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エピソード2
しおりを挟む「いやー!!保育園行かないーー!!」
今日は朝から愛音が大泣きして駄々をこねている
理由は簡単、俺が振替代休で休みだからだ
「愛音、そんなに泣いたら目が溶けちゃうよ?」
「しょれもやらぁー!!!」
余計泣き出してしまい途方に暮れる
「お前も折角の休みだが、今日は休ませたらどうだ?これでは行けないだろう?」
親父の言うように愛音の瞼は泣きすぎて赤く腫れている
この顔で保育園なんて行かせたら、子供達にからかわれて次の日から余計行きたがらなくなるだろう
別に休みでも特にしないといけない事も無かったし休ませるのは別に良い
「じゃあ休むか。愛音、ウサギさんのお目々が治ったら夏用の洋服買いに行こっか」
俺の提案に涙が引っ込み、にぱーっと可愛らしい笑顔を浮かべる愛音は「行く!!」と元気よく返事した
親父が愛音の瞼を冷やしてくれている間に保育園へ連絡を入れて軽く部屋の掃除をして出掛ける準備をする
「じゃあ行ってきます」
「行っちぇきまーしゅ!!」
昼前に家を出てショッピングモールへ向かう
帰りは疲れて歩けなくなるだろう愛音の事を考え大きめのリュックにした
買った洋服は全てこの中へ入れないと荷物を持ったまま愛音を抱っこするのは大変だからだ
大きなショッピングモールは平日は結構空いている
人がごった返してはいないが、迷子にならない様常に外出時は愛音と手を繋ぐ
愛音も外=手を繋ぐと理解しているので嫌がる事はないし手を繋ぐのは好きなようだった
ショッピングモールで服や可愛い髪留めを買い、絵を書くのが好きな愛音の為に大きめのスケッチブックを買った
お昼ごはんは、オモチャのおまけが付いてくるファストフード
その後ゲームセンターのUFOキャッチャーで猫のヌイグルミを取ってあげた
愛音が産まれた時に猫のヌイグルミをプレゼントした
その影響か、愛音が一番好きな動物はネコ科の動物になった
手を繋いでない方の腕でヌイグルミを大事そうに抱えて帰宅の途に就く
ヌイグルミが相当嬉しかったのか寝ることなく終始ご機嫌だった
「明日、動物園にでも行く?」
夕食時母さんからそんな提案があった
多分明日は、姉が家に居るのだろう
愛音が遊んでいると直ぐに「うるさい!」と怒り、自分は一緒に遊んであげることも無く携帯を弄っている
それを見かねて、母さんや父さんは姉が家にいる時は少しでも外へ連れ出してくれるのだ
「いいね、明日なら俺も休みだし一緒に行くよ」
「あれ?明日も休みなのか?」
「うん、今日は代休で明日は自分の本来の休みなんだ」
父さんは「そうか」と言って笑った
ただ毎日が同じように過ぎていくのだと思っていた
愛音が小学校に上がり、中学校へ上がり、高校へ進学する
将来の夢に向かって突き進む彼女を俺はずっと見守るのだと思っていた
「おっとー、私結婚したい人がいるの」
なんて言われる時が来て、ヴァージンロードを一緒に歩くんだとばかり思っていた
誰にでも明日が必ず訪れるなんて、そんな事ないのに
その時になって人間は、その事を理解するのだろう
動物園の帰り道
俺達が乗る車に居眠り運転のトラックが後ろから追突した
父さんが「身体を守れ!」と叫んだ数秒後、凄い衝撃を全身に受けた
覚えてるのはここまで
最後に見た光景は、父さんが母さんを庇うように抱き締めた姿だった
最後に感じた温もりは、チャイルドシートごと抱きしめた愛音の温もりだった
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