最前線のブークリエ

甲斐根澤 鳥栖丹

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第Ⅷ守 王国襲撃。

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┈┈┈┈???┈┈┈┈┈

深夜。
誰もが寝静まるこの時間にランタンと鉄砲を持った何故か人間らしいゴブリンが森を歩いていた。

「う~ん……完全に迷ったな~こりゃ……」

と、暗闇の中後頭部をかいていた。

「とにかく抜け出さねぇと。朝になると魔物共がうじゃうじゃ湧くからな~……ん?あれは」

ゴブリンは遠くを見つめる。
そこには人型の何かがいた。

「ありゃ人か?おーい!お前さんも迷ったのかー?!」

ゴブリンは人型の何かに手を振り近付く。
その声に人型の何かがゆっくり振り向いた。

「おーい!お前も迷ったのか…………」

ゴブリンは人型の何かが光に照らされ、姿が見えると一気に顔が青ざめた。

「な、なん……だ」

人型の何か。
それは綺麗な顔立ちはしているものの男とわかる顔立ち。黒い髪はポニーテールになっており、まるで日本の武士のような格好をした人間だった。
しかし、ゴブリンはそれを見て青ざめたのではない。
彼の持っている武器。3尺にもなるであろう長い刀には赤色の血がポタポタと垂れていた。
そして……感じ取れる尋常ではない殺気。

