13 / 30
俊之3
しおりを挟む
真紘から由紀が祐一のことを断りたいと連絡があった。
はぁ、祐一になんて言おう。かなり気に入ってたよな。
授業の終わりに敢えてサラリと伝えてみた。
やはりショックだったみたいだ。
顔から表情が抜け落ちた。
その後もずっと黙ったままだ。
一応ダメな理由も言っておいた。
かわいそうなので飲みにでも誘ってやるか。
声をかけようと思っていたらいつの間にか居なくなっていた。
「一回だけチャンスをもらった!」
祐一はあの後学校まで行ったらしい。由紀に直接会ってデートの約束を取り付けてきた。
祐一にしては珍しいことだ。
そんなに由紀を気に入ったのか。スマホでいろいろ調べている。
真紘に由紀の好きなものを聞いてみるか。
「祐一、頑張れよ。」
「ああ。ありがとう。」
こんな祐一は初めて見るな。
頑張れ祐一!
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
悲壮感を漂わせた祐一がいきなり家にやって来た。
由紀とデートしてきたらしい。
『考えさせて』と言われたみたいでかなり落ち込んでいる。
今から真紘とイチャイチャしようとしてたけど、祐一があまりにも落ち込んでいるから話だけでも聞いてやるか。
俺は一生懸命励ましているのに真紘は祐一に冷たい。
少し真紘を咎めたらその矛先が俺に向かってきた。
確かに真紘の言う通りだ。
俺と番いになることを考えさせて欲しいと言われた。
え?え?ウソだろ?何で…?
真紘は本気のようだ。
え?真紘と番いになれない?そんな…。
ショックで身体が震えてきた。真紘と番いになることだけを楽しみにしてきたのに。
俺の由紀に対する態度がどうしても気に入らないみたいだ。前々から言われていたけどあまり重要視していなかった。
こんなに怒るなんて…。
俺よりも由紀を取るとまで言われてしまった。
どうしよう…。真紘に捨てられるかもしれない。
どうしたらいいんだ。由紀に謝るか?
捨てられたら生きていけない。
祐一が帰ったあと俺は真紘に土下座した。
真紘の目は冷たかった。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
真紘が全然会ってくれない。忙しいと言われて断られてしまう。
番いにならないどころか、このまま別れるかもしれない。
不安で全然眠れない。
どうしよう…。
とぼとぼ歩きながら大学から帰る。いつもなら車で真紘を迎えに行くけど今日はメッセージに既読もつかない。四日も真紘に会ってない。
「トシくん。」
俺を呼ぶ可愛い声に顔を上げる。
マンションのエントランスの前に学生服姿の真紘がいた。
「真紘…。」
走って真紘の近くに行く。
「ごめん。スマホ忘れちゃって。」
あぁ、それで今日は既読にならなかったのか…。
「真紘、会いたかった。」
「うん。ごめん。補修受けてて…。」
恥ずかしそうに真紘が言った。
補修だったのか。良かった…。嫌われたんじゃないんだ。
「ううん。今日はいいのか?」
「うん。ヒートで出席日数が足りない分だけ。あと、古典がちょっと点数が足りなくて…。」
「うん。勉強なら俺が見てやるよ。」
恥ずかしそうにする真紘をぎゅっと抱きしめた。
頭にちゅっとキスをする。
「真紘、ごめんな。由紀くんのこと。俺、今度会った時に本人に直接謝るよ。だからその…。」
俺は真紘の身体を離すとその場に土下座した。通行人もいるけどそんなの知ったこっちゃない。
「トシくん⁉︎」
「真紘、俺と番いになって下さい。お願いします!」
「ト、トシくん!やめてよ。みんな見てるよ。」
真紘が俺の肩に手を乗せる。
「嫌だ!番いになってくれるって言うまではやめない。」
「トシくん、分かったから…。」
土下座したまま顔を上げた。真紘は困った顔をしている。
「真紘、お願いだから…。」
「もう、狡いよ。」
「狡くても何でもいい。真紘が俺の番いになってくれるなら、何でもする。」
「分かったよ。」
真紘はため息を吐きながら柔らかく微笑んだ。
その顔を見てほっとした俺はそのまま真紘を抱きしめた。
