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第三章 王都への旅
47.仲直り
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港町に着いたエイシェルとアリスだったが、アリスが高熱に倒れ、なんやかんや熱が引かなかったので、回復したのが翌日になった。
昼食以降の食事はエイシェルが用意してしっかりと取れていたが、例の事件から、両者ソワソワして言葉数が少ない状況となっていた。
そんな状態で朝を迎えたアリスは困っていた。
(あぁ……気まずい……。全面的に私が調子に乗ったのがいけなかったよね……。結局謝ることすらできてないよ……)
昨日は恥ずかしさのあまりまた熱が上がってしまい結局寝込んでしまったのだ。その間エイシェルは甲斐甲斐しくアリスの世話をしていた。
(ずっと面倒見てもらっちゃったし……。悪いことしちゃったな……。よし!ちゃんと謝ろう!……まずはシャワーでも浴びようかな……)
アリスはエイシェルに謝る事を心に決めた。
ただ、夜通し活動してたのと一日中寝ていたので不快感が限界にきていたのだ。
熱が下がり動けるようになったためシャワーを浴びることにした。
その頃エイシェルも悩んでいた。
脳裏にあの無邪気に笑うアリスの姿が浮かぶ。
「…….あんなの反則だろ……。あんな顔で迫られたら気にならない方がおかしい……」
エイシェルは女の子への免疫が全く無かったためアリスがからかって迫ってきたのもエイシェルには効果抜群だった。
もちろん揺れるものも気になったが、それ抜きにしてもアリスが可愛く感じたのだ。
「……どう接していいのか分からん……。あの後から最低限の会話しか出来てないし……なんか、気まずい」
エイシェルは本当に悩んでいた。
空洞での出来事後は心地よい距離感だったのもあり、その関係を変に壊したくなかったのだ。
今はお互いにソワソワしていて、あまり居心地がいいものではなかった。
2人ともどうにかしなければとは思っているのだ。
「……とりあえず朝ごはん作るか……」
エイシェルは昨日から宿の厨房の一角を借りてご飯の準備していた。
厨房の一角を借りるからには皿洗いなど手伝いをさせて欲しいと申し出たところ、何故か途中から調理を任されたり、料理長からアツい指導が入ったりした。そんなこんなで余った食材を貰って料理もしていたのだ。
ちなみに朝食は料理長から教わった料理にしてみた。
食パンを溶いた卵と牛乳を混ぜた液にひたひたにつけておき、よく染み込ませたものを焼いた。
焼いたパンの上にバターを添えて完成だ。
これだけでとても美味しい朝食が出来上がる。
バターの代わりにハチミツなど甘いものにしても良さそうだ。
この料理はもっと工夫出来そうだとエイシェルは密かに考えるのだった。
出来上がった朝食をアリスの部屋に持っていく。
いざアリスに会うとなると、なぜか緊張してしまうのだった。
コンコン
「アリス?朝食持ってきたけど食べるよね?」
エイシェルは出来るだけ自然にと思い声をかける。すると中からアリスの声が聞こえた。
「あ、うん。ありがとう。入って入って」
エイシェルはアリスの部屋に入り朝食をテーブルに置いた。
するとアリスが突然謝り出した。
「昨日はごめん!ちょっとした事故はあったけど、調子に乗ってたわ。……そのせいで熱もぶり返しちゃったし、ほんとごめん!それと、それでも看病してくれてありがとうね。すごく嬉しかった」
アリスは精一杯の謝罪と感謝を述べた。
看病をするということは、その人の為に自分の時間を使うということだ。
新しい町に来たのに自由な時間を持てないのはそれだけで文句のひとつも出そうなところだが、エイシェルは文句ひとつ言わずにアリスの看病をしたのだ。
アリスは冷静に考えてエイシェルがどれだけ自分に尽くしてくれているか理解し、申し訳なく思った。
「気にしないでいいよ。困った時はお互い様だし。それよりも元気になったみたいでよかった」
エイシェルはホッとした。どうにか会話のきっかけができればと考えていたところにアリスが話しかけてきたため、自然な流れで話す事ができた。
「それよりもご飯食べよう?ここの料理長から教わった料理を作ってみたんだ。冷めないうちにどうぞ」
エイシェルはちょっと気恥ずかしくなり話題を変える
「…….ありがとうね……。さて!お腹もすいたし、いただきますね!」
アリスは改めて感謝の言葉をボソッと呟き、気持ちを切り替えて朝食を食べることにした。
……ひとくち食べてからはいつものアリスだった。
「なによこれ!?しっとりふわふわでとっても美味しい!バターのしょっぱさがパンと卵?かしら?とにかくやさしい甘味と絡んで食欲を刺激する……!毎朝食べたいくらい美味しい!」
