【完結】ただのADだった僕が俳優になった話

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病院へ行くと、隣同士の個室で入院中の2人と、六花の部屋に集まって面会した

2人共骨折はしているものの、元気そうだった

けど一応検査は必要なので、脳筋な事を言ってないで安静にしとくよう叶さんに言われていた

2人共叶さんの言うことは聞くらしい

そして公演の継続、それに伴う代役やチケットに関する話をしたら、2人共泣いて感謝していた

確かに最後まで自分で演じたかったけど、自分達が出れない事によって公演が中止になる事の方が嫌だったらしい

1時間程話をしていたら、平野さんのマネージャーさんが部屋に来て、チケットの件は既に手を打って、チケット購入者への連絡も済んだと報告された

そしてマスコミに病院を嗅ぎ付けられ、表も裏もマスコミが押し掛けてきているらしい

叶さんは直ぐに永倉さんに電話をし、対応を話し合っていた



「さて、俺達はそろそろ行こうか」

電話が終わった叶さんにそう声をかけられる


「マスコミはどうするんですか?」

ベッドの上で心配そうな顔をする六花


「大丈夫、インタビューを受けたら、軽く脅して撤収させるから」


ニッコリ笑う叶さんはどこか楽しそうだ



正面玄関から出た僕達は直ぐにマスコミに囲われた

「叶さん!お二人の様子は?!」
「こちらに入院されてるんですよね?」
「明日以降の公演は中止されるんですか!?」

次々と質問が飛んできて、僕と環さんは身をすくませた

「皆さん、一気に聞かれても御返事できません。まず報告があるので聞いていただけますか?」

叶さんはにこやかにマスコミに話しかけると、マスコミは口を閉ざした


「まず2人の容態ですが、骨折はしているものの、話すことも、起き上がることもできています。念のため明日の朝から精密検査を行って、問題がなければ退院し自宅療養に切り替えとなります。明日事務所の方から皆様にはご連絡させていただきます。

公演についてですが、このまま続行する事といたしました。既にチケット購入者の方への連絡は業者を通じてさせて頂いております。
事務所のホームページ上にも2人の怪我の具合や、公演について詳細を載せておりますのでご確認ください。
また、明日以降の公演についてお客様へのインタビューや、劇場付近での報道や取材等はお断りいたします。
そのような事が判明した場合、今後のお付き合いを考えさせていただきます。
また、病院への取材や報道、今のように待ち伏せ行為もお断りいたします。職員並びに他の患者さんやご家族へ、多大なご迷惑をおかけしてますので、この様なことはしないでください。」


最後は笑顔なんてなく、冷たい視線をマスコミに向け、誰にも言葉を挟ませず、一気に喋った叶さんはチラリとこっちを見て歩き出す

叶さんが動き出すと道ができ、僕達も叶さんの後に続いてその場を離れた

その後は劇場で立ち位置の確認や、少し4人の絡みを流しながら明日に備えた 


叶さんのインタビューは夕方のニュースで生放送されていたようで、夜のニュース番組でもマスコミへの苦言をカットした部分が使われていた

SNSには夕方の生放送の分が既にあちこちで流されていて
『マスコミ、叶響に怒られるw』
『これ以上響に迷惑かけんなよ』
『病院詰めかける前に事務所に問い合わせろよ』
『すでに事務所が公開しといる事をわざわざ突撃して聞くマスコミw病院に迷惑かけるなw』
『忖度しない響、やっぱ大好き!』
などのコメントがついていた


事務所のホームページには代役が誰かも書いているので、その写真が載ったツイートも多く
『響が2役だと!?見たい!見たいけどチケットない!!( ノД`)…』
『タマちゃん出んの!?女装すんの!?見たい!!』
『ちゃんと怪我した2人のファンにも考慮してくれて感謝!』
『えー…両方見たいんだが!配信しないかなぁ…』
などと、環さんのファンは出るとは思ってないからチケットがなく、『運営どうにかしてー!!』と嘆きのツイートが目立った


次の日、精密検査を受けた2人は異常もなく、退院した事をブログで報告
舞台に立てなくなってしまった事を謝罪し、代役を務めてくれる2人に感謝し、出れなくても心は共に。と締め括っていた。

2人のファンからは応援コメントが多数寄せられていて、今の所2人を批判するようなコメントは書き込まれていない

まぁ本来、2人は被害者の立場で、仕事に行っていただけなので、批判した呟きをした人は、2人のファンに袋叩きにされて、すぐ呟きを削除していたみたいだ


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