6 / 16
第5話
「ねえベルローズちゃん、どうしてあんなことを言ったの?」
「あんなこと、と仰いますと」
「誰と何を話しても変わらないって言ったんでしょう? オスカー、泣いていたわ。嫌なら嫌と、そう言ってくれたらいいのに。どうしてオスカーを傷つけるの」
ルミエラは王太子妃こと盗人に呼び出されていた。かつて見た王太子妃の私室は美しく高価な調度品で揃えられていたはずだが、盗人が私物を持ち込んだためだろう、幾らか野暮ったく庶民的に見えた。
「嫌と申し上げたつもりはありませんが、第一王孫殿下を傷つけたのであれば謝罪いたします」
「オスカーと話しても楽しくないって言いたかったのでしょう? 直接本人に言わなくてもいいじゃないの」
「そのようなことは申しておりません」
「だったらどういう意味なの?」
王太子妃にあるまじきことに、盗人は眉を寄せ感情をあらわにしている。外交の場でこれを出していないといいのだが。国の品位までが落ちる。
「誰と話していても楽しみを感じたこともありませんし、話題がなんであれそれは変わりません、と。そう申し上げたつもりでした」
「ベルローズちゃん、嘘は良くないわ。おしゃべりが楽しくないだなんて。ベルローズちゃんにもお友達がいるでしょう?」
「おりませんが」
「え......」
言葉を失った盗人を、ルミエラは冷ややかな目で見つめた。
「哀れんでいただく必要はありません」
「でも、お友達がいないなんて......寂しいでしょう。お兄様に言って、誰かお友達を......」
「結構です。小公爵さまは愛人とその娘に構うのでお忙しいようですので」
「ベルローズちゃん!?」
「なんでしょうか」
ルミエラが述べたのはただの事実である。
元兄であり現在の父である公爵が愛人・リラの家に入り浸りでろくにルミエラのことを顧みない。名前も覚えていないのではないだろうかと思う。
「お兄様ったら、ベルローズちゃんにそんな思いをさせるなんてひどいわ。わたしからきつく言っておくから、安心してね」
「結構です。平民上がりの男爵令嬢に現を抜かす愚か者を父と思ったことはございませんので」
「ベルローズちゃん! なんてことを言うのっ!」
盗人は悲鳴を上げた。
「何か間違ったことを申し上げましたか? 小公爵様は年に一度か二度しか屋敷にお出でになりません。侍女の方がよほど顔を合わせています。正直、お顔も覚えておりません。それを父と思えと? 王太子妃殿下は随分無茶を仰るのですね」
「そんな......お兄様がそんなにベルローズちゃんを蔑ろにしていたなんて」
「欲望のままに己の責務を放棄したお方に今更父親面をされても迷惑以外の何物でもありませんので、どうぞご放念ください」
「そんなわけにはいかないわ! お兄様と可愛い姪っ子を、どうして放っておけるものですか」
ルミエラはその言葉を聞いて鼻で笑った。
「ではどうして今まで小公爵様にお話にならなかったのですか? 一言でもお聞きになっていれば変わっていたでしょうに」
「そ、それは......わたし、そんなことになっていたなんて知らなくて、いつも惚気話をしているからてっきり、」
「そうでしょうね。王太子妃殿下は興味もおありでないでしょう。それが愛人の話か名ばかりの妻の話かもお考えにならないのですから」
「そんなわけないでしょう! あなたはわたしのお兄様の家族、いわばわたしの家族なのよ! それに、愛人というけれど、リラのことならわたしもよく知っているわ。お友達だもの。心優しい子よ、決してベルローズちゃんから父親を奪おうとしたわけじゃないわ」
「でしたらそのご友人とやらとその娘をお呼びください。私と小公爵様の間には血の繋がりこそありますが、家族と思ったことは一度もありませんので」
「ベルローズちゃん、ごめんなさい。確かに、わたしが無神経だったわ。ベルローズちゃんからしてみれば、いつもお父様がいないんだから、寂しいわよね。一度、リラと話してみるわ。どうか少しだけ、時間をちょうだい」
「どうぞご随意に。わたくしには一切関係のないことですので」
王太子妃が厳しい顔で侍女を呼んだので、ルミエラはカーテシーをして部屋を出て行った。
盗人、と言ってたろうかと思ったけれどやめた。王太子妃に対する不敬で咎められるのはルミエラだし、今更訴えたところでどうにもならないことはよく分かっていた。
どうせ、ルミエラが真の意味で己に戻ることはないのだから。
それから3日後、およそ半年ぶりに元兄である父が屋敷にやってきた。端麗な容貌はやや衰えているが、それでも美しい男だ。だがそれが見てくれだけだとルミエラは知っている。
「――久しぶりだな」
「お久しぶりです、小公爵様。こちらにお越しになるのでしたら、ご一報いただければ――」
パシンッ、と頬が鳴った。体が傾き、床に崩れ落ちる。すべての音が遠のいて、息が詰まった。口の中に血の味を感じてようやく、殴られたのだと理解する。
