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寂れた公園、久しぶりに来たな。遊具はこんなに小さかったっけ。
タコの遊具はほとんど色が剥げている。もっと大きかったはずだ。いや、そうじゃない。俺が大きくなったんだ。
タコの遊具に近づくと膝を抱えて丸まって座る頭が見えた。
「拓実。」
小さな身体はビクッと震えて頭を上げた。
何故こんなに怯えているんだ。
「拓実。」
もう一度名前を呼んだ。
「亮平…。」
「そっちに行っても良い?」
優しく声を掛けた。
「うん。」
満が説得して何とか会ってもらえる事になった。
ここの公園を指定したのは俺だ。俺たちは何かあるとここに来てタコの遊具の中で話をした。
遊具の中に入って隣に座った。小学生の頃は余裕があったのに今は二人入ればギチギチだ。
「拓実、久しぶりだね。」
「うん。」
「転校したって聞いた時、すごく驚いた。そんで悲しかった。なんで何も言わず居なくなったのかって。」
「うん。」
「拓実、何があったんだ?」
拓実は俺がフランスに行った次の日の朝に急に引っ越す事を知らされて、引っ越し業者が押し寄せて荷物を梱包しあっという間に持って行った。
拓実は何度も両親に抗議したが『こうするしかない』としか言ってくれず、最後には母親が泣き出してしまい、もう何も言えなくなってしまった。
俺に何も言えずに引っ越した事が心残りだったけど住所を知っていたので手紙を送ろうと思い何度も手紙を送った。送り続けていたけど俺からの返事は一度もなく半年くらいして俺からもう送ってくるなと返事が来た。
それ以来手紙を出すのをやめた。
電話も何回か掛けたけど取り次いでもらえず、電話に出たお手伝いさんに話をしたくないと言伝をもらってから電話もしなくなった。
拓実の話を聞いて唖然とした。俺の知らないところで…。
「拓実、俺は一通も手紙はもらってないんだ。電話があったことも知らない。」
「えっ?」
誰の仕業か調べなくても分かる。俺の母親だ。
あのクソババア、勝手な事しやがって。
「もう少し大きくなってから聞いたんだけど、父さんが東京の職場で大きなミスをしてF県に飛ばされたって。亮平のお母さんが会社の偉い人と知り合いでミスを帳消しにする代わりにF県の子会社に行くように取り計らってくれた。」
どういうことだ?あのクソババアがそんなことする訳がない。何か魂胆があるはずだ。
「拓実、何回も神川駅に来てくれたんだって?うちに来れば良かったのに。」
母親は家にいないことの方が多い。もっと早くに拓実に会いたかった。
「駅で、その、亮平が女の子と居るのを見て…」
女と一緒のところを見られたのか。
クソっ!母親もクソならその息子の俺もクソだ。せっかく拓実が俺に会いに来てくれたのに。
「ごめん。いつ見たのかは分からないけど、彼女とかじゃないから。」
「あと俺、亮平がオメガ嫌いって知らなくて。」
オメガが嫌い?あぁ、あの時か。ショッピングモールで澤乃井が言ったことだ。
「ごめん。嫌いじゃないよ。俺、拓実に捨てられたと思ってたから。だからあんな事言ったり、オメガに辛く当たって。ごめん。本当にごめん。」
拓実が小さく首を振った。
「怖かったんだ。亮平に嫌われてるのに東京の学校に進学したり駅にまで行ったり、バレたら余計嫌われる…。」
「拓実…。」
だから怯えてたのか。
膝に顔を埋めて泣く拓実を抱きしめた。
暖かくて懐かしい匂いだ。俺の大好きな匂い。
「嫌いな訳ないだろ?ずっと拓実に会いたかった。」
「うん。」
「拓実、会いたかった。大好きだ。」
「うん、うん。俺も…。」
抱きしめたまま頭に何度もキスをした。
「手紙には何て書いてくれたの?」
「え?どうでもいい事ばっかりだよ。背が伸びたとか、ソードオブメモリー全クリしたとか。」
「うん。拓実の手紙、読みたかった。後は?」
「えっと、忘れた。でも亮平に会いたいはいつも書いてた…。」
そう言ってまた涙をこぼした。
「拓実…。」
俺は自分ばかりが辛いと思っていた。拓実もずっと辛かったんだ。
返事の来ない手紙を出し続けた拓実の気持ちを思うと胸が締め付けられる。俺に会いたい一心で東京に戻ってきてくれた。
拓実の顔を上に向かせた。そっと涙を拭いそのまま唇を押し付ける。
ピクリと身体が小さく動いた。でも抵抗せずじっと受け入れてくれた。
「拓実、大好きだよ。」
目を潤ませて俺を見る拓実に何度もキスをした。
しばらくキスしたり抱きしめたりしていると子どもたちが公園に入ってきた。
さすがにもうイチャつけない。
タコの遊具から二人で出ると子どもたちにギョッとした顔をされた。拓実は小さくて可愛いけど背の高い俺が入る場所じゃない。
拓実の手を引いて公園を出た。
このまま離れたくない。どこに行こうか。
今日はクソババアが家にいる日だ。うちには連れて帰れない。拓実も親戚の家に居るって言ってたしな。
手を繋いで歩きながら拓実を見た。
本当に可愛いな。
拓実は背は伸びたけど、俺の伸びるスピードの方が早くて小学生の頃より身長差がある。可愛いつむじだなと思って見ていると俺を見上げてにっこり笑った。
あーもう、マジで可愛い。可愛い過ぎる。
思わず立ち止まってキスをした。
「亮平っ!外だよ!」
顔を赤くして逃げられた。
クソ可愛い。
「ごめん。もうしない。」
また手を繋いで歩き出した。
