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第四章 天使
34歳の宰相か一人の人間としてか
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帝議会の日から三週間が過ぎ、11月も半ば過ぎになってきた。
ナオは無事に新しい政策を実行に移していて、成果も上がり始めていた。
しかし、思わぬところで足元をすくわれることとなった。
西の海に広がるエルシュロスベルグ王国との国境の大都市ネルト。
他国との貿易により非常に拡大してきた都市だ。
その都市を治めるはシャルル・グロ公爵。
まだ45歳ほどではあるが、父親から所領をついでから10年ほどでネルトの街を大都市に変えた切れ者。
勝利至上主義で厳しい部分は多いが、善政を敷いていて都市の住民から人気もあり、街は大いに賑わっている。
そのシャルル公爵はネルトの都市に入る通行税を倍以上に引き上げた。
この通行税はその都市の領主が掛けている都市税である。
通行税が値上がりすれば、エルシュロスベルグからオルネアに入る行商人は減少してしまう。
さらにネルトでの税金の負担が大きくなると、余力のない行商人はそのあと遠い経済特区都市ティレーズまでのいくのが厳しくなる。
そうなればネルトの街だけで商売を終えて国に帰ってしまうという事態になりかねなくなり、経済特区策には大きな障害になってしまう。
ナオは知らせを受け、すぐさま馬車で国境都市ネルトに入っていた。
「これはこれは!たぐいまれなる美貌で宰相になられたナオ殿ではありませんか。よくぞ、参られた!」
「シャルル公爵。お初にお目にかかります。
オルネア帝国宰相ナオ・クレルモン=フェランと申します。
流石は公爵の治める大都市ネルト。非常に素晴らしい都市でございました。とても素晴らしい景観であり、活気に満ち溢れていらっしゃる。
皇都も見習わねばとただただ思うところばかりでございます。」
皮肉混じりの公爵の挨拶をナオは礼儀をもって返す。
『何を大人ぶっておる、小娘め・・・』
公爵は心の中で鼻で笑う。
シャルル公の公邸の広間にて茶会が開かれていた。
シャルル公爵と取り巻きの貴族、そしてネルトを牛耳る豪商人が参列していた。明らかに皇都で見る貴族たちよりも豪華な衣装を身にしている。
ナオはステインベルグ王子ブラハと侍女のロレンツェと共に茶会に乗り込んだ。
しかし、2時間前にネルトについたばかり、衣装もドレスではなく宰相の制服で臨んだ。
「それにしてもナオ殿。せっかくの私の茶会に来たのだ。そんな制服は脱いで、華やかなドレスに着替えてこられたらいかがか?
ご安心されよ。客室にネルトの誇るドレスデザイナーの一品を用意しよう。」
小娘はおとなしく着飾って茶や芸術の話でもしていればよい。
ハナから政治的な話をするつもりなどないという非常に馬鹿にした雰囲気だ。
「お気遣いありがとうございます。
しかしながら、私は本日はオルネア帝国宰相として参りました。
本日はこれが私のドレスです。
それに今はこうしたパンツスーツなのでシークレットブーツで大きくなっており、上辺だけの威厳を保っております。
ドレス姿になればただの娘。
ご婦人方は皇都でもなかなかお目にかかれないとても綺麗な宝飾をまとわれて、非常に美麗。
私はこのままでないと目立つ事ができません。」
ナオは周りの見渡し、最後にシャルル公爵を見て、にっこりとほほ笑む。
「ふはははは!
ナオ殿、了解した。そのままで茶会を楽しまれよ!」
「注目されている場でさすがの返しですな。見事な器量をお持ちだ。
何人も愛妾を抱える殿下の下で身体一つでさらに宰相になった方ですな!」
次の瞬間、一気に静寂が広がる。
『し・・・しまった』
シャルル公爵はうっかり言ってしまった失言に気付いた。
最初の挨拶では軽く皮肉で受け流せる程度だったが、流石に今度とばかりは確実に帝国宰相を侮辱した形になってしまった。
シャルル公爵はヒヤリとする。
ナオは驚いたが、すぐに笑顔に戻る。
「シャルル公爵は勘違いされていらっしゃいます。確かに私は妾ではありますが、色仕掛けで宰相になったわけではありません。
証拠の言葉になるかはわかりませんが、私は陛下と夜を共にしたことはありません。それどころか、いまだに私は純潔を保っております。
しかし、釈明のためとはいえ、無粋なお話、申し訳ございません。」
ナオは右手を胸に当て軽く頭を下げた。
今度は広間が騒然となる。
まさか、あの女好きの暴君が手を出していないなどとは・・・。
あちらこちらでこのような言葉が聞こえる。
「なんと実直な女性よ!
