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「とりあえず孝太郎さんを探そう。」
「あ、ああ。さっき向こうにいた。IT系の人たちと集まってたよ。」
平林が会場の奥の方を指差した。
その差した方へ早足で向かう。
「桜沢、どういうこと?ないって何?」
「『スタービューホテル』の広報の人に聞いたんだよ。オメガ限定プランなんてない。」
歩きながら平林に説明する。スマホを取り出し拓実に電話してするが出ない。
嫌な予感しかない。
「あ、いた。あそこっ!」
ダークネイビーのスーツを着た孝太郎さんはオーラが出ていてとても目立っている。アルファだらけの中でもすぐに見つけることが出来た。
「孝太郎さんっ!」
仲の良い四人で談笑していたようだが構わず話しかけた。
四人とも驚いている。失礼だとか言っている場合じゃない。
「どうした?啓くんも…。」
「孝太郎さん、大変です。ちょっと良いですか?」
俺の様子に只事ではないと感じたのだろう。
すぐに三人で会場の外に出た。
「どうしたんだ?」
「『スタービューホテル』のオメガ限定プランなんてなかったんです。」
「ん?どういうことだ?」
「星崎さんに、『スタービューホテル』の広報の人に聞きました。そんなプランやってないって。」
「何を言ってるんだ?チケットもあっただろ?この間、弘海がそのQRコードから予約を入れていた。今日も送って行って…。それがないって?どういうことだ?」
孝太郎さんの顔に徐々に緊張が走る。
「まさか…。オメガ狩り…?」
平林が真っ青な顔で呟いた。
そう。俺が一番恐れていること。
アルファの目を離れてオメガが一人になった。
正確には三人だけど。
でも、番いになっていないオメガが何者かに嵌められてアルファから離れてしまった。
「オメガ狩り?何だそれは。……はっ!いや、まさか。」
「孝太郎さん、知ってるんですか?」
孝太郎さんは右手で口を覆っている。
「と、都市伝説じゃないのか?」
「いえ、本当にあったことです。関わっていた人物を知っています。」
「何だって!!」
孝太郎さんはフリーズしてしまった。
「満は?満…満。桜沢っ!どうしよう…満は?」
「弘海…弘海が?」
孝太郎さんはスマホを取り出し弘海さんに電話をかけた。それを見た平林も満にかけたけど二人とも出なかった。
「とにかく『スタービューホテル』に行こう。三人がホテルに入って行ったのは確かだ。」
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「星崎さん、すいません。」
「いえ、大変なことが起きているいうことは伝わるんですが、何があったんですか?」
孝太郎さんの運転する車で『スタービューホテル』に向かっている。星崎に頼んで一緒に来てもらった。車の中は只ならぬ緊張感に包まれている。
「実は…。」
俺はオメガ狩りについて知っていることと俺たちの大事なオメガが『スタービューホテル』のオメガ限定プランに行くと言って連絡がつかないことを話した。
「オメガ狩り…。聞いたことあります。都市伝説かと…。」
星崎さんは綺麗な顔を歪めた。スマホを出して誰かにメッセージを送っている。
「万が一の時のために応援を呼びました。宝来さん、オメガはうちのホテルに入ったんですね?」
「ええ。メインエントランスで三人を降ろして入っていくのをこの目で見ました。」
「後で警備室の監視カメラで確認してみましょう。録画されているはずです。」
ホテルに着いてベルボーイに車をお願いする。
そのままホテルの警備室に直行した。
「専務?どうされましたか?」
「監視カメラの映像を見せて欲しい。」
「は、はい。いつの映像ですか?」
警備員がパソコンを操作しながら聞いた。
「今日の午後二時くらいだ。まずメインエントランスを頼む。」
孝太郎さんが警備員に言った。
一時五十五分に巻き戻した映像を倍速で流し始めた。
俺たちはその映像を食い入るように見つめる。
「いた!この三人だ!」
映像の隅には一時五十七分と表示されている。
もう一度巻き戻して標準速度で再生した。
間違いない。拓実たちだ。
「次はロビーの一番で。」
星崎さんの指示でロビー①と書かれた映像を流す。エントランスから歩いて来る三人が映っている。
フロントに向かおうとする三人に誰が声をかけた。背格好からすると男だが、顔までは見えない。三人は少し話をするとその男に着いて行った。
「次はロビーの五番。」
三人と男ががエレベーターホールに向かって歩いている。
「エレベーターホール。」
エレベーターを待つ四人。男は八階のボタンを押して四人で乗り込んだ。
「エレベーター二号機。」
エレベーター内の映像だ。楽しそうな三人と男。八階で降りた。
監視カメラの映像を追って部屋まで分かった。部屋に入る三人は少し躊躇って困惑しているようだった。
その後、三人が部屋を出て来ることはなかった。
「どうしましょう。」
「乗り込むか?」
「いや、それよりもベルボーイのフリをして部屋に入ってみますか?」
「星崎さん、良いんですか?」
「ええ。私の大事なホテルの名前を語って卑劣なことをするなんて許せません。これは『スタービューホテル』の潔白を証明するためでもあります。それにオメガが大事なのは分かります。一応フロントにこの部屋の宿泊客を調べさせましょう。おそらく偽名を使っているかと思いますが。」
