66 / 118
断片化された体系
真円の月
しおりを挟む「代行者」という存在は、古くは聖なる存在の御使いとして崇められる対象でもあったが、時代が下ると共にその神性は薄められ、忘却の彼方へと追いやられていきがちである。
その存在ごと忘却の中へと押しやられた代行者達は数知れず、彼等が姿を消すと同時にそれらによって存在に依って支えられていた街々も消えていった。
そんな中、古き言葉で「輝く月」を意味するという彼女の名は、人の世にも数多の概念と習合と離散を繰り返しながら姿形を変えて今も確かに生き続けている古参として、力ある代行者の内でも稀有な存在の一つだった。
彼女には刻々と移り変わる月のように、様々な姿があるという。しかし、彼女と出会った時、その姿は少なくとも私の眼には、珠のような肌を有し輝くような白金の如き髪を靡かせる乙女として映った。
しかし、油断は出来ない。何故なら彼女は、美と再生を司ると同時に、死と破壊を司る存在でもあるのだから。彼女の有する権能は絶え間無い変化であり、流転でもある。その権能に逆らう事は誰にも(それが他の代行者であったとしても)出来ない。例えその象徴たる天弓の月がいつの日か喪われたとしても、その真実は揺らがないだろう。
この街は彼女の庇護下にある。街に住まう亡者達は自然と代行者の有する特性に影響を受けやすくなるというが、もしかしたらこの街の住人達が過剰なまでに多様であるのは、慈悲深くも奔放な彼女の性格や権能の影響もいくらかはあるのかもしれなかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる