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義両親と作戦会議
「話はセリーシアから聞いたが、具体的にどうするつもりだ?」
セリーシアは義お母様の名前。なので、硬い声で聞いてくるのは、義お父様だ。ちなみに、義お父様の名前はカイザルっていうの。
「なにもしません。ただ、いつも通りに学園に通うだけです」
「なるほど、通学途中を襲わせる気か?」
さすがお父様、正確に私の意図を読んでくれている。
「はい」
「だが、希望通りに動いてくれるか?」
「それはわかりません。でも、あの様子なら、高い確率でなにかしら動くと思います。現に、カイナル様も学園を休ませようとしていましたし」
普通なら、行動は起こさない。でも、ラメール侯爵令嬢様と夫人は普通じゃない。頭の中お花畑だもの、自分の良いように変換する人種。なら、馬鹿な行動を起こすと思うの。
「そうか、少し弱く感じるが?」
義お父様に指摘されて考え込む。確かに、確実に動かせる、なにかあと一押しがあれば……
「……なければ、作ればいいのでは?」
義お母様が提案してくれた。でも、なにを?
「作る……あっ、そうか、噂を流せばいいのでは?」
「例えば、どんな噂なの?」
笑顔の義お母様に突っ込まれた。
「そうですね……番を解消できるおまじないがあるとか……それではまだ弱いですね。だったら、番を解消し、新たに結び付けることができる、おまじないはどうですか?」
「番を解消し、新たに結び付けるね……それなら、あのお花畑たちは動くわね。但し、おまじないではなくて黒魔法にしましょう」
闇魔法ではなく黒魔法。黒魔法は禁断の魔法って言われてるし、お花畑は信じ込みそう。
それにしても、すっごく楽しそう義お母様。よっぽど、迷惑したんだね。わかるけど。
「でもどうやって、噂を流しますか……時間もありませんし」
あと三日だからね。
「それなら、明日、私がそれとなくお茶会で流すわ。半日もかからずに、その耳に届くわよ」
ヒエッ!? マジですか!? 田舎のおばちゃんの井戸端会議並みに早い。
「しかし、ユリシアを誘拐するのは物理的に難しいだろ?」
義お父様、いったいどこまで把握してるのかな。
「そうですね。持っていかないわけにはいかないので、侍女を一人同行させるのはどうですか?」
悪いけど、女性騎士に侍女服を着せて。なら、人質にとって私を誘拐できるよね。
「侍女を?」
「女性騎士に頼むのは駄目でしょうか?」
カイナル様の配下にも女性騎士はいるけど、喧嘩中の今は借りれない。となれば、義お父様しかいないよね。だから、お伺いを立ててみる。
「……いけそうだな」
「そうね、私もいけると思うわ。ユリシアちゃんって、ほんと楽しい子ね。カイナルの番でなくても、我が家に迎え入れたいほど可愛くて最高よ」
義お母様はそう言うと、私をギュッと抱き締め膝の上に乗せた。
カイナル様ならわかるけど、私、もう膝の上に乗るような年齢じゃないんだけど……でも、義お父様も義お母様も嬉しそうだからいいかな。それに、番抜きで迎え入れたいって言われて、お世辞でも嬉しかった。
それにしても、サクサクと決まったね……一時間もかからなかったよ。これがカイナル様だったら、有に一日以上かかっても駄目な気がするよ。気力だけ削ぎ落とされてね。
今頃、カイナル様はどうしてるのかな……
「カイナルが気になるの?」
「気になりません!!」
ちょうど、カイナル様のことを考えていたから、義お母様の台詞にはびっくりしたけど、私の天邪鬼なところが出てしまった。
「そう?」
「私にも地雷があることを、カイナル様は知るべきです」
私がそう答えると、義お母様はまたギュッと抱き締めてきた。
「初々しいわ~私たちも昔はそうだったわね、カイゼル」
義お母様が義お父様に話を振ると、義お父様はやけにソワソワしだした。視線も反らしている。
「……あったな、私たちにも」
義お父様は小さな声で呟くように言った。
なにがあったんだろう……私とカイナル様以上の喧嘩でもしたのかな?
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