「よし、じゃあ行こう。」
「あ、ああ。さっき向こうにいた。IT系の人たちと集まってたよ。」
平林が会場の奥の方を指差した。
その差した方へ早足で向かう。
「桜沢、どういうこと?ないって何?」
「『スタービューホテル』の広報の人に聞いたんだよ。オメガ限定プランなんてない。」
歩きながら平林に説明する。スマホを取り出し拓実に電話してするが出ない。
嫌な予感しかない。
「あ、いた。あそこっ!」
ダークネイビーのスーツを着た孝太郎さんはオーラが出ていてとても目立っている。アルファだらけの中でもすぐに見つけることが出来た。
「孝太郎さんっ!」
仲の良い四人で談笑していたようだが構わず話しかけた。
四人とも驚いている。失礼だとか言っている場合じゃない。
「どうした?啓くんも…。」
「孝太郎さん、大変です。ちょっと良いですか?」
俺の様子に只事ではないと感じたのだろう。
すぐに三人で会場の外に出た。
「どうしたんだ?」
「『スタービューホテル』のオメガ限定プランなんてなかったんです。」
「ん?どういうことだ?」
「星崎さんに、『スタービューホテル』の広報の人に聞きました。そんなプランやってないって。」
「何を言ってるんだ?チケットもあっただろ?この間、弘海がそのQRコードから予約を入れていた。今日も送って行って…。それがないって?どういうことだ?」
孝太郎さんの顔に徐々に緊張が走る。
「まさか…。オメガ狩り…?」
平林が真っ青な顔で呟いた。
そう。俺が一番恐れていること。
アルファの目を離れてオメガが一人になった。
正確には三人だけど。
でも、番いになっていないオメガが何者かに嵌められてアルファから離れてしまった。
「オメガ狩り?何だそれは。……はっ!いや、まさか。」
「孝太郎さん、知ってるんですか?」
孝太郎さんは右手で口を覆っている。
「と、都市伝説じゃないのか?」
「いえ、本当にあったことです。関わっていた人物を知っています。」
「何だって!!」
孝太郎さんはフリーズしてしまった。
「満は?満…満。桜沢っ!どうしよう…満は?」
「弘海…弘海が?」
孝太郎さんはスマホを取り出し弘海さんに電話をかけた。それを見た平林も満にかけたけど二人とも出なかった。
「とにかく『スタービューホテル』に行こう。三人がホテルに入って行ったのは確かだ。」
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「星崎さん、すいません。」
「いえ、大変なことが起きているいうことは伝わるんですが、何があったんですか?」
孝太郎さんの運転する車で『スタービューホテル』に向かっている。星崎に頼んで一緒に来てもらった。車の中は只ならぬ緊張感に包まれている。
「実は…。」
俺はオメガ狩りについて知っていることと俺たちの大事なオメガが『スタービューホテル』のオメガ限定プランに行くと言って連絡がつかないことを話した。
「オメガ狩り…。聞いたことあります。都市伝説かと…。」
星崎さんは綺麗な顔を歪めた。スマホを出して誰かにメッセージを送っている。
「万が一の時のために応援を呼びました。宝来さん、オメガはうちのホテルに入ったんですね?」
「ええ。メインエントランスで三人を降ろして入っていくのをこの目で見ました。」
「後で警備室の監視カメラで確認してみましょう。録画されているはずです。」
ホテルに着いてベルボーイに車をお願いする。
そのままホテルの警備室に直行した。
「専務?どうされましたか?」
「監視カメラの映像を見せて欲しい。」
「は、はい。いつの映像ですか?」
警備員がパソコンを操作しながら聞いた。
「今日の午後二時くらいだ。まずメインエントランスを頼む。」
孝太郎さんが警備員に言った。
一時五十五分に巻き戻した映像を倍速で流し始めた。
俺たちはその映像を食い入るように見つめる。
「いた!この三人だ!」
映像の隅には一時五十七分と表示されている。
もう一度巻き戻して標準速度で再生した。
間違いない。拓実たちだ。
「次はロビーの一番で。」
星崎さんの指示でロビー①と書かれた映像を流す。エントランスから歩いて来る三人が映っている。
フロントに向かおうとする三人に誰が声をかけた。背格好からすると男だが、顔までは見えない。三人は少し話をするとその男に着いて行った。
「次はロビーの五番。」
三人と男ががエレベーターホールに向かって歩いている。
「エレベーターホール。」
エレベーターを待つ四人。男は八階のボタンを押して四人で乗り込んだ。
「エレベーター二号機。」
エレベーター内の映像だ。楽しそうな三人と男。八階で降りた。
監視カメラの映像を追って部屋まで分かった。部屋に入る三人は少し躊躇って困惑しているようだった。
その後、三人が部屋を出て来ることはなかった。
「どうしましょう。」
「乗り込むか?」
「いや、それよりもベルボーイのフリをして部屋に入ってみますか?」
「星崎さん、良いんですか?」
「ええ。私の大事なホテルの名前を語って卑劣なことをするなんて許せません。これは『スタービューホテル』の潔白を証明するためでもあります。それにオメガが大事なのは分かります。一応フロントにこの部屋の宿泊客を調べさせましょう。おそらく偽名を使っているかと思いますが。」
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