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第七章 叛逆
34歳への重なる信頼と偶然に隠される真実
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「ロレンツェ!今は混迷を極めている。混乱に乗じてさらによからぬ事が起こってしまうかもしれない。
体勢を立て直す為に、とにかくここを離れてまずは皇都に出ましょう!」
「わかりました。なるべく、人目を避けて参ります。」
ロレンツェはそういうとナオに短剣を返す。その後、気を失っているだけの衛兵の剣を拾い上げる。
そして二人は走り始めた。
「必要に迫られたとはいえ、陛下の短剣を使ってしまって申し訳ありません。
なにかご事情があってお持ちなのに・・・。」
「気にしないで。確かに陛下の物だけど、私もこれがそんなに大そうなものだとは思ってなかったから。」
ロレンツェはなぜナオが短剣を持っているのか疑問に思っていたが、あえて聞かなかった。
だが隠す必要はないとばかりにナオはそのことを話し始める。
「昨日の晩に皇帝陛下が部屋に来たの。
それでいろいろあって、陛下が短剣を忘れて帰ってしまったの。」
先ほどの衛兵が言っていた事と何か関係があるのでは?
そのいろいろが知りたい、とロレンツェは思うが走りながらではそうはいかない。
「詳しくは後で話すね。今はちょっと難しい。」
ロレンツェの早いスピードにナオは必死に合わせて走るが、すでに息が切れて辛そうだ。
だがなんとか走り切り、皇城を出れる東門のところまで来た。
建物の死角から門の様子を伺う。
東門は皇城正面の正門よりも小さな裏門に当たる。当然普段は正門より警備は薄いのだが、今は有事だ。かなりの数の衛兵が詰めている。
その中にナオが見知った顔があった。
賢老フィリップ・パスカルとナオの公式私設部隊の面々が数人いる。
ナオたちは安堵の気持ちを覚えて物陰から出る。
「フィリップ様。」
ロレンツェはフィリップに声を掛けた。フィリップがロレンツェたちに気づく。
「ナオ殿、ロレンツェ!」
フィリップは大きな声で二人の名前を呼んだ。無事で何よりという顔をする。だが、
「ナオ殿を叛逆罪で逮捕する!大人しく投降しろ!」
言葉と同時に衛兵に二人は囲まれてしまった。
「そんな・・・フィリップ殿まで・・・。」
ナオは打ちひしがれた。さすがにこれは精神的衝撃が大きい。
一歩前に出ているロレンツェは剣を構えてすでに牽制している。
「大人しく投降しろ。」
再度、フィリップはナオに呼びかけた。
「ナオ様、お気を確かに。・・・どうしますか?」
ロレンツェもナオがどう出るか、わからなかった。指示を仰ぐ。
「・・・みんなとは戦えないわ。投降しましょう。」
「・・・わかりました。」
ロレンツェは剣を捨てて、両手を挙げた。
ロレンツェとナオは捕縛され、二人は両手を縄で縛られた。
そして東門の外に待機していた馬車に乗せられた。
皇都にある警邏隊詰所の拘置所に送られるらしい。
「まったく、何をやっておる。」
出発した馬車を一瞥してフィリップは呟いた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ロレンツェとナオは大人しく馬車に揺られていた。
ナオはこれからどうすべきか、必死に頭を巡らせている。
突如、走っている馬車のドアが開き、御者台から人が入ってきた。
「クリストフ殿!」
ナオが驚きの声を発した。
クリストフはすぐに縄を外し始めた。
「よう、ナオ嬢。嵌められちゃったなあ。」
相変わらず緊張感の無いどこか抜けた感じで話す、賢老フィリップの息子クリストフ。
「父上の演技は見事だったろ?
これで無事皇城を脱出できたわけだ。」
皇城から皇都に出るには必ず、衛兵の多くいる門を通らなければならない。
本来なら戦闘を避けられなかったはずだ。
「フィリップ殿、それであんな風に大きく捕り物劇を演じたのですね。」
「そうゆうこと。それに今ナオ嬢の味方して一緒に投獄されたら、誰も動けなくなっちゃうだろ?」
なるほど、さすがに頭が回る。ナオはフィリップを感心した。
「クリストフ殿!状況を説明してください!何が起こってるんです?」
ロレンツェはユルいクリストフを問い詰める。
「おうおう、ロレンツェ。落ち着いて。
えっと、こういうことだ。
深夜未明に皇帝の居室の不死鳥宮から火の手が上がった。
その後に愛妾の住む、後宮からも火の手が上がった。
衛兵も何人も殺されていた。
そこにナオ嬢が北の亡国の王女で、機を見計らって皇帝を暗殺したという話が出てきた。
そして火を放って逃亡したってな。」
「しかし、そんな流言を誰が信じるんですか!?」
「いや、それが今日の日中に、武術大会で優勝した騎士がナオ嬢の配下で、表彰台で暗殺の最後の打ち合わせをしていたと皇城警備隊隊長に進言に来ていた帝議会の元議員がいたらしいんだよ。」
「なにそれ!?」
「その元議員は口を読んだらしくて、それでは証拠にならないと追い払われたらしい。
ナオ嬢があの仲の良い皇帝を暗殺するなんて誰も思わないしな。」
「仲の良い!?」
「ああ、今は仲いいんだろう?元日に皇帝とナオ嬢を見たやつはみんなそう言ってるぜ。
二人のあの近い距離感はお互いの信頼の証だってな。
もう通じてんだよな?」
「んなっ!」
思わぬクリストフの言葉にナオは赤面する。瞬時に皇帝とのキスを思い出してしまった。
今はそれどころではないと頭を振って雑念を払おうとする。
おかげで少し冷静になった。同時にちょっとした行動から噂は生まれるのだと、恐怖も感じる。
「とにかく、流言が真実味を帯びたんだ。そこにさらに気絶させられていた衛兵がナオ嬢が皇帝の、伝家の宝剣を奪って持っていたと証言した。」
ナオの隣で一緒に聞いているロレンツェの顔が、みるみる青くなっていく。
罠を張った者の策と偶然とが重なり、ナオが叛逆者であることを確かなものにしてしまった。
「俺たちはもちろんナオ嬢がそんなことはしないと信じてる。だから今こうしてる。
でも、王女というのは本当なのか?」
クリストフは疑念を持って言っているわけではないのがわかる。単純な興味だ。
「・・・ええ。多分その通り。北の亡国アルマニャック王国の王女みたい。
私は過去の記憶を失っている。その過去の事を優勝した騎士マルクは教えてくれた。
でも、皇帝陛下を暗殺なんてしていない!
確かに昨夜会っていたのは事実だけど、殺すなんてしたくない!」
クリストフに向けた弁明の言葉であったが、同時に皇帝を赦すと決めたナオ自身の心も宿っていた。
「ハハハ。大丈夫。俺たちは何があっても信じるさ。みんなナオ嬢の事をわかってる。なあ?」
クリストフはロレンツェの方を向いた。ロレンツェは無言でコクリと頷く。
「信じてくれてありがとう。」
ナオの目頭が少し熱くなる。
「それで、皇帝は?どうなってしまったの?」
皇城の衛兵は誰も皇帝の安否の事を言っていなかった。
ナオは不安が募っていた。ナオは意を決して尋ねる。
「皇帝は一応は無事だ。
ただ、煙を多く吸いすぎて意識不明の重体だ。」
大変な事にはなっているが、最悪の結果にならなかった。ナオは安堵して胸をなで下ろした。
「今、この馬車は俺の、パスカル家の屋敷に向かってる。
とりあえずそこで身を隠すといい。
ほれ、これ父上の書状。家の者に渡せばうまくやってくれる。」
ナオはクリストフからパスカル家の蝋封がしてある封書を受け取る。
「じゃあ、俺は父上の所に戻る。後は御者台のレルミタに頼んでいるから。」
クリストフはそう言って走っている馬車のドアを開けた。
すると伴走する騎士一人が馬を駆って近づいてくる。
クリストフはその騎士の後ろにまたがって、馬車から離れていった。
丘の上で誰かが遠くから近づいてくるナオたちの馬車を見下ろす。
この丘は以前クリストフが盗賊稼業をしていた時に使っていた、見晴らしのいい丘だった。
「宰相殿の読み通りだ。クククク。」
体勢を立て直す為に、とにかくここを離れてまずは皇都に出ましょう!」
「わかりました。なるべく、人目を避けて参ります。」
ロレンツェはそういうとナオに短剣を返す。その後、気を失っているだけの衛兵の剣を拾い上げる。
そして二人は走り始めた。
「必要に迫られたとはいえ、陛下の短剣を使ってしまって申し訳ありません。
なにかご事情があってお持ちなのに・・・。」
「気にしないで。確かに陛下の物だけど、私もこれがそんなに大そうなものだとは思ってなかったから。」
ロレンツェはなぜナオが短剣を持っているのか疑問に思っていたが、あえて聞かなかった。
だが隠す必要はないとばかりにナオはそのことを話し始める。
「昨日の晩に皇帝陛下が部屋に来たの。
それでいろいろあって、陛下が短剣を忘れて帰ってしまったの。」
先ほどの衛兵が言っていた事と何か関係があるのでは?
そのいろいろが知りたい、とロレンツェは思うが走りながらではそうはいかない。
「詳しくは後で話すね。今はちょっと難しい。」
ロレンツェの早いスピードにナオは必死に合わせて走るが、すでに息が切れて辛そうだ。
だがなんとか走り切り、皇城を出れる東門のところまで来た。
建物の死角から門の様子を伺う。
東門は皇城正面の正門よりも小さな裏門に当たる。当然普段は正門より警備は薄いのだが、今は有事だ。かなりの数の衛兵が詰めている。
その中にナオが見知った顔があった。
賢老フィリップ・パスカルとナオの公式私設部隊の面々が数人いる。
ナオたちは安堵の気持ちを覚えて物陰から出る。
「フィリップ様。」
ロレンツェはフィリップに声を掛けた。フィリップがロレンツェたちに気づく。
「ナオ殿、ロレンツェ!」
フィリップは大きな声で二人の名前を呼んだ。無事で何よりという顔をする。だが、
「ナオ殿を叛逆罪で逮捕する!大人しく投降しろ!」
言葉と同時に衛兵に二人は囲まれてしまった。
「そんな・・・フィリップ殿まで・・・。」
ナオは打ちひしがれた。さすがにこれは精神的衝撃が大きい。
一歩前に出ているロレンツェは剣を構えてすでに牽制している。
「大人しく投降しろ。」
再度、フィリップはナオに呼びかけた。
「ナオ様、お気を確かに。・・・どうしますか?」
ロレンツェもナオがどう出るか、わからなかった。指示を仰ぐ。
「・・・みんなとは戦えないわ。投降しましょう。」
「・・・わかりました。」
ロレンツェは剣を捨てて、両手を挙げた。
ロレンツェとナオは捕縛され、二人は両手を縄で縛られた。
そして東門の外に待機していた馬車に乗せられた。
皇都にある警邏隊詰所の拘置所に送られるらしい。
「まったく、何をやっておる。」
出発した馬車を一瞥してフィリップは呟いた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ロレンツェとナオは大人しく馬車に揺られていた。
ナオはこれからどうすべきか、必死に頭を巡らせている。
突如、走っている馬車のドアが開き、御者台から人が入ってきた。
「クリストフ殿!」
ナオが驚きの声を発した。
クリストフはすぐに縄を外し始めた。
「よう、ナオ嬢。嵌められちゃったなあ。」
相変わらず緊張感の無いどこか抜けた感じで話す、賢老フィリップの息子クリストフ。
「父上の演技は見事だったろ?
これで無事皇城を脱出できたわけだ。」
皇城から皇都に出るには必ず、衛兵の多くいる門を通らなければならない。
本来なら戦闘を避けられなかったはずだ。
「フィリップ殿、それであんな風に大きく捕り物劇を演じたのですね。」
「そうゆうこと。それに今ナオ嬢の味方して一緒に投獄されたら、誰も動けなくなっちゃうだろ?」
なるほど、さすがに頭が回る。ナオはフィリップを感心した。
「クリストフ殿!状況を説明してください!何が起こってるんです?」
ロレンツェはユルいクリストフを問い詰める。
「おうおう、ロレンツェ。落ち着いて。
えっと、こういうことだ。
深夜未明に皇帝の居室の不死鳥宮から火の手が上がった。
その後に愛妾の住む、後宮からも火の手が上がった。
衛兵も何人も殺されていた。
そこにナオ嬢が北の亡国の王女で、機を見計らって皇帝を暗殺したという話が出てきた。
そして火を放って逃亡したってな。」
「しかし、そんな流言を誰が信じるんですか!?」
「いや、それが今日の日中に、武術大会で優勝した騎士がナオ嬢の配下で、表彰台で暗殺の最後の打ち合わせをしていたと皇城警備隊隊長に進言に来ていた帝議会の元議員がいたらしいんだよ。」
「なにそれ!?」
「その元議員は口を読んだらしくて、それでは証拠にならないと追い払われたらしい。
ナオ嬢があの仲の良い皇帝を暗殺するなんて誰も思わないしな。」
「仲の良い!?」
「ああ、今は仲いいんだろう?元日に皇帝とナオ嬢を見たやつはみんなそう言ってるぜ。
二人のあの近い距離感はお互いの信頼の証だってな。
もう通じてんだよな?」
「んなっ!」
思わぬクリストフの言葉にナオは赤面する。瞬時に皇帝とのキスを思い出してしまった。
今はそれどころではないと頭を振って雑念を払おうとする。
おかげで少し冷静になった。同時にちょっとした行動から噂は生まれるのだと、恐怖も感じる。
「とにかく、流言が真実味を帯びたんだ。そこにさらに気絶させられていた衛兵がナオ嬢が皇帝の、伝家の宝剣を奪って持っていたと証言した。」
ナオの隣で一緒に聞いているロレンツェの顔が、みるみる青くなっていく。
罠を張った者の策と偶然とが重なり、ナオが叛逆者であることを確かなものにしてしまった。
「俺たちはもちろんナオ嬢がそんなことはしないと信じてる。だから今こうしてる。
でも、王女というのは本当なのか?」
クリストフは疑念を持って言っているわけではないのがわかる。単純な興味だ。
「・・・ええ。多分その通り。北の亡国アルマニャック王国の王女みたい。
私は過去の記憶を失っている。その過去の事を優勝した騎士マルクは教えてくれた。
でも、皇帝陛下を暗殺なんてしていない!
確かに昨夜会っていたのは事実だけど、殺すなんてしたくない!」
クリストフに向けた弁明の言葉であったが、同時に皇帝を赦すと決めたナオ自身の心も宿っていた。
「ハハハ。大丈夫。俺たちは何があっても信じるさ。みんなナオ嬢の事をわかってる。なあ?」
クリストフはロレンツェの方を向いた。ロレンツェは無言でコクリと頷く。
「信じてくれてありがとう。」
ナオの目頭が少し熱くなる。
「それで、皇帝は?どうなってしまったの?」
皇城の衛兵は誰も皇帝の安否の事を言っていなかった。
ナオは不安が募っていた。ナオは意を決して尋ねる。
「皇帝は一応は無事だ。
ただ、煙を多く吸いすぎて意識不明の重体だ。」
大変な事にはなっているが、最悪の結果にならなかった。ナオは安堵して胸をなで下ろした。
「今、この馬車は俺の、パスカル家の屋敷に向かってる。
とりあえずそこで身を隠すといい。
ほれ、これ父上の書状。家の者に渡せばうまくやってくれる。」
ナオはクリストフからパスカル家の蝋封がしてある封書を受け取る。
「じゃあ、俺は父上の所に戻る。後は御者台のレルミタに頼んでいるから。」
クリストフはそう言って走っている馬車のドアを開けた。
すると伴走する騎士一人が馬を駆って近づいてくる。
クリストフはその騎士の後ろにまたがって、馬車から離れていった。
丘の上で誰かが遠くから近づいてくるナオたちの馬車を見下ろす。
この丘は以前クリストフが盗賊稼業をしていた時に使っていた、見晴らしのいい丘だった。
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