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しおりを挟むラウとソウが異世界から戻ってきて報告を聞いた
ソウの元家族もしかり、ユーリの姉もしかり…何故異世界の者は愛するべき者を蔑ろにできるのか俺には理解できない
世界が違えばここまで考え方が違うのか…
「ねぇ…オルガ」
風呂も入り、2人でベッドでまどろんでいるとユーリが尻尾を俺の腕に巻き付けてきた
「ん?どうした??」
「僕さ、この世界に転生できて本当に良かったなって今は思うんだ」
「…そうか」
きっと前世を思い出した時は、自分が死んだ事にも1人転生した事にも絶望を感じたんだろうな
「愛音の事もあるけどさ、僕自身前世では愛って信じてなかったんだ。
家族の愛情は信じれたけど、他人が一生他人を愛せるはずがないって。
自分の命より大切に思う事なんてできないって……
だから僕は誰も好きになれなかったし、恋愛してる人を冷めた目で見ていた。
けどこの世界に生まれ変わって、オルガと出会った…」
「うん…」
「愛音の事があったから、番っちゃいけないって思った。
そしたら胸が苦しくて、心臓が抉られてるんじゃないかって思うほど痛くて…」
あの時の事を思い出しているのか、辛い気持ちが俺にも流れてくる
ユーリをきつく抱きしめると少し、辛い気持ちが和らいだ
「僕、あの時初めてわかったんだ…愛するってこう言う事なのかって…
家族へ向ける愛情とは全然違っていて、オルガの表情1つで気持ちが動かされた
愛しいって気持ちが溢れだして、触れたくて触れて欲しくて……」
そうか…まだ番っていないからってあの時はまだ平気だと思っていたけど…
あの時には既に番になった状態の精神にまで陥っていたのか…
運命の番だと他の番と違って、番わなくても番特有の能力や思考が現れると聞いてはいたけど…
「だから魔力暴走が起こったのか…」
「うん、辛くて…こんなにも愛してるのに番うことができないのかって…」
「そうか……ユーリ…」
「ん…?」
「俺のいる世界に転生してくれてありがとう。俺を受け入れてくれてありがとう」
俺がそう言うと、俺を見上げていたユーリの瞳に涙が溜まっていく
「そ…それは……僕のセリフでしょ……1度は番になる事を拒否した僕を受け入れてくれた…ありがとうオルガ」
ポロポロと涙を溢しながらそう言うユーリの額にキスをする
「愛してるよ、ユーリ。お互いが死んでも俺はユーリを愛し続けるから……どうか、来世でも俺と番ってほしい」
「…来世?」
「うん、今世も来世もユーリの全てを俺に頂戴」
「…オルガも…僕にくれる……?」
「俺は既にユーリのモノだよ。今世も来世も、この魂が消えてしまうその時まで永遠に。」
「僕も……僕の魂が消えるまで、僕はオルガのモノだよ。何度転生しても僕はオルガだけのモノでありたい」
「ありがとう」
これから先、どんな事があろうと俺達を引き離すものは誰もいない
たとえそれが神であっても…
俺達を引き離す者は許さない
「あ…ねぇ、オルガ…左手出して?」
モソモソと俺の腕の中から出たユーリはベッドを降り、棚の方へ向かう
「左手??」
何かを持って戻ってきたユーリの前に左手を出す
「これね、前世で結婚したら夫夫でつける結婚指輪ってものなんだ…つけてくれる??」
結婚指輪?
普通の指輪と違うのか…
「もちろん。いつ準備したんだ?」
「2か月ほど前かな?ソウに相談して作ったんだ」
「作ったって…ユーリが作ったのか?」
綺麗な模様が全体に入っていてリングの内側にアメシストとブラックダイヤモンドがあしらわれている
「うん、模様とかはソウが考えてくれたんだ。ソウってそういうの得意なんだよ。
で、中の宝石には意味があってね…」
アメシストは『愛情』ブラックダイヤモンドは『不滅の愛情』『成功』などの意味あいを持っている…か
ユーリの今の瞳の色と前世の時の瞳の色か…
「ユーリの方の宝石にはどんな意味があるんだ?それは紅玉とハンベルジャイトだよな?」
「僕のは紅玉が『愛情』とか『勇気』、ハンベルジャイトは『幸福』だよ。この指輪はこういった願いを込めて作ったんだ」
「なるほどな…じゃあこの指輪は外せないな」
お互いに相手の薬指に指輪をはめる
薬指につけるのも意味があるらしい
「できたら…外さないでほしいな…手を洗っても錆びたりしないよう加工してあるから…」
モジモジしながらそんな事を言うユーリが可愛くて仕方がない
「外さないよ、この指輪は異世界では『夫夫』って意味なんだろう?」
「うん…」
恥ずかしそうなユーリの手を取り指輪にキスを贈る
「ユーリ、幸せな家庭を築いて行こうな」
「オルガ…うん!!」
ギュッと抱きついてきたユーリを受けとめそのままベッドへ押し倒した
「そろそろ仕事も落ち着いてきたし…愛音とレインを迎えましょうか?」
ニヤッと俺が笑えば、顔を真っ赤に染めコクンと控えめに頷くユーリ
出会いは最悪の状態だった
けどそれを今は笑って話せるくらいには幸せだ
この世界に番という物があってよかった
でないときっと、ユーリは俺の腕の中に居なかっただろう
絶対に離さない
誰を敵に回しても
俺からユーリを奪おうとするものは
絶対に許さない
ユーリを傷つける者も
これから生まれてくる子供たちを
傷つける者も
地獄を見せてやろう
俺の全てで俺の大切な者達を必ず守る
例えその敵が神であろうとも……
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