「貴様……その顔その耳その鼻……ゴブリンだな……」

男が振り向きゴブリンへ歩み寄る。
それに先程は気付かなかったが、男の服には返り血のようなものが沢山付いていた。

「なななななな!ち、近寄るなっっ!」

ゴブリンは震える手で鉄砲を構える。

「貴様は……害である」

男は刀を構え、ゴブリンに高速で近寄る。

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁァ!!!!」

パァン!!
シャキン……

ゴブリンが発砲する。
しかし男には当たらず男はゴブリンの背後にいた。

「……滅せよ獣。」

ボトッ

その言葉を放った途端。ゴブリンの首が地面に落ち、体がその場に倒れた。

「……月が……丸い」

男は天を見上げ、そう呟き刀を鞘にしまった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈

早朝。小鳥たちが鳴き声をあげ、夜が明けたことを伝えていた。

「しゅ、秀映さ~ん……僕ちょ、ちょっと疲れちゃったなァ~……少しや、休みませんかァ~?」

顔から汗をダラダラ流したダイノが下手くそな作り笑顔で万に要求してきた。

「お……俺もそうしたいけど……」

と、息を切らし背中を曲がらせながら歩く万は前方で大きく手を後ろ前に振りながら歩くサーリセルカを見る。

「ふんふふ~ん♪冒険、冒険た~のしぃな~♪」

サーリセルカは疲れている様子もなくまるで子供のように森の中を闊歩していた。

「何しゆーがよ!ダイノ!秀映さん!そがなんじゃいつまで経っても王都にはつかんぞね!」

「いやいや……3日間なんにも食わず歩き続けれるのは異常だろ……」

「ぼ、僕たちお腹すいて……死にそう……」

ダイノはぐぅーと鳴るお腹を押さえて言った。

「もう!情けないわね二人とも!早うせんと置いてってしまうわよ!」

サーリセルカが2人の方へ振り返り頬を膨らませてそう言った。

「いやいや……食べ物なしは流石に情けないとかないだろぉ……ぶふぉ……」

万はそのまま白目を向き、倒れ込んでしまった。

「キャーーーー!!」

するとどこから女性の叫び声が聞こえて来た。

「「「!!」」」」

その声に3人は即座に何かに襲われている声だとわかった。

「ダイノくん!どの方向から聞こえたか分かる?!」

サーリセルカが爪を鋭く伸ばしダイノに質問した。

「た、多分声の大きさ的に前方で、2キロぐらいかと!」

そう言うとダイノもモーニングスターを構える。

「よし……!我々の指名は最前線で守ること!行くぞっ!」

と、その場にうつ伏せになっている万が大きな声でそう言う。

「……」

「……秀映さん早う立てやゴラ」

サーリセルカが万の鼻を摘み思いっきり引っ張る

「いててててて?!わかった!わかったよ!立ちます!立ちます!」

それをダイノは呆れた表情で見ていた

┈┈┈┈声のした方向┈┈┈┈┈

「ぐへへ~!まさかアントレァ王国のお嬢様の馬車だったなんてな~!ツイてるぜ~!」

1人の小太りの男がぐったりとしたボロボロの服の執事らしき人物の首を掴んで持ち上げていた。

「まじ弱すぎだろ!この国の護衛!盗賊ごときにやられちまうなんてなぁ!イヒヒヒヒ!」

もう1人の筋骨隆々の男は護衛であった者の首を持っていた。

「おいお前ら!金目の物があったらちゃんと盗んでおけよ!そしたら跡形もなく燃やせ!」

小太りの男が他の盗賊3人にそう言った。
すると3人の盗賊は「了解!リーダー!」と言い、馬車の中を荒らし始めた。

「さてさて俺らは……」

小太りの男が縛られている女3人に目をやる。
その中にはメイド服を着た女性2人。黒に近い赤のドレスを着たいかにも身分が高そうな薄い水色の髪をした女性が1人いた。

「どの子から決めようぜ~!」

小太りの男が女達に近付く。

「俺様はお嬢様からぶち犯したいぜ!そのキリッとした表情が甘く崩れるのを早く見たいからな~~ペロォォォ」

筋骨隆々の男がお嬢様らしき人物の頬を舐める。
するとお嬢様らしき人物は不快極まりない表情をした。

「じゃあ俺はまずメイドからヤるからお前はお嬢様をヤッていいぞ」

そう言うと小太りの男はメイドに近付く。

「わ……私はいくら犯してもらっても構いません……ですが!お嬢様だけは!」

「うるせぇな!こっちは女不足で溜まってんだ!全員ヤラセてもらうぜっ!」

そう言うと小太りの男はメイドの服をビリッ!と勢いよく破った。

「おほ~!顔は地味だが胸はデケェ!ふぅー!興奮してきたぜ~!」

「ッ!」

小太りの男はヨダレを垂らしながらメイドの乳房を舐めた。

「うおぉぉ!もう我慢できねぇ!俺様はお嬢様の口にぶち込むぞ!」

と、筋骨隆々の男がズボンを脱いだ瞬間

パァン!!

空に響く銃声と共に筋骨隆々の男のこめかみから血が吹き出した。
そして筋骨隆々の男はそのまま地面に倒れる。

「なっ!!」

「?!」

驚いた女性3人と小太りの男は銃声のした森の方を見る。

「はーい。強姦罪。正確には未遂か?まぁ、いいや。ゲスいことやろうとしてたのには変わりないし。」

と、万が煙の出ているリボルバーに息を吹き登場してきた。

「なななななんだ!お前は!」

小太りの男が焦った表情で尻もちを付く。

「うひゃー。盗賊か?ほんとにあんだな~強奪して女強姦するのって。」

万はガタゴト揺れている馬車に目をやる。
その視線に小太りの男も気づく

「な、何してんだてめぇら!!敵襲だ!馬車から降りてこいっ!」

小太りの男が馬車に向かって怒鳴ると動きがピタッと止まった。

「敵襲だぞ!!宝なんて漁ってんじゃねぇ!」

すると馬車の中から「てめぇらってさぁ……」という声が聞こえ、その声の主がが馬車の上に乗りあがった。

「こいつらのことぉ?」

その正体はサーリセルカだった。
サーリセルカは血まみれになっていたが、おそらく返り血であることが分かる。なぜならサーリセルカの片手にはぐったりとした男性が居たからだ。