やっと息が出来た気がする。
「あ、あ、トシくん!あぁん!」
「ん、あぁ、真紘、真紘、はぁ、気持ちいい…」
座った上に真紘を乗せ下から突き上げる。時々可愛いピンクの乳首を吸ったり舐めたりする。
「真紘、また出そう…出る!真紘っ!くっ!」
「あーーーっ!はぁん!いくっ!」
真紘の中に思いっきり吐き出した。ぎゅっと抱きしめてそのままベッドに倒れた。
「真紘、可愛い。愛してる。」
「はぁはぁ、もうダメ…。」
「もう?真紘、もっとしたい。」
「トシくん…ダメ。」
俺は日付けが変わるまで真紘を離せなかった。
はぁ、祐一になんて言おう。かなり気に入ってたよな。
授業の終わりに敢えてサラリと伝えてみた。
やはりショックだったみたいだ。
顔から表情が抜け落ちた。
その後もずっと黙ったままだ。
一応ダメな理由も言っておいた。
かわいそうなので飲みにでも誘ってやるか。
声をかけようと思っていたらいつの間にか居なくなっていた。
「一回だけチャンスをもらった!」
祐一はあの後学校まで行ったらしい。由紀に直接会ってデートの約束を取り付けてきた。
祐一にしては珍しいことだ。
そんなに由紀を気に入ったのか。スマホでいろいろ調べている。
真紘に由紀の好きなものを聞いてみるか。
「祐一、頑張れよ。」
「ああ。ありがとう。」
こんな祐一は初めて見るな。
頑張れ祐一!
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
悲壮感を漂わせた祐一がいきなり家にやって来た。
由紀とデートしてきたらしい。
『考えさせて』と言われたみたいでかなり落ち込んでいる。
今から真紘とイチャイチャしようとしてたけど、祐一があまりにも落ち込んでいるから話だけでも聞いてやるか。
俺は一生懸命励ましているのに真紘は祐一に冷たい。
少し真紘を咎めたらその矛先が俺に向かってきた。
確かに真紘の言う通りだ。
俺と番いになることを考えさせて欲しいと言われた。
え?え?ウソだろ?何で…?
真紘は本気のようだ。
え?真紘と番いになれない?そんな…。
ショックで身体が震えてきた。真紘と番いになることだけを楽しみにしてきたのに。
俺の由紀に対する態度がどうしても気に入らないみたいだ。前々から言われていたけどあまり重要視していなかった。
こんなに怒るなんて…。
俺よりも由紀を取るとまで言われてしまった。
どうしよう…。真紘に捨てられるかもしれない。
どうしたらいいんだ。由紀に謝るか?
捨てられたら生きていけない。
祐一が帰ったあと俺は真紘に土下座した。
真紘の目は冷たかった。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
真紘が全然会ってくれない。忙しいと言われて断られてしまう。
番いにならないどころか、このまま別れるかもしれない。
不安で全然眠れない。
どうしよう…。
とぼとぼ歩きながら大学から帰る。いつもなら車で真紘を迎えに行くけど今日はメッセージに既読もつかない。四日も真紘に会ってない。
「トシくん。」
俺を呼ぶ可愛い声に顔を上げる。
マンションのエントランスの前に学生服姿の真紘がいた。
「真紘…。」
走って真紘の近くに行く。
「ごめん。スマホ忘れちゃって。」
あぁ、それで今日は既読にならなかったのか…。
「真紘、会いたかった。」
「うん。ごめん。補修受けてて…。」
恥ずかしそうに真紘が言った。
補修だったのか。良かった…。嫌われたんじゃないんだ。
「ううん。今日はいいのか?」
「うん。ヒートで出席日数が足りない分だけ。あと、古典がちょっと点数が足りなくて…。」
「うん。勉強なら俺が見てやるよ。」
恥ずかしそうにする真紘をぎゅっと抱きしめた。
頭にちゅっとキスをする。
「真紘、ごめんな。由紀くんのこと。俺、今度会った時に本人に直接謝るよ。だからその…。」
俺は真紘の身体を離すとその場に土下座した。通行人もいるけどそんなの知ったこっちゃない。
「トシくん⁉︎」
「真紘、俺と番いになって下さい。お願いします!」
「ト、トシくん!やめてよ。みんな見てるよ。」
