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28 ~前哨戦~
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懐かしい匂いがする。眼下に広がる土のフィールドから巻き上がってくる風や見渡す限りの人々の熱気と汗。これらが筋の通った鼻を通過する度にあの頃の闘志が今新たに燃えようとしている。
しかし今日は歴の浅い愛剣を抜くことはない。ポーションの瓶より小さく見えるほどの距離にいる男の戦いぶりを固唾を飲んで見守るだけだ。
縦横200メートル近くはある巨大な円形の闘技場を囲うように積まれた石の客席。数万人を収容できるそれに血に飢えた者どもがビッシリと詰まっている。
この戦いのルールはシンプルで、対戦相手が負けを認めるかもしくは、死ぬか。審判が勝負アリと判断する場合もあるが告げられた選手のほとんどはそれを拒否し死んでいく。
そしてこのトーナメントにはもう一つの目玉がある。賭けだ。
会場には予めトーナメント表が掲示されており、優勝者を当てるシンプルなもの。もちろん、事前情報により賞金の倍率は異なる。
今まさに抜刀した新参者の彼は五倍となかなかナメられた設定だ。そして彼にベットする者はかなり少ない。なぜなら剣技もなければ武器もつい最近購入したものだからだ。
ビギナー。そう思われている。もし深淵の生物たちと同じように相手のレベルがわかっていたらこうはならないだろう。最終戦までは余裕だ。そう思い眺めているとやはり結果はそうなった。
抜刀と同時に両者距離を詰めた。技無しのライムは剣を振り隙を見て格闘を入れるのみ。相手もゴツメの直剣を負けじと叩き込むのはソル系の力を持っているからだ。
少しして相手側の剣が黄色い光を放ちバックステップで大きく離れると地面を斬った。穿たれた土が弾丸となりライムに襲いかかる。しかし落ち着いた様子で全弾斬り伏せながら空いた距離を詰め、土手っ腹に飛び蹴りをかます。後ろへ大きく飛ばされ背中が地面を擦る。
勢いが止んだ所でライムの剣先が相手の顔へ。
ザクリと突き刺したのは、こみかみから数センチ隣の土。安堵の吐息を漏らしリザインを告げる。
予想外の勝利に客席は感嘆の声と歓声に包まれた。
次の試合もそのまた次も、同じように難なく勝利を手にしトーナメント最終戦も勝ち上がった。
本番は次だ。少し汗ばんできた両手を組み開始の時を待った。
しかし今日は歴の浅い愛剣を抜くことはない。ポーションの瓶より小さく見えるほどの距離にいる男の戦いぶりを固唾を飲んで見守るだけだ。
縦横200メートル近くはある巨大な円形の闘技場を囲うように積まれた石の客席。数万人を収容できるそれに血に飢えた者どもがビッシリと詰まっている。
この戦いのルールはシンプルで、対戦相手が負けを認めるかもしくは、死ぬか。審判が勝負アリと判断する場合もあるが告げられた選手のほとんどはそれを拒否し死んでいく。
そしてこのトーナメントにはもう一つの目玉がある。賭けだ。
会場には予めトーナメント表が掲示されており、優勝者を当てるシンプルなもの。もちろん、事前情報により賞金の倍率は異なる。
今まさに抜刀した新参者の彼は五倍となかなかナメられた設定だ。そして彼にベットする者はかなり少ない。なぜなら剣技もなければ武器もつい最近購入したものだからだ。
ビギナー。そう思われている。もし深淵の生物たちと同じように相手のレベルがわかっていたらこうはならないだろう。最終戦までは余裕だ。そう思い眺めているとやはり結果はそうなった。
抜刀と同時に両者距離を詰めた。技無しのライムは剣を振り隙を見て格闘を入れるのみ。相手もゴツメの直剣を負けじと叩き込むのはソル系の力を持っているからだ。
少しして相手側の剣が黄色い光を放ちバックステップで大きく離れると地面を斬った。穿たれた土が弾丸となりライムに襲いかかる。しかし落ち着いた様子で全弾斬り伏せながら空いた距離を詰め、土手っ腹に飛び蹴りをかます。後ろへ大きく飛ばされ背中が地面を擦る。
勢いが止んだ所でライムの剣先が相手の顔へ。
ザクリと突き刺したのは、こみかみから数センチ隣の土。安堵の吐息を漏らしリザインを告げる。
予想外の勝利に客席は感嘆の声と歓声に包まれた。
次の試合もそのまた次も、同じように難なく勝利を手にしトーナメント最終戦も勝ち上がった。
本番は次だ。少し汗ばんできた両手を組み開始の時を待った。
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