから弓を使うようになった。それぞれの環境によって得意なものが決まるのだ。
「エイシェルくんは狩人やってたって言ってたけどどれくらい大きな獲物仕留めたことあるの?さっき解体工房でね、氷漬けのすごく大きなイノシシがいたんだよ!」
「俺のことも呼び捨てでいいよ。それは多分……アリスが倒したやつじゃ無いかな?俺が倒したことがあるのはそれよりも一回り小さいやつだな」
「え?いや、あれは2人で倒したでしょ?私だけだったら大変な事になってたわよ?」
フルームがエイシェルに質問し、エイシェルが答える。エイシェルはあのイノシシはアリスが倒したものと考えているが、アリスはエイシェルの助けが無かったらどうなっていたかわからない為2人で倒したものと考えていた。
「え!?あれエイシェルとアリスが倒したの!?」
「うそ!?あんな大きなイノシシどうやって倒したの?」
フルームとフラムが信じられないとばかりに声を大にして驚く。
アリスは少しの距離だが、イノシシの魔物を討伐した時の話を2人にしながら受付カウンターに向かうのであった。
「この依頼お願いします。」
エイシェルは4人を代表して受付のお姉さんに貼られていた依頼書をだす。
残り3人は少し離れた後ろでイノシシ討伐の話をして盛り上がっていた。
「はい。確認しますので少々お待ち下さい。………………この4人で受注処理しても良いでしょうか?」
「はい、お願いします。」
「かしこまりました。……こちらに4人の名前を記入ください。……はい、そこです。…………これで登録完了です。こちら受付証明証ですので無くさないようにお願いします」
淡々と手続きが終わり依頼の準備ができたのだった。
エイシェルが3人の元へ戻るとひと通り話終わった後のようだった。
「依頼受けられたよ。あれ?アリスどうかしたの?」
アリスが少し赤い顔をしていた為、体調が悪いんじゃないかと心配になり声をかける。
「な、なんでもないわよ!行きましょ!」
「?」
よくはわからないが特に問題は無いようなので深くは追求しなかった。
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