噂ばかりの憶測での失言、許されよ。
今回来られた理由は通行税の撤廃についてであろう?」
シャルル公爵は気を取り直して本題に入った。
「国として今回の政策は非常に優秀だと思うが、我々国境の都市では事情が違うのだよ。
今回の政策では行商人がネルトを素通りして内陸まで行ってしまう。
そうさせないためのわが都市の政策だ。
これは国と都市との相容れない問題だ。
いかに優秀な宰相どのでもこれだけは譲れぬよ。」
流石の切れ者。すでにナオの来城の理由を把握していた。
さらに、先ほどの失言をシャルル公爵主体の話にすり替えている。
「流石はシャルル公爵。
私がなぜ来たのかを完全に把握していらっしゃいます。
ネルトのことを考えるとまさにその通りですが、少し反論させていただきます。
今、通行税を上げては短期的に見ては税収は上がりますが、街としては衰退してしまうかもしれません。
オルネアは5つの国に囲まれた帝国です。
特区都市ティレーズはそのどの国からもほぼ同じくらいの距離にあります。
特区の経済活動が盛んになれば当然その4国との交易が盛んになり、ネルトの専売特許のエルシュロスベルグ王国との貿易が衰退します。
そうなればエルシュロスベルグの行商人はわざわざ通行税の高いオルネアには来ず、海を渡ってロレアン公国やロシュフォール・サンダンジェリ王国との交易のほうに力を入れることになるでしょう。
結果はお分かりの通り、ネルトは陸の孤島と化してしまうでしょう。
シャルル公爵のことです。そこまでお考えになってそれを打破する計画をお持ちなのでしょう。
私には思い描けませんでしたのでご教示いただけるとうれしいですわ。」
シャルル公爵はもちろんのこと、周囲の参列者も言葉を失う。
参列者の多くはネルトで成功した貴族や豪商だ。
ナオの説明したシナリオに関心と恐怖を感じていたのだ。
シャルル公爵はしばらく考えてから口を開いた。
その眉間には深いしわが入り、表情が次第に強張っていく。
「流石は宰相どの。
私にはその後の計画はあるのだが、その前に忘れてはおらんか?
我々ネルトが行った都市政策をほかの国境の都市がやらぬ保証はどこにあろうか。
多くの都市でこの都市政策をやれば経済特区自体が破滅するのではないか?
ナオ殿が今ここにいる事が何よりの証拠。
そうすれば帝国の財政はひっ迫、これまでも幾度も行っていたようにそれこそ臣民に負担の大きい徴税を繰り返すであろう?
我々はこの数年の陛下の強いた圧政ともとれるつらい徴税のことを忘れたわけではない!」
一気に形勢逆転である。
先ほどまでナオの言葉に動かされていた周囲が今度はオルネア王国代表であるナオに敵意の目を向け始めた。
『しまった・・・。状況を論破しても意味がなかった・・・。
本当の敵は帝国への不信・・・。わかっていたはずなのに・・・。』
ナオは唇をかむ。交渉のやり方を間違えたと感じていた。
帝国への信用を取り戻すことを優先すべきだったのに、状況の打破から入ってしまった。
この状況からの信用回復は並大抵ではない。
しかし、このまま終わることはできない。
「帝国が全国民に非常に無理を強いたことは理解しております。
帝国に対して不信感を募らせていることも承知しております。
しかし、この経済特区策そのものが帝国の国力増強をめざしており、圧政徴税ともいわれた無理な徴税をしないためのものなんです。
帝国はもはや以前の姿ではありません。
貧困に苦しむ方が多くいます。
私は宰相という服を与えられましたが、その服を脱げばただの帝国臣民に戻ります。
帝国臣民として、人間として分け隔てなく幸せになりたいと思う気持ちは一緒なのです!」
目の奥には皇都の貧困に苦しむ人々の顔が浮かび、目じりが熱くなる。
「今度は泣き落としか・・・。
なるほど、財政に苦しむ国が宰相を女にした理由がよくわかる。
では宰相殿よ!そこまで言うならば!人のために尽力する一人のただの人間というならば!
このネルトの都市民の前で宰相服を脱ぎ捨てるがいい!!
王国の圧政に苦しんだこのネルトの!このネルトの市民の前で裸になり、自分が一帝国民だと証明するがいい!!
さすれば、宰相殿のことを認めよう!徴税も無くすことを約束しよう!
それができないならば、今日にも皇都にかえるがよい!!