「ひっ……ひぃぃぃぃ!」

小太りの男はそれを見た途端万の反対側に這いつくばって逃げ始めた。
しかし

「あろろろろ?どこに行こうとしてんですかね~?」

完全装備のダイノが道を塞ぐ。

「ブ、ブラック・ナイトォォ?!」

男はダイノの胸に描かれた逆さ十字架にバラが咲いている紋章を見てさらに怖気付いた。

「さぁ!観念しな!謝れば許してやる!」

万はそう言うと小太りの男と目線を合わせるためしゃがみこんだ。

「あ、謝ります!謝ります!す、すみませんでしたァ!」

小太りの男はその場に土下座する。

「よしよ~し!いさぎよくていいぞ~!おデブちゃん!」

万が感心して首を縦に振る。
男が自分の懐にあった小剣を引き抜いてニヤついているとも知らずに。

「……なんてな素直に謝るかよぉぉ!」

男は体制を変え万の首に切りかかる。

「「秀映さん!」」

2人が叫ぶが万は微動だにしなかった。

「イッタ!!少しでも避けるの遅れてたら完全に喉切れてたんですけど~?!」

万は首から少し血を流してそう言った。

「えっ……は?お、お前……いつ避け……」

その瞬間万が男の髪を掴み口内に銃口を向けた

「はいー傷害罪ね。反省する気無さそうだからこのまま撃っちゃうけどいい?」

万が男にそう言うと男は涙を流しながら首を小さく左右に振る。

「あーでも君たち人殺してるよね?しかも強盗してるし。じゃあ殺しても問題ないよね。」

そう言うと万は引き金を引いた。
そしてパァンという銃声と共に男の顔面だったものが飛び散った。

「さて……これで全員かな?」

「馬車の中の人間は全員倒したぞね」

「見張りとか周りにも誰もいませんでしたよ?」

3人は残党がいないか確認し合っていた

「よし……お嬢さん達~!もう大丈夫ですよ~!今その縄解きますね~。」

万はそう言うと、女性達に近付きロープをナイフで切っていく。

「あ……ありがとうございます」

とーお嬢様らしき人が万にお礼をした。

「いえいえ、自分たちのやることをやっただけですよ。はい!解けました!」

万は全員のロープを解き手を差し伸べた

「ど、どうも……」

お嬢様は手を取り万に立ち上がるのを手伝ってもらった

「本当にありがとうございました!あなた方が来なかったら今頃どうなっていたか……」

と、胸元がさらけ出されているメイドが深々とお辞儀をした。

「いえいえ~。とりあえずこれ。着ちょってくれん。」

と、サーリセルカは自分が着ていた羽織りをメイドに渡す。

「あなた方は一体どちらから?」

もう1人のメイドがダイノに質問する

「ライガ族のトグローフ村というところです。」

その言葉を聞くと3人とも驚いたような表情をした

「トグローフ村ですの?!」

「あ、あの襲撃を2回免れたトグローフ村から?!」

「お、お嬢様!ミルフィ!もしかしてこの方達って……」

すると何やら3人はこしょこしょと話始めてた

「うっ……腹が減って動けねぇ……」

お腹をぐぅーと鳴らしバタンと倒れる。

「ぼ、僕もお腹が減って……」

「う~ん……うちもお腹すいてきたかも……」

と、全員腹を押さえ始めた。
するとメイドのひとりが万達に近付く

「あの……!あなたたちはこれからどこに向かうおつもりなのでしょうか!」

「あぁ……近くの街とか王国に向かおうかと思ってまして~」

万がそう言うとメイドがいきなり万の手を取ってきた

「でしたら私達の王国!アントレァ王国にいらしてはどうですか?!」

「ア、アントレァ王国?」

「えっ?!アントレァ王国やか?!」

アントレァ王国。その言葉を口にした瞬間サーリセルカが驚きの表情で言ってきた。

「サーリちゃん知ってるの?」

「知っちゅーもなんちゃあ!4大国家のひっとつちや!」

「四大国家ぁ?」

「この世界を象徴する古くから存在する国たちのことです。富や武力に最も優れている国家であり、この世界の経済の半分をこの第4国家達が補っています。それと戦争に負けたことがありません。古くからそのままの状態で存在しています」