エイシェルはアリスが、急にいつも通りになった姿を見て苦笑した。
それでも、あぁ、この笑顔がたまらなく好きなんだなと、エイシェルは自分の気持ちを自覚するのだった。
昼食以降の食事はエイシェルが用意してしっかりと取れていたが、例の事件から、両者ソワソワして言葉数が少ない状況となっていた。
そんな状態で朝を迎えたアリスは困っていた。
(あぁ……気まずい……。全面的に私が調子に乗ったのがいけなかったよね……。結局謝ることすらできてないよ……)
昨日は恥ずかしさのあまりまた熱が上がってしまい結局寝込んでしまったのだ。その間エイシェルは甲斐甲斐しくアリスの世話をしていた。
(ずっと面倒見てもらっちゃったし……。悪いことしちゃったな……。よし!ちゃんと謝ろう!……まずはシャワーでも浴びようかな……)
アリスはエイシェルに謝る事を心に決めた。
ただ、夜通し活動してたのと一日中寝ていたので不快感が限界にきていたのだ。
熱が下がり動けるようになったためシャワーを浴びることにした。
その頃エイシェルも悩んでいた。
脳裏にあの無邪気に笑うアリスの姿が浮かぶ。
「…….あんなの反則だろ……。あんな顔で迫られたら気にならない方がおかしい……」
エイシェルは女の子への免疫が全く無かったためアリスがからかって迫ってきたのもエイシェルには効果抜群だった。
もちろん揺れるものも気になったが、それ抜きにしてもアリスが可愛く感じたのだ。
「……どう接していいのか分からん……。あの後から最低限の会話しか出来てないし……なんか、気まずい」
エイシェルは本当に悩んでいた。
空洞での出来事後は心地よい距離感だったのもあり、その関係を変に壊したくなかったのだ。
今はお互いにソワソワしていて、あまり居心地がいいものではなかった。
2人ともどうにかしなければとは思っているのだ。
「……とりあえず朝ごはん作るか……」
エイシェルは昨日から宿の厨房の一角を借りてご飯の準備していた。
厨房の一角を借りるからには皿洗いなど手伝いをさせて欲しいと申し出たところ、何故か途中から調理を任されたり、料理長からアツい指導が入ったりした。そんなこんなで余った食材を貰って料理もしていたのだ。
ちなみに朝食は料理長から教わった料理にしてみた。
食パンを溶いた卵と牛乳を混ぜた液にひたひたにつけておき、よく染み込ませたものを焼いた。
焼いたパンの上にバターを添えて完成だ。
これだけでとても美味しい朝食が出来上がる。
バターの代わりにハチミツなど甘いものにしても良さそうだ。
この料理はもっと工夫出来そうだとエイシェルは密かに考えるのだった。
出来上がった朝食をアリスの部屋に持っていく。
いざアリスに会うとなると、なぜか緊張してしまうのだった。
コンコン
「アリス?朝食持ってきたけど食べるよね?」
エイシェルは出来るだけ自然にと思い声をかける。すると中からアリスの声が聞こえた。
「あ、うん。ありがとう。入って入って」
エイシェルはアリスの部屋に入り朝食をテーブルに置いた。
するとアリスが突然謝り出した。
「昨日はごめん!ちょっとした事故はあったけど、調子に乗ってたわ。……そのせいで熱もぶり返しちゃったし、ほんとごめん!それと、それでも看病してくれてありがとうね。すごく嬉しかった」
アリスは精一杯の謝罪と感謝を述べた。
看病をするということは、その人の為に自分の時間を使うということだ。
新しい町に来たのに自由な時間を持てないのはそれだけで文句のひとつも出そうなところだが、エイシェルは文句ひとつ言わずにアリスの看病をしたのだ。
アリスは冷静に考えてエイシェルがどれだけ自分に尽くしてくれているか理解し、申し訳なく思った。
「気にしないでいいよ。困った時はお互い様だし。それよりも元気になったみたいでよかった」
エイシェルはホッとした。どうにか会話のきっかけができればと考えていたところにアリスが話しかけてきたため、自然な流れで話す事ができた。
「それよりもご飯食べよう?ここの料理長から教わった料理を作ってみたんだ。冷めないうちにどうぞ」
エイシェルはちょっと気恥ずかしくなり話題を変える
「…….ありがとうね……。さて!お腹もすいたし、いただきますね!」
アリスは改めて感謝の言葉をボソッと呟き、気持ちを切り替えて朝食を食べることにした。
……ひとくち食べてからはいつものアリスだった。
「なによこれ!?しっとりふわふわでとっても美味しい!バターのしょっぱさがパンと卵?かしら?とにかくやさしい甘味と絡んで食欲を刺激する……!毎朝食べたいくらい美味しい!」
エイシェルはアリスが、急にいつも通りになった姿を見て苦笑した。
それでも、あぁ、この笑顔がたまらなく好きなんだなと、エイシェルは自分の気持ちを自覚するのだった。
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