「――王太子妃殿下に要らぬ口を聞いたそうだな」
床に這いつくばったままの姿勢でその声を聞いた。視界が揺れているが、それでもルミエラは立ち上がった。無様な姿など、見せてやるものか。
「事実を申し上げただけのことが要らぬ口と言われるとは思いませんでした。今後は参内を控えた方が宜しいでしょうか?」
「減らず口を叩くな――滅多に会えないために、父親と思えないと言ったそうだな」
「はい。わたくしと小公爵様は双方、ザイツェフェルト家の血を繋ぐための道具。今のわたくしには婚姻に利用する手駒としての価値があるでしょうが、その程度でしょう」
父と娘の関係にあるはずだが、二者の間に漂う空気は温かなものとは程遠い。
「以後、公的な場において小公爵様のことをお父様とお呼びすれば御満足なさいますか? ああ、ご安心ください。小公爵様を父と思い慕ったことなど物心ついてから一度もありませんので。これまで通りご放念ください」
「......一度も父と思ったことがないだと?」
元兄は片眉を釣り上げた。
「おや、違うのですか? 物心ついて以来小公爵様とお会いするのは十回程度ですのに。そこらの使用人の方がよほど顔を合わせておりますわ。それとも、捨て置いた哀れな娘は己を父として慕い、顔を見るだけで喜ぶとでも思っていらっしゃいましたの? 随分と都合のいい妄想ですこと」
「口が過ぎるぞ、ベルローズ」
「あら、わたくしの名前を覚えておいででしたのね。今まで数えるほどしか呼んでいただいたことがありませんから、てっきりお忘れかと思っていました」
元兄は苦虫を噛み潰したかのような顔をした。ルミエラは晴れやかに笑う。
「どうぞこれまで通りわたくしのことなどお忘れください。わたくし、小公爵様と顔を合わせるのも嫌ですので」
元兄は黙り込んだ。それを見て、ルミエラは部屋に引き返す。階段を登る最中、どうしてこんなところでこうして生きているのか、という詮無い疑問が頭に浮かんだ。
「あんなこと、と仰いますと」
「誰と何を話しても変わらないって言ったんでしょう? オスカー、泣いていたわ。嫌なら嫌と、そう言ってくれたらいいのに。どうしてオスカーを傷つけるの」
ルミエラは王太子妃こと盗人に呼び出されていた。かつて見た王太子妃の私室は美しく高価な調度品で揃えられていたはずだが、盗人が私物を持ち込んだためだろう、幾らか野暮ったく庶民的に見えた。
「嫌と申し上げたつもりはありませんが、第一王孫殿下を傷つけたのであれば謝罪いたします」
「オスカーと話しても楽しくないって言いたかったのでしょう? 直接本人に言わなくてもいいじゃないの」
「そのようなことは申しておりません」
「だったらどういう意味なの?」
王太子妃にあるまじきことに、盗人は眉を寄せ感情をあらわにしている。外交の場でこれを出していないといいのだが。国の品位までが落ちる。
「誰と話していても楽しみを感じたこともありませんし、話題がなんであれそれは変わりません、と。そう申し上げたつもりでした」
「ベルローズちゃん、嘘は良くないわ。おしゃべりが楽しくないだなんて。ベルローズちゃんにもお友達がいるでしょう?」
「おりませんが」
「え......」
言葉を失った盗人を、ルミエラは冷ややかな目で見つめた。
「哀れんでいただく必要はありません」
「でも、お友達がいないなんて......寂しいでしょう。お兄様に言って、誰かお友達を......」
「結構です。小公爵さまは愛人とその娘に構うのでお忙しいようですので」
「ベルローズちゃん!?」
「なんでしょうか」
ルミエラが述べたのはただの事実である。
元兄であり現在の父である公爵が愛人・リラの家に入り浸りでろくにルミエラのことを顧みない。名前も覚えていないのではないだろうかと思う。
「お兄様ったら、ベルローズちゃんにそんな思いをさせるなんてひどいわ。わたしからきつく言っておくから、安心してね」
「結構です。平民上がりの男爵令嬢に現を抜かす愚か者を父と思ったことはございませんので」
「ベルローズちゃん! なんてことを言うのっ!」
盗人は悲鳴を上げた。
「何か間違ったことを申し上げましたか? 小公爵様は年に一度か二度しか屋敷にお出でになりません。侍女の方がよほど顔を合わせています。正直、お顔も覚えておりません。それを父と思えと? 王太子妃殿下は随分無茶を仰るのですね」
「そんな......お兄様がそんなにベルローズちゃんを蔑ろにしていたなんて」
「欲望のままに己の責務を放棄したお方に今更父親面をされても迷惑以外の何物でもありませんので、どうぞご放念ください」
「そんなわけにはいかないわ! お兄様と可愛い姪っ子を、どうして放っておけるものですか」
ルミエラはその言葉を聞いて鼻で笑った。
「ではどうして今まで小公爵様にお話にならなかったのですか? 一言でもお聞きになっていれば変わっていたでしょうに」
「そ、それは......わたし、そんなことになっていたなんて知らなくて、いつも惚気話をしているからてっきり、」
「そうでしょうね。王太子妃殿下は興味もおありでないでしょう。それが愛人の話か名ばかりの妻の話かもお考えにならないのですから」
「そんなわけないでしょう! あなたはわたしのお兄様の家族、いわばわたしの家族なのよ! それに、愛人というけれど、リラのことならわたしもよく知っているわ。お友達だもの。心優しい子よ、決してベルローズちゃんから父親を奪おうとしたわけじゃないわ」
「でしたらそのご友人とやらとその娘をお呼びください。私と小公爵様の間には血の繋がりこそありますが、家族と思ったことは一度もありませんので」
「ベルローズちゃん、ごめんなさい。確かに、わたしが無神経だったわ。ベルローズちゃんからしてみれば、いつもお父様がいないんだから、寂しいわよね。一度、リラと話してみるわ。どうか少しだけ、時間をちょうだい」
「どうぞご随意に。わたくしには一切関係のないことですので」
王太子妃が厳しい顔で侍女を呼んだので、ルミエラはカーテシーをして部屋を出て行った。
盗人、と言ってたろうかと思ったけれどやめた。王太子妃に対する不敬で咎められるのはルミエラだし、今更訴えたところでどうにもならないことはよく分かっていた。
どうせ、ルミエラが真の意味で己に戻ることはないのだから。
それから3日後、およそ半年ぶりに元兄である父が屋敷にやってきた。端麗な容貌はやや衰えているが、それでも美しい男だ。だがそれが見てくれだけだとルミエラは知っている。
「――久しぶりだな」
「お久しぶりです、小公爵様。こちらにお越しになるのでしたら、ご一報いただければ――」
パシンッ、と頬が鳴った。体が傾き、床に崩れ落ちる。すべての音が遠のいて、息が詰まった。口の中に血の味を感じてようやく、殴られたのだと理解する。
「――王太子妃殿下に要らぬ口を聞いたそうだな」
床に這いつくばったままの姿勢でその声を聞いた。視界が揺れているが、それでもルミエラは立ち上がった。無様な姿など、見せてやるものか。
「事実を申し上げただけのことが要らぬ口と言われるとは思いませんでした。今後は参内を控えた方が宜しいでしょうか?」
「減らず口を叩くな――滅多に会えないために、父親と思えないと言ったそうだな」
「はい。わたくしと小公爵様は双方、ザイツェフェルト家の血を繋ぐための道具。今のわたくしには婚姻に利用する手駒としての価値があるでしょうが、その程度でしょう」
父と娘の関係にあるはずだが、二者の間に漂う空気は温かなものとは程遠い。
「以後、公的な場において小公爵様のことをお父様とお呼びすれば御満足なさいますか? ああ、ご安心ください。小公爵様を父と思い慕ったことなど物心ついてから一度もありませんので。これまで通りご放念ください」
「......一度も父と思ったことがないだと?」
元兄は片眉を釣り上げた。
「おや、違うのですか? 物心ついて以来小公爵様とお会いするのは十回程度ですのに。そこらの使用人の方がよほど顔を合わせておりますわ。それとも、捨て置いた哀れな娘は己を父として慕い、顔を見るだけで喜ぶとでも思っていらっしゃいましたの? 随分と都合のいい妄想ですこと」
「口が過ぎるぞ、ベルローズ」
「あら、わたくしの名前を覚えておいででしたのね。今まで数えるほどしか呼んでいただいたことがありませんから、てっきりお忘れかと思っていました」
元兄は苦虫を噛み潰したかのような顔をした。ルミエラは晴れやかに笑う。
「どうぞこれまで通りわたくしのことなどお忘れください。わたくし、小公爵様と顔を合わせるのも嫌ですので」
元兄は黙り込んだ。それを見て、ルミエラは部屋に引き返す。階段を登る最中、どうしてこんなところでこうして生きているのか、という詮無い疑問が頭に浮かんだ。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
問い・その極悪令嬢は本当に有罪だったのか。
風和ふわ
ファンタジー
三日前、とある女子生徒が通称「極悪令嬢」のアース・クリスタに毒殺されようとした。
噂によると、極悪令嬢アースはその女生徒の美貌と才能を妬んで毒殺を企んだらしい。
そこで、極悪令嬢を退学させるか否か、生徒会で決定することになった。
生徒会のほぼ全員が極悪令嬢の有罪を疑わなかった。しかし──
「ちょっといいかな。これらの証拠にはどれも矛盾があるように見えるんだけど」
一人だけ。生徒会長のウラヌスだけが、そう主張した。
そこで生徒会は改めて証拠を見直し、今回の毒殺事件についてウラヌスを中心として話し合っていく──。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。