そうだ、あそこに行ってみるか。
タコの遊具はほとんど色が剥げている。もっと大きかったはずだ。いや、そうじゃない。俺が大きくなったんだ。
タコの遊具に近づくと膝を抱えて丸まって座る頭が見えた。
「拓実。」
小さな身体はビクッと震えて頭を上げた。
何故こんなに怯えているんだ。
「拓実。」
もう一度名前を呼んだ。
「亮平…。」
「そっちに行っても良い?」
優しく声を掛けた。
「うん。」
満が説得して何とか会ってもらえる事になった。
ここの公園を指定したのは俺だ。俺たちは何かあるとここに来てタコの遊具の中で話をした。
遊具の中に入って隣に座った。小学生の頃は余裕があったのに今は二人入ればギチギチだ。
「拓実、久しぶりだね。」
「うん。」
「転校したって聞いた時、すごく驚いた。そんで悲しかった。なんで何も言わず居なくなったのかって。」
「うん。」
「拓実、何があったんだ?」
拓実は俺がフランスに行った次の日の朝に急に引っ越す事を知らされて、引っ越し業者が押し寄せて荷物を梱包しあっという間に持って行った。
拓実は何度も両親に抗議したが『こうするしかない』としか言ってくれず、最後には母親が泣き出してしまい、もう何も言えなくなってしまった。
俺に何も言えずに引っ越した事が心残りだったけど住所を知っていたので手紙を送ろうと思い何度も手紙を送った。送り続けていたけど俺からの返事は一度もなく半年くらいして俺からもう送ってくるなと返事が来た。
それ以来手紙を出すのをやめた。
電話も何回か掛けたけど取り次いでもらえず、電話に出たお手伝いさんに話をしたくないと言伝をもらってから電話もしなくなった。
拓実の話を聞いて唖然とした。俺の知らないところで…。
「拓実、俺は一通も手紙はもらってないんだ。電話があったことも知らない。」
「えっ?」
誰の仕業か調べなくても分かる。俺の母親だ。
あのクソババア、勝手な事しやがって。
「もう少し大きくなってから聞いたんだけど、父さんが東京の職場で大きなミスをしてF県に飛ばされたって。亮平のお母さんが会社の偉い人と知り合いでミスを帳消しにする代わりにF県の子会社に行くように取り計らってくれた。」
どういうことだ?あのクソババアがそんなことする訳がない。何か魂胆があるはずだ。
「拓実、何回も神川駅に来てくれたんだって?うちに来れば良かったのに。」
母親は家にいないことの方が多い。もっと早くに拓実に会いたかった。
「駅で、その、亮平が女の子と居るのを見て…」
女と一緒のところを見られたのか。
クソっ!母親もクソならその息子の俺もクソだ。せっかく拓実が俺に会いに来てくれたのに。
「ごめん。いつ見たのかは分からないけど、彼女とかじゃないから。」
「あと俺、亮平がオメガ嫌いって知らなくて。」
オメガが嫌い?あぁ、あの時か。ショッピングモールで澤乃井が言ったことだ。
「ごめん。嫌いじゃないよ。俺、拓実に捨てられたと思ってたから。だからあんな事言ったり、オメガに辛く当たって。ごめん。本当にごめん。」
拓実が小さく首を振った。
「怖かったんだ。亮平に嫌われてるのに東京の学校に進学したり駅にまで行ったり、バレたら余計嫌われる…。」
「拓実…。」
だから怯えてたのか。
膝に顔を埋めて泣く拓実を抱きしめた。
暖かくて懐かしい匂いだ。俺の大好きな匂い。
「嫌いな訳ないだろ?ずっと拓実に会いたかった。」
「うん。」
「拓実、会いたかった。大好きだ。」
「うん、うん。俺も…。」
抱きしめたまま頭に何度もキスをした。
「手紙には何て書いてくれたの?」
「え?どうでもいい事ばっかりだよ。背が伸びたとか、ソードオブメモリー全クリしたとか。」
「うん。拓実の手紙、読みたかった。後は?」
「えっと、忘れた。でも亮平に会いたいはいつも書いてた…。」
そう言ってまた涙をこぼした。
「拓実…。」
俺は自分ばかりが辛いと思っていた。拓実もずっと辛かったんだ。
返事の来ない手紙を出し続けた拓実の気持ちを思うと胸が締め付けられる。俺に会いたい一心で東京に戻ってきてくれた。
拓実の顔を上に向かせた。そっと涙を拭いそのまま唇を押し付ける。
ピクリと身体が小さく動いた。でも抵抗せずじっと受け入れてくれた。
「拓実、大好きだよ。」
目を潤ませて俺を見る拓実に何度もキスをした。
しばらくキスしたり抱きしめたりしていると子どもたちが公園に入ってきた。
さすがにもうイチャつけない。
タコの遊具から二人で出ると子どもたちにギョッとした顔をされた。拓実は小さくて可愛いけど背の高い俺が入る場所じゃない。
拓実の手を引いて公園を出た。
このまま離れたくない。どこに行こうか。
今日はクソババアが家にいる日だ。うちには連れて帰れない。拓実も親戚の家に居るって言ってたしな。
手を繋いで歩きながら拓実を見た。
本当に可愛いな。
拓実は背は伸びたけど、俺の伸びるスピードの方が早くて小学生の頃より身長差がある。可愛いつむじだなと思って見ていると俺を見上げてにっこり笑った。
あーもう、マジで可愛い。可愛い過ぎる。
思わず立ち止まってキスをした。
「亮平っ!外だよ!」
顔を赤くして逃げられた。
クソ可愛い。
「ごめん。もうしない。」
また手を繋いで歩き出した。
そうだ、あそこに行ってみるか。
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