真紘が俺の肩に手を乗せる。
「嫌だ!番いになってくれるって言うまではやめない。」
「トシくん、分かったから…。」
土下座したまま顔を上げた。真紘は困った顔をしている。
「真紘、お願いだから…。」
「もう、狡いよ。」
「狡くても何でもいい。真紘が俺の番いになってくれるなら、何でもする。」
「分かったよ。」
真紘はため息を吐きながら柔らかく微笑んだ。
その顔を見てほっとした俺はそのまま真紘を抱きしめた。
やっと息が出来た気がする。
「あ、あ、トシくん!あぁん!」
「ん、あぁ、真紘、真紘、はぁ、気持ちいい…」
座った上に真紘を乗せ下から突き上げる。時々可愛いピンクの乳首を吸ったり舐めたりする。
「真紘、また出そう…出る!真紘っ!くっ!」
「あーーーっ!はぁん!いくっ!」
真紘の中に思いっきり吐き出した。ぎゅっと抱きしめてそのままベッドに倒れた。
「真紘、可愛い。愛してる。」
「はぁはぁ、もうダメ…。」
「もう?真紘、もっとしたい。」
「トシくん…ダメ。」
俺は日付けが変わるまで真紘を離せなかった。
189
あなたにおすすめの小説
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
巣作りΩと優しいα
伊達きよ
BL
αとΩの結婚が国によって推奨されている時代。Ωの進は自分の夢を叶えるために、流行りの「愛なしお見合い結婚」をする事にした。相手は、穏やかで優しい杵崎というαの男。好きになるつもりなんてなかったのに、気が付けば杵崎に惹かれていた進。しかし「愛なし結婚」ゆえにその気持ちを伝えられない。
そんなある日、Ωの本能行為である「巣作り」を杵崎に見られてしまい……
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
運命はいつもその手の中に
みこと
BL
子どもの頃運命だと思っていたオメガと離れ離れになったアルファの亮平。周りのアルファやオメガを見るうちに運命なんて迷信だと思うようになる。自分の前から居なくなったオメガを恨みながら過ごしてきたが、数年後にそのオメガと再会する。
本当に運命はあるのだろうか?あるならばそれを手に入れるには…。
オメガバースものです。オメガバースの説明はありません。
世界一大好きな番との幸せな日常(と思っているのは)
かんだ
BL
現代物、オメガバース。とある理由から専業主夫だったΩだけど、いつまでも番のαに頼り切りはダメだと働くことを決めたが……。
ド腹黒い攻めαと何も知らず幸せな檻の中にいるΩの話。
策士オメガの完璧な政略結婚
雨宮里玖
BL
完璧な容姿を持つオメガのノア・フォーフィールドは、性格悪と陰口を叩かれるくらいに捻じ曲がっている。
ノアとは反対に、父親と弟はとんでもなくお人好しだ。そのせいでフォーフィールド子爵家は爵位を狙われ、没落の危機にある。
長男であるノアは、なんとしてでものし上がってみせると、政略結婚をすることを思いついた。
相手はアルファのライオネル・バーノン辺境伯。怪物のように強いライオネルは、泣く子も黙るほどの恐ろしい見た目をしているらしい。
だがそんなことはノアには関係ない。
これは政略結婚で、目的を果たしたら離婚する。間違ってもライオネルと番ったりしない。指一本触れさせてなるものか——。
一途に溺愛してくるアルファ辺境伯×偏屈な策士オメガの、拗らせ両片想いストーリー。
オメガ大学生、溺愛アルファ社長に囲い込まれました
こたま
BL
あっ!脇道から出てきたハイヤーが僕の自転車の前輪にぶつかり、転倒してしまった。ハイヤーの後部座席に乗っていたのは若いアルファの社長である東条秀之だった。大学生の木村千尋は病院の特別室に入院し怪我の治療を受けた。退院の時期になったらなぜか自宅ではなく社長宅でお世話になることに。溺愛アルファ×可愛いオメガのハッピーエンドBLです。読んで頂きありがとうございます。今後随時追加更新するかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる