反転の書〜異界の扉が開いた現実世界を生きるという事

Fragment Weaver

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第1章 はじまり

行動力

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私は読書が好きである。いや、正確には過去形かもしれない。



私は昔から読書が好きだった。
私にとって初めて許された気軽に出来る趣味らしい趣味が読書であったからだ。

無駄に厳しい家庭に育ったせいもあって

子供時代は常に緊張を強いられる環境に育った。

外では何も知らない世間知らずの若僧として
疎外され見下される事がとても嫌で
唯一読書によって得た知識によって周囲を見返す事が出来た時
私は見下されずに済んだ。
そのような経験も手伝って私は学生時代の頃は読書にのめり込んでいた。
若い頃の私にとって読書とは知識を得る手段であると同時に
周囲に馴染めない自分自身の存在を忘れる手段でもあったのだ。


そんな私が最も好んだ小説ジャンルは
ファンタジー小説だった。
私を圧倒する壮大かつ流麗な物語の数々は
歳をとる毎に世知辛さを思い知らされるクソのような世の中にあって
ほんの一時でも自身を取り巻く諸々の悩みを忘れさせてくれた。

そんな学生生活も終わり
周囲の環境も当然のように変わって行った。
バイトをしながら一人暮らしを始めた私は
読書から次第に遠ざかっていった。
……

久しぶりに来る本屋で新書コーナーを眺めながらそんな事を思い出しているうちに
あるライトノベルのコーナーで足が止まる。

始めに言っておこう。
私はライトノベルというジャンルを
侮ってはいない。
確かに最初こそ文体と世界観のチープさに(数少ない例外はあるが)辟易したものだったが、
元々そういうものとして見れば良いのである。
「小説とマンガの中間に位置する活字のメディア媒体」
として私は捉えている。
ただでさえ心身共に余裕の無い多くの現代人にとって
ハードボイルドなSF長編のような硬派ジャンルは
その道の熱烈な愛好家以外からは敬遠されがちだ。
知人に勧められるか、映像化で話題になってから手に取る層の方が多いだろう。

時間の無い現代人にとってファストフードが主流に変わりつつあるように
愛好される書籍の種類もまた時代と共に変わって行くのだろう。

と、そのような感慨と共に一冊のラノベ本を手にする。
見るからに最近ラノベ界隈でよくある異世界転生ものだ。

ファンタジー小説において異界に纏わる話など珍しくも無いのだが
最近の(特にライトノベルは)少し趣向が異なっているがここでは割愛する。

私はレジで精算を済ませ目的の書籍を脇に抱えて足取りも軽く店を出ると大急ぎで帰路に就いた。
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