と、ダイノが珍しく流暢な口調で解説してくれた。

「へぇ~。そんなすごい人達がなんでこんなとこに」

「王国同士の交流会の帰りでございます。いつも通りの道を通っていたのですが……まさか盗賊に襲われるなんて思ってもいませんでした……」

と、メイドは俯いてしまった。

「ですが、あなた方が来てくれたおかげ何とか助かりました!そのお礼も兼ねて王国にお連れいたします!私はミザリィです!」

と、メイドはニコッと笑った。

「ミザリィさん!いい名前ですね。俺は万秀映です!」

「うちはサーリセルカ!」

「ぼ、僕はダイノです……」

各々が自分の名前を言うとメイドはよろしくお願いします!とまるで少女のような笑顔で言った。

「私はミルフィです!」

「わたくしはユヴァスキュラ。ヴァンター王の第一王女ですわ。」

ユヴァスキュラはキリッとした表情で3人にそう告げた。

「ユ、ユヴァスキュラ王女……いかにもって感じの人だな!よろしくお願いします。王女様。」

万はそう言うと王女に跪き、手の甲にキスをした。

「ふふっ……よろしく。さて、皆さんお腹がすいているでしょう?馬車の中に少しばかりですがパンとハムがあります。どうぞお召し上がりください。」

ユヴァスキュラがそう言うとダイノと万は「いただきます!」と、勢い良く言い真っ先に馬車へと向かった。

「あっ!こら2人共!すまん。行儀悪うて」

サーリセルカがユヴァスキュラに謝る。
しかしユヴァスキュラは「お元気そうでなりよりです」と、ニッコリと笑った。

「さぁ、ミルフィ。馬の操縦お願いしますわ。ミザリィはサーリさんを乗せて差し上げて?」

そう言うとメイド2人は「かしこまりました。」と、息を合わせ各々の位置へ向かって行った。

「さて。執事たちの死体は私がどうにかしますわ。盗賊どもは獣にでも食わせましょう。」

そう言うとユヴァスキュラは死んでしまった2体の執事に触れる。
そして手を祈るように合わせ目を瞑る

『儚くして散って逝った哀れな若きこの人間をお許しください』

天に召さる神々の光コール・トゥ・ヘブン

ユヴァスキュラがそう唱えた瞬間。執事達の体が金色の光に包まれボロボロと崩れ始めた。

「どうか……どうか天国でもお元気で」

ユヴァスキュラが手を合わせ消えた執事たちの無事を祈った。
その様子をミルフィがこっそりと見ていた。

「ユヴァスキュラお嬢様……その異名は使エンド・オブ・ユヴァスキュラ。あの人が戦ったら一体どうなる事やら……」

そしてユヴァスキュラが馬車に乗り込んだ事を確認するとミルフィは馬にムチを打ち、発進させた。


┈┈┈┈???┈┈┈┈┈

パチパチと燃え盛る炎。
どこかの小国がブラックナイト達に襲われ、消滅しかけていた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「み、みんな逃げろぉ!」
「ど、どうか!どうかこの子だけは!」

人々の悲鳴、助けを求める声が響く。

「へっへっへっ!この国もあっさり政略されちまったなぁ!」

と、人間の腕をボリボリと食べるパンクメイクをし、爆弾を大量に背負った耳の長いダークエルフがそういった。
その男の腕にはダイノと同じ紋章がタトゥーで入っていた。

「やっぱりこの死神爆弾ことハイウェイジョニー様に敵う国なんてねぇって事だ!アッハッハッハ!」

そう名乗ったダークエルフは街を闊歩しながら爆弾を投げ続ける。

「アッハッハッハ!……ん?なんだあいつ」

ジョニーはこちらに正面を合わせた男がいることに気が付いた。

「おいおいおい!なんだお前!」

ジョニーはその男に近付く。

「そこは俺様の道だ!どかねぇと爆発させんぞ!?」

そう言うがその男は微動だにせずジョニーを睨みつける。

「貴様……悪いエルフか?」

男はジョニーに質問する

「あ?だったらなんだ?おめぇには関係ないだろうがよ!」

「私は……質問しているのだ……貴様は悪いエルフかと……」

男は腰にある刀の柄を握る。

「あぁん?!なんなんださっきから!気持ち悪いやつだな!あぁ、そうだよ俺は悪いエルフさ!だから……」

ジョニーは腰にあるナイフを手に取る

「お前を殺しまーーーーす!」

ジョニーはそのナイフを男目掛けて突き刺そうとする。
しかし

「阿呆め」

シャキン……
ボトッ


男は視認することが難しい速さでジョニーの首を切った。

(……こいつでもないか)

男はそう思うと刀を鞘にしまう。

「必ず……必ず見つけ出してやる……この……の名にかけて……」

男はそう言うと国を後にした。
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