シャルル公爵は怒号にも近い声でナオに言い放った。
明らかに帝国に対しての並々ならぬ憎悪が入った声だった。
あまりの迫力に驚愕して、ナオはその場に立っていられず座り込んでしまった。
すぐにブラハが駆け寄ってきて、腕をとって支えてくれる。
「ナオ殿!大丈夫ですか!?」
ブラハは放心状態のナオに声をかけるがナオには全く聞こえていなかった・・・。
ナオは無事に新しい政策を実行に移していて、成果も上がり始めていた。
しかし、思わぬところで足元をすくわれることとなった。
西の海に広がるエルシュロスベルグ王国との国境の大都市ネルト。
他国との貿易により非常に拡大してきた都市だ。
その都市を治めるはシャルル・グロ公爵。
まだ45歳ほどではあるが、父親から所領をついでから10年ほどでネルトの街を大都市に変えた切れ者。
勝利至上主義で厳しい部分は多いが、善政を敷いていて都市の住民から人気もあり、街は大いに賑わっている。
そのシャルル公爵はネルトの都市に入る通行税を倍以上に引き上げた。
この通行税はその都市の領主が掛けている都市税である。
通行税が値上がりすれば、エルシュロスベルグからオルネアに入る行商人は減少してしまう。
さらにネルトでの税金の負担が大きくなると、余力のない行商人はそのあと遠い経済特区都市ティレーズまでのいくのが厳しくなる。
そうなればネルトの街だけで商売を終えて国に帰ってしまうという事態になりかねなくなり、経済特区策には大きな障害になってしまう。
ナオは知らせを受け、すぐさま馬車で国境都市ネルトに入っていた。
「これはこれは!たぐいまれなる美貌で宰相になられたナオ殿ではありませんか。よくぞ、参られた!」
「シャルル公爵。お初にお目にかかります。
オルネア帝国宰相ナオ・クレルモン=フェランと申します。
流石は公爵の治める大都市ネルト。非常に素晴らしい都市でございました。とても素晴らしい景観であり、活気に満ち溢れていらっしゃる。
皇都も見習わねばとただただ思うところばかりでございます。」
皮肉混じりの公爵の挨拶をナオは礼儀をもって返す。
『何を大人ぶっておる、小娘め・・・』
公爵は心の中で鼻で笑う。
シャルル公の公邸の広間にて茶会が開かれていた。
シャルル公爵と取り巻きの貴族、そしてネルトを牛耳る豪商人が参列していた。明らかに皇都で見る貴族たちよりも豪華な衣装を身にしている。
ナオはステインベルグ王子ブラハと侍女のロレンツェと共に茶会に乗り込んだ。
しかし、2時間前にネルトについたばかり、衣装もドレスではなく宰相の制服で臨んだ。
「それにしてもナオ殿。せっかくの私の茶会に来たのだ。そんな制服は脱いで、華やかなドレスに着替えてこられたらいかがか?
ご安心されよ。客室にネルトの誇るドレスデザイナーの一品を用意しよう。」
小娘はおとなしく着飾って茶や芸術の話でもしていればよい。
ハナから政治的な話をするつもりなどないという非常に馬鹿にした雰囲気だ。
「お気遣いありがとうございます。
しかしながら、私は本日はオルネア帝国宰相として参りました。
本日はこれが私のドレスです。
それに今はこうしたパンツスーツなのでシークレットブーツで大きくなっており、上辺だけの威厳を保っております。
ドレス姿になればただの娘。
ご婦人方は皇都でもなかなかお目にかかれないとても綺麗な宝飾をまとわれて、非常に美麗。
私はこのままでないと目立つ事ができません。」
ナオは周りの見渡し、最後にシャルル公爵を見て、にっこりとほほ笑む。
「ふはははは!
ナオ殿、了解した。そのままで茶会を楽しまれよ!」
「注目されている場でさすがの返しですな。見事な器量をお持ちだ。
何人も愛妾を抱える殿下の下で身体一つでさらに宰相になった方ですな!」
次の瞬間、一気に静寂が広がる。
『し・・・しまった』
シャルル公爵はうっかり言ってしまった失言に気付いた。
最初の挨拶では軽く皮肉で受け流せる程度だったが、流石に今度とばかりは確実に帝国宰相を侮辱した形になってしまった。
シャルル公爵はヒヤリとする。
ナオは驚いたが、すぐに笑顔に戻る。
「シャルル公爵は勘違いされていらっしゃいます。確かに私は妾ではありますが、色仕掛けで宰相になったわけではありません。
証拠の言葉になるかはわかりませんが、私は陛下と夜を共にしたことはありません。それどころか、いまだに私は純潔を保っております。
しかし、釈明のためとはいえ、無粋なお話、申し訳ございません。」
ナオは右手を胸に当て軽く頭を下げた。
今度は広間が騒然となる。
まさか、あの女好きの暴君が手を出していないなどとは・・・。
あちらこちらでこのような言葉が聞こえる。
「なんと実直な女性よ!
噂ばかりの憶測での失言、許されよ。
今回来られた理由は通行税の撤廃についてであろう?」
シャルル公爵は気を取り直して本題に入った。
「国として今回の政策は非常に優秀だと思うが、我々国境の都市では事情が違うのだよ。
今回の政策では行商人がネルトを素通りして内陸まで行ってしまう。
そうさせないためのわが都市の政策だ。
これは国と都市との相容れない問題だ。
いかに優秀な宰相どのでもこれだけは譲れぬよ。」
流石の切れ者。すでにナオの来城の理由を把握していた。
さらに、先ほどの失言をシャルル公爵主体の話にすり替えている。
「流石はシャルル公爵。
私がなぜ来たのかを完全に把握していらっしゃいます。
ネルトのことを考えるとまさにその通りですが、少し反論させていただきます。
今、通行税を上げては短期的に見ては税収は上がりますが、街としては衰退してしまうかもしれません。
オルネアは5つの国に囲まれた帝国です。
特区都市ティレーズはそのどの国からもほぼ同じくらいの距離にあります。
特区の経済活動が盛んになれば当然その4国との交易が盛んになり、ネルトの専売特許のエルシュロスベルグ王国との貿易が衰退します。
そうなればエルシュロスベルグの行商人はわざわざ通行税の高いオルネアには来ず、海を渡ってロレアン公国やロシュフォール・サンダンジェリ王国との交易のほうに力を入れることになるでしょう。
結果はお分かりの通り、ネルトは陸の孤島と化してしまうでしょう。
シャルル公爵のことです。そこまでお考えになってそれを打破する計画をお持ちなのでしょう。
私には思い描けませんでしたのでご教示いただけるとうれしいですわ。」
シャルル公爵はもちろんのこと、周囲の参列者も言葉を失う。
参列者の多くはネルトで成功した貴族や豪商だ。
ナオの説明したシナリオに関心と恐怖を感じていたのだ。
シャルル公爵はしばらく考えてから口を開いた。
その眉間には深いしわが入り、表情が次第に強張っていく。
「流石は宰相どの。
私にはその後の計画はあるのだが、その前に忘れてはおらんか?
我々ネルトが行った都市政策をほかの国境の都市がやらぬ保証はどこにあろうか。
多くの都市でこの都市政策をやれば経済特区自体が破滅するのではないか?
ナオ殿が今ここにいる事が何よりの証拠。
そうすれば帝国の財政はひっ迫、これまでも幾度も行っていたようにそれこそ臣民に負担の大きい徴税を繰り返すであろう?
我々はこの数年の陛下の強いた圧政ともとれるつらい徴税のことを忘れたわけではない!」
一気に形勢逆転である。
先ほどまでナオの言葉に動かされていた周囲が今度はオルネア王国代表であるナオに敵意の目を向け始めた。
『しまった・・・。状況を論破しても意味がなかった・・・。
本当の敵は帝国への不信・・・。わかっていたはずなのに・・・。』
ナオは唇をかむ。交渉のやり方を間違えたと感じていた。
帝国への信用を取り戻すことを優先すべきだったのに、状況の打破から入ってしまった。
この状況からの信用回復は並大抵ではない。
しかし、このまま終わることはできない。
「帝国が全国民に非常に無理を強いたことは理解しております。
帝国に対して不信感を募らせていることも承知しております。
しかし、この経済特区策そのものが帝国の国力増強をめざしており、圧政徴税ともいわれた無理な徴税をしないためのものなんです。
帝国はもはや以前の姿ではありません。
貧困に苦しむ方が多くいます。
私は宰相という服を与えられましたが、その服を脱げばただの帝国臣民に戻ります。
帝国臣民として、人間として分け隔てなく幸せになりたいと思う気持ちは一緒なのです!」
目の奥には皇都の貧困に苦しむ人々の顔が浮かび、目じりが熱くなる。
「今度は泣き落としか・・・。
なるほど、財政に苦しむ国が宰相を女にした理由がよくわかる。
では宰相殿よ!そこまで言うならば!人のために尽力する一人のただの人間というならば!
このネルトの都市民の前で宰相服を脱ぎ捨てるがいい!!
王国の圧政に苦しんだこのネルトの!このネルトの市民の前で裸になり、自分が一帝国民だと証明するがいい!!
さすれば、宰相殿のことを認めよう!徴税も無くすことを約束しよう!
それができないならば、今日にも皇都にかえるがよい!!
シャルル公爵は怒号にも近い声でナオに言い放った。
明らかに帝国に対しての並々ならぬ憎悪が入った声だった。
あまりの迫力に驚愕して、ナオはその場に立っていられず座り込んでしまった。
すぐにブラハが駆け寄ってきて、腕をとって支えてくれる。
「ナオ殿!大丈夫ですか!?」
ブラハは放心状態のナオに声をかけるがナオには全く聞こえていなかった・・・。
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