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第6話 「次なる脅威」
しおりを挟む白霞の村は、ヴァルゴとの激戦を乗り越え、束の間の静寂を取り戻していた。
広場では村人たちが瓦礫を片付け、負傷者の手当てが続けられていた。
人々は互いに声を掛け合い、日常を取り戻そうとする小さな営みを始めていた。
神社の境内——
剣之介は一人、刀を研いでいた。視線は遠く、まだ見ぬ敵の気配を感じているかのようだった。
剣之介(独白)
「ヴァルゴは、ただの先遣にすぎない。モローがこれで終わるはずがない……。」
そんな彼のもとへ、足音が近づく。
現れたのは、旅装束を纏った青年——リツキ。手には竹槍、背には調査用の小型端末を収めた布袋。
リツキ
「どうやら、お前が“剣之介”らしいな。……初めまして。」
剣之介
「……誰だ?」
リツキ
「外の世界で、モローの動きを追ってる“野良”だよ。あんたらが倒したヴァルゴのログ、外部でも話題になってる。」
剣之介(目を細めて)
「ただの旅人にしては、鼻が利きすぎる。」
リツキ(微笑む)
「鼻じゃない。……知識と覚悟さ。」
彼はそう言い残して、境内の柱にもたれかかる。その瞳には、何かを見据える鋭さがあった。
⸻
夜。
村の会議場に村人たちが集まり、エリオットが緊迫した声で語り始める。
エリオット
「モローは、次の段階に進もうとしている。狙いは“白霞石”だけではない。」
ざわめく村人たち。ナギサが一歩前へ出る。
ナギサ
「何をしようとしてるの?」
エリオット
「白霞石とこの土地の自然環境を連携させ、“生体連携型兵器工場”を作ろうとしている。
この村全体を、モローの兵器生産拠点に変える気だ。」
村人A
「そんな……!」
村人B
「ここが、奴らの拠点に……!」
エリオットの報告は、希望を一瞬で凍らせる。
⸻
その頃、モロー本部——
グレイヴスは、巨大な収束砲の設計図を前に冷たく告げる。
グレイヴス
「白霞の村に“収束砲”を撃ち込む。威嚇ではない。村を、根こそぎ消す。」
技術者
「チャージ用白霞石の確保は……?」
グレイヴス(不敵な笑み)
「問題ない。奴らの足元から奪えば済む話だ。」
計画は既に最終段階にあった。
⸻
会議の後、剣之介はリツキ、エリオット、ナギサ、トウマらと対策を練っていた。
剣之介
「今度の敵は、村を“完全に破壊”する。だが、勝機がないわけじゃない。」
トウマ
「収束砲には“エネルギー収束点”がある。そこを突けば、一撃で無力化できる。」
ナギサ
「でも、そこに近づくのは……危険すぎるわ。」
剣之介
「……俺が行く。」
ナギサ(険しい顔)
「また、一人で……?」
リツキ
「待て。……俺も行く。収束砲の外殻構造、俺の方が把握してる。
あんたが斬るべき場所、正確に誘導できるかもしれない。」
沈黙が一瞬、会議の場を包む。
剣之介
「……分かった。だが、無理はするな。」
⸻
夜更け。
剣之介は、長老の元を訪ねていた。
剣之介
「白霞石……それが、奴らの執着の源か?」
長老
「白霞石は“魂”と響き合う石だ。古来より、心の波動を映すもの……。だが、それが“兵器”になるとは、誰も予想しなかった。」
剣之介は拳を握る。
剣之介(独白)
「“魂”を踏みにじるような兵器のために、この村はあるんじゃない。」
⸻
遠くの山中——
モローの収束砲が完成に近づいていた。
技術者
「チャージ完了。発射まで、あと12時間。」
グレイヴス
「無力な剣士たちに、この力の意味を教えてやれ。」
その言葉は、戦争の幕開けを告げる鐘のように響いた。
⸻
翌朝。
剣之介は村の広場に立つ。剣を握り、霧の彼方を見据える。
剣之介(独白)
「この剣で、村を守る。たとえ、相手が空を裂く雷であっても。」
リツキが傍に並び、言葉をかける。
リツキ
「お前の剣、確かに見せてもらうよ。“記録”としてじゃない。“証明”としてな。」
剣之介は、僅かに微笑んだ。
⸻
次回予告:第7話「霧前夜」
夜が深まり、霧が村を包む。
その静寂の向こうに、忍び寄る“影の剣”の気配があった